
DEEP五明宏人戦で周年の勝利を見せた椿飛鳥インタビュー!格闘代理戦争から修斗SASUKE戦まで語ってもらいました!(聞き手/ジャン斉藤)
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・怒れる修斗王者SASUKE「椿のことはいまで大嫌いです」
――椿選手といえば、個人的には修斗フェザー級タイトルマッチのSASUKE戦がとにかく印象に残ってるんですよ。
――椿選手のほうから、いろいろと仕掛けてましたよね。
椿 いまでも覚えてるんですけど、まずランキング1位の結城大樹選手と後楽園で試合したんですよね。そのときメインとセミがケガでなくなって。
――竹原魁晟vs上原平、旭那拳vs田上こゆるの2試合がケガで中止になりました。
椿 それでボクの試合がセミファイナルになったんですよね。選手としては試合順がメインに近づけば近づくほどちょっと嬉しくて。でも、いざ入場したときの客席のガラガラ具合が……あの光景は、いまでも思い出すくらいショックだったんですよね。
――あの試合は2024年ですよね。それまで客入りは気にならなかったですか?
椿 それまでは、なんとなく入ってはいて。たぶんあの大会が修斗にとっても、きっかけなのかもしれない。
――正直、メインとセミが飛ばなくても客入りはそこまで変わらなかったんじゃないかと思いますね。
椿 あ、そこなんですよ。 ボクもそこに気づいたというか。でも、新宿FACEでやってるときはパンパンだったんですよ。ボクもチケットを頼まれても用意できないぐらい売り切れちゃって。いざ後楽園でやったときのガラガラに、すごく危機感を抱いたじゃないですけど。やっぱり、選手である以上、盛り上がるのが一番じゃないですか。
――それまではそんな意識はあったんですか?
――ああ、なるほど。スタジオマッチだったり、入場制限があったり。
椿 デビュー戦はONEウォーリアーシリーズで海外の無観客試合ですし、プロ5戦目の西川大和戦で初めてチケットの手売りを始めたんですけど。当時コロナだったから座席の間隔を空けてたんですよね。だから客席が埋まらないのがあたりまえの時代だったんですよ。 それが解けてようやく客入りを認識し始めた結城大樹戦のガラガラ具合で……。
椿 そのあとにDEEPの後楽園に行く機会があったんですよ。北岡(悟)さんと倉本大悟選手がやったときですけど、もうパンパンだったんですよね。で、修斗って一方向を花道で潰してるけど、DEEPは全方向を使って満員。しかも帰るときは混雑しすぎてロビーが身動きできない状態っていうか。 それもあって「修斗をなんとかしなきゃいけない」と。
――なるほど!それでSASUKE戦を煽り始めたんですか?
椿 やっぱりお客さんに見てもらえなかったら、なんにもなんない。SASUKE戦に繋がるストーリーを作ろうと思ったんですよ。でも、ケンカでオラオラするのは、ブレイキングダウンもあるんで、出尽くしてると思って。自分らしいというか、 ちょっとチャラついた感じで攻めようと思って、SNSの投稿をやりだした感じですね。
椿 そしたらSASUKEが本当に怒って(苦笑)。
――作られてないから最高なんですよ!(笑)。 SASUKE選手がそういう性格だと知ってたんですか。
椿 いや、 まったく。それどころか共通の練習仲間がいたんで、ちょっと喋ったりするような仲だったんです。 ボクの予定では環太平洋のベルトを獲ったあとにSASUKEをやりたいと思ったんですよ。結局、環太平洋の試合はできなかったんですが、タイトルマッチ経験者のタテオ選手と組まれて。そこではスプリットの判定勝ち、フィニッシュじゃないからタイトルマッチはどうなんだろう?と。
――挑戦への手応えはなかったんですよね。
椿 そのタイミングでDEEPの会場でSASUKEから寄ってきたんですよ。 友達に「面白いからとりあえずカメラを回してくれ」って撮った動画を投稿していたら、知らず知らずのうちに向こうが本気で怒って。 修斗側は試合を組む気がなかったんですが、全日本アマチュア修斗の会場でSASUKE と遭遇したときも面白おかしく返したら、それに怒ったSASUKEが修斗に「椿と試合させてください」って言ったらしいんですよ。
椿 自分としては実力的にもまだ早いし、このカード自体がまだ盛り上がりきってない状態だったので、やるかどうか悩んでいたら、当時の師匠の森(修)さんが「ここは絶対にやったほうがオマエのためになる」と背中を押してくれて。それで試合が決定した感じですね。
――あとで格闘代理戦争の話は聞くんですけど、 椿選手って「何がなんでも修斗!」というタイプじゃないですよね。
椿 そうではないですね。 ボクがアマチュアのときはDEEPのフィーチャーキングや、パンクラスのアマチュアも全然そんなにやってなくて。 当時のボクはUFCを本気で目指してたし、アマ修の歴代優勝者を見たら、水垣偉弥さんや田中路教さんとかそうそうたるメンバーだったんで。アマ修の全日本で優勝できたら、イコールUFCに行ける才能があると。実際に優勝できたんです。デビュー戦はONEで、修斗に出た理由もいろいろあったんですけど。
―― 手売りじゃなくても格闘技ファンを動員できたんじゃないかと。
椿 あと当時の修斗のチケットは一番安い席で1万円だったんですよね。 価格の相談もできたんじゃないかなと。 まあ試合内容の部分では、見せ物としては成立できたんじゃないかなと思うんですけど。
――試合は面白かったですし、試合後のSASUKE選手の怒りのマイクも最高だったんですよ。
椿 ボクは試合で締め落ちて、そのまま控室に運ばれたんで、マイクの内容を聞いてなかったんですよ。 会場の外で応援に来てくれた人たちと会ったときに「ムカついたよ!」みたいに口を揃えて。あとで記事を読んだら「修斗から出ていけ!」と(苦笑)。
――「副業だの遊びみたいな格闘技やってる奴が取れるわけねえだろ」「スパイみたいな姑息なことやってる奴らがベルト取れるわけねえだろ。数々の愚行と行ないを反省し、オマエら、修斗から出て行け」ってやつですね(笑)。
椿 ボクと一緒に練習している方が、SASUKEとの試合が正式に決まってない段階でマスタージャパンに練習で呼ばれたんですよ。 その方はもちろんSASUKEとは練習はしてないし。
――森さんが抗議してマスタージャパン側も謝罪したんですね。
椿 いま思うと、いろいろと話題になったのは、修斗にとってもよかったと思います(笑)。
椿 でも、これで修斗はもういいかな……と思っちゃいましたね。自分が何かこれ以上できることがあるかっていうと……。そのあと修斗からも、ありがたいお話はいただいてたんですけど。 ボクとしては出るなら修斗、DEEP、パンクラスの3つと決めてたんで。ただ、DEEPは一番ないだろうなと。
――それはまだどうしてですか?
椿 DEEPはボクを必要としてないというか。フェザー級GPができるくらい選手が集まってるし、ボクは若くないし、戦績もまったく綺麗じゃないし、めっちゃ強いわけじゃないし(笑)。
――自虐的です!(笑)。
椿 ボクの居場所はないだろうなって思ってたんですよね。
――ところが、ですね。
――いきなりいいマッチメイクですよね。
椿 ホントにそうです。ボクが「やりたい」と言って、やれる相手じゃないですよね。 まあ、牛久選手サイドからしてもボクとの試合はメリットがあるというか。フェザーにまた戻していきなり厳しい相手ではなくて、強くもないし、弱くもないし、椿ぐらいがちょうどいいだろう、みたいな(苦笑)。
椿 はい。 それこそ勝った先を見ちゃったというか、いろんな希望を持っちゃったというか。勝ったらDEEPのタイトルマッチ、もしかしたらRIZIN大晦日で誰かが欠場したら……そんな夢を見ちゃうじゃないですか!!(笑)。
――ハハハハハハハ!
椿 格闘技やってて、その夢を見れる奴が何人いるんだよみたいな。
――夢すら見れない選手がほとんどですからね。
椿 でも、58秒で負けちゃって……。ホントに悔しかったですよ。牛久戦に負けたのが人生でも一番悔しいというか。 それは自分自身に対する期待値が大きすぎて、それが思いどおりにいかなかったときの落差がすごかったんで。いまでも思い出すとちょっと悔しい。油断はしてないですけど、簡単にいうと欲があったし、舐めていたのかなっていう。
――反省会みたいになってますけど、DEEP第2戦の五明宏人戦は快勝でした!
椿 ありがとうございます(笑)。このタイミングで相手が五明というのは、もう負けたら次はないなとは思いました。 DEEPで試合はできるけど、立ち位置が……若手の壁みたいな役割になるんだろうなあと思ってましたね。 その試合に勝てて本当にホッとしましたねぇ。
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