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AI時代に必要なのは『ケンタウロス思考』だ!」の続きです!(#1,#2)

 

このシリーズでは、みんな大好きサイエンス誌に掲載された最新のレビュー論文をもとに、AIを単なる便利ツールとして使うのではなく、人間の思考を拡張する「チームメンバー」として扱うための実践法を考えていきます。AI時代に私たちが鍛えるべきなのは「AIに正解を出させる力」ではなく、「AIと一緒に考える力」なのではないか?というのが、このシリーズの大きなテーマであります。

 

そのために、このシリーズでは、実際にAIとどう向き合えばいいのかを、単なるプロンプト術ではなく、手を動かしながら考えていくことにしております。ということで今回は、前回の「AIを“チーム”として見直す」ってマインドセットをふまえた上で、さらに「タスクを分解する」ってワークをやってみましょう!

 

 

 

AIの「うーん、なんか違う」問題を考えてみよう

「AIを使っているのに、なぜか思ったほど仕事がラクにならないなぁ」みたいな感覚は、誰もが一度は抱いたことがあるでしょう。ChatGPTに文章を書かせたり、企画案を出させてみたところ、それっぽい答えは返ってきたので、実際に使ってみようとしたら、「うーん、なんか違う」や「悪くないけど、そのままでは使えない」みたいな感覚がわいてきて、

 

  • 結局、自分でかなり直すことになる
  • AIに頼んだはずなのに、逆に判断が増えた

 

って事態になっちゃうことはよくありますからね。これは、私も日々出くわしていることであります。

 

ただし、これは「AIの性能が低いからだ!」って話ではなくて、多くの場合、仕事をそのままAIに投げすぎているのが原因なんですよね。「AIに丸投げすると、なぜズレるのか?」と言いますと、たとえば、あなたがChatGPTへこんなふうに頼んだとしましょう。

 

「ケンタウロス思考についてブログを書いてください」

 

こうやると、もちろんAIはそれっぽい文章を出してはくれるものの、この指示には、実は重要な情報がほとんど入っていないんですよ。

 

  • 誰に向けて書くのか?
  • どれぐらいの知識レベルの読者なのか?
  • この記事の目的は何か?
  • 読後に何をしてほしいのか?
  • どんな文体にしたいのか?
  • どこまで理論を説明するのか?
  • どこから実践に入るのか?
  • 読者がつまずきそうなポイントはどこか?

 

こういう前提が抜けたまま「ブログを書いて」と頼んだら、そりゃあAIは平均的で無難な文章しか作れないわけです。「最近どう?」と聞かれても、フワっとした答えしか返せないのと同じですな。

 

その結果、AIに丸投げしたときに出てくるものは“最大公約数っぽい答え”になりまして、「悪くはないし、間違ってもいないんだけど……、うーん、でもなんかぐっとこないし、だいぶ薄いしなぁ……」みたいな、モヤモヤした出力になりがちなんですよね。

 

 

 

ケンタウロス思考の第一歩は「分解」である

では、この「ありがちな出力になっちゃう問題」をどうするか?ってことで、今回のケンタウロス思考論文では、「仕事をAIに投げる前に、仕事を分解せよ!」と主張しておられます。ケンタウロス思考では、人間とAIが役割分担しながら考えるのが基本なので、そのために最初に必要なのが「分解」だってことなんですな。

 

このシリーズ第1回めでも、「人間の知能は個人の頭の中だけで完結するものではなく、他者・道具・情報との関係性のなかで発揮されるものだ」という話をしましたが、AI活用もこれは同じこと。ひとつのAIに全部を任せるより、作業を分けて、AIと人間の役割を組み合わせたほうが精度が上がりやすいのは当然なわけです。

 

一例として、「記事を書く」というタスクについて考えてみると、ここには複数の作業が入り混じってまして、

 

  1. ネタを決める
  2. 読者の悩みを想像する
  3. 主張を決める
  4. 根拠を集める
  5. 構成を作る
  6. 文章を書く
  7. 読みにくい部分を直す
  8. タイトルを考える
  9. 誤字脱字をチェックする
  10. 公開後の反応を見る

 

みたいに、めっちゃ細かい工程が存在してるわけです。それなのに、いきなりAIに「記事を書いてください」と頼むのは、レストランでシェフに向かって「なんかうまい料理を作ってください」と言っているようなもの。そこそこおいしいものは出てくるでしょうが、自分が本当に食べたかったものとはズレる可能性が高いでしょう。

 

ということで、今回は「AIに何を頼むか?」の前に、「そもそも自分がやろうとしている仕事は、どんな小さな工程で成り立っているのか?」を可視化するためのワークをやっていきましょうー。