
『人生の質は「細胞エネルギー」で決まる!』の続きです!(#1,#2,#3,#4,#5)
このシリーズでは、現代人の不調の原因を「細胞エネルギー」という視点から整理しております。要するに、ミトコンドリアの働きが低下すると、体内でうまくエネルギーを作れなくなり、その結果として疲労や肥満、慢性疾患といったさまざまな不調が引き起こされるわけですね。そこで前回は「時間の乱れ」の話をしましたんで、今回はその続きで「ミトコンドリアを増やす運動」の話をしてみましょう。
そもそもなぜ運動は素晴らしいのか、説明できます?
「運動は健康にいい」って話は、さすがに聞き飽きた感がありますが、じゃあ「何がどう良くなるのか?」と聞かれると、意外とぼんやりしてる人も多いはず。運動が良い理由は複数ありまして、インスリン感受性の改善や慢性炎症の低下など複数のメカニズムが存在しますが、こと細胞エネルギーの観点からいうと、
- 運動はミトコンドリアを増やすから素晴らしいのだ!
って結論になります。運動というと、世間では「カロリーを消費してくれるから良い」みたいなことを言いがちなんだけど、実際の研究で確認されているメリットのなかで最も大きいのは、運動によって細胞のエネルギーが増えるってポイントなんですね。
前回までで見てきたとおり、現代人の不調の多くは、
- 疲れやすい
- 太りやすい
- 集中力が続かない
みたいな「なんとなく不調」に集約されるわけですが、これらの原因について、昨今の細胞エネルギー理論から一言でまとめると、
- 「なんとなく不調」の原因はミトコンドリアの機能低下だ!
って感じになります。繰り返しになりますが、細胞の発電所がうまく働かないと、体全体のパフォーマンスがじわじわ落ちていくってことですね。
で、ここで重要なのは、
- ミトコンドリアは「使わないと減る」
- 逆に「使うと増える」
という性質を持っているところで、ミトコンドリアってのは筋肉と同じようなもので、刺激を与えれば増えるし、放っておけば衰えるものなんですよ。つまり、運動をしないと、
- 運動しない →
- 細胞のエネルギー工場が減る →
- さらに動けなくなる
という負のループに入りやすくなっちゃうわけですな。実際のところ、運動でミトコンドリアが増えるってデータはめっちゃありまして、過去の代表的な研究(R)では、
- 有酸素運動でミトコンドリア密度が増加する
- HIITでも同様の増加が確認されている
- トレーニング開始後、数週間でミトコンドリアの増加が確認されている
のように報告されてたりします。これは運動をするしかないですな。
これは専門的には「ミトコンドリア生合成」と呼ばれる現象で、このプロセスの中核になるのがPGC-1α(ピージーシーワンアルファ)ってタンパク質であります。こいつはミトコンドリアを増やすスイッチみたいな存在で、私たちが運動をしてエネルギーが足りない状態になると、これによってPGC-1αが活性化してミトコンドリアが増えるって流れになってるんですな。
で、このスイッチをオンにすることがわかっているのが、
- 有酸素運動
- HIIT(高強度インターバル)
- 筋トレ
の3つでして、要するに体に「ちょっとキツい刺激」を与えたときに、ミトコンドリアの増設スイッチがオンになるのだと覚えておけば問題ありません。
では、ベストな運動ってどんな感じなの?
ここでよくある疑問が、「ミトコンドリアを増やすためには、どんな運動がベストなの? 有酸素? HIIT?」みたいなものです。いわば「発電所を増やすには長く動くべきか、短く追い込むべきか」みたいな疑問ですな。
これは判断が難しい問題ですけども、ざっくり言えば「すべてやるのが理想」であります。というのも、運動の種類によって、ミトコンドリアに効くメカニズムが違ってきますんで。
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