
「感情知性を、あらためて学び直そう!」の続きです!(#1)
このシリーズでは、AIの時代こそ感情知性が大事だよねーって話をしております。
というのも、文章の要約、企画のたたき台、情報収集などは、AIがかなりの速度でやってくれるようになった昨今。以前なら「知識が多い」「処理が早い」だけでどうにかなった場面が、いまや通用しなくなりはじめたわけです。となると、人間側に残る大きな仕事は、「自分は何を大事にしたいのか」「この状況で誰にどう関わるのか」「いま湧いている感情をどう扱うのか」といった部分になってくるじゃないですか。
ここで必要になるのが、ズバリ「感情知性」であります。ご存じのとおり、感情知性ってのは、自分と他人の感情を理解し、感情に振り回されず、必要に応じて行動や人間関係に活かす力のことでして、人間としての判断や関係づくりには欠かせないんですな。ここはAIには代替されにくいでしょうし。
が、こいつは簡単そうで意外と誤解も多い概念なので、まずは間違いやすいポイントを押さえておくのが大事。というわけで、今回は「なぜネガティブ感情は消えないのか?」ってところを掘ってみましょう。
ネガティブ感情は、そもそも問題ではない
感情知性を鍛えるにあたり、まず大事なのが「ネガティブな感情」の役割を知ることであります。これは「無(最高の状態)」などでも触れた観点ですが、めっちゃ大事なとこなので、さらに詳しく掘り下げておきましょう。
さて、ネガティブな感情は誰にとっても嫌なもの。不安、怒り、悲しみ、恐怖、罪悪感などは、できれば感じずに済ませたい感情ばかりであります。不安が続けば仕事に集中しにくいし、怒りに任せて発言すれば人間関係を傷つけるし、悲しみが強いと日常の細かな用事すら重く感じるしで、こうした経験を嫌がるのは自然なことでしょう。
しかし、ここでぜひ押さえておきたいのは、ネガティブ感情は私たちの役に立ってくれている、という点であります。そもそも私たちの感情は、なんのために生まれたのかと言いますと、
- 環境の変化に素早く反応し、行動の優先順位を決めるため
であります。たとえば、私たちが恐怖を感じたときには、注意力が一気に爆増し、逃げたり身を守ったりといった行動をしやすくなるわけです。夜道で後ろから不自然な足音が聞こえたときに、もし恐怖心がなかったら、周囲を確認して、人通りの多い場所へ移動したり、誰かに連絡したりできなくなっちゃいますからね。
その他のネガティブな感情もざっくり見ておくと、
- 怒り:怒りは、しばしば厄介な感情として扱われるものの、その背景には「不当に扱われた」「大切な境界線を越えられた」「尊重されなかった」といった感覚があったりする。なので、怒りが出たこと自体は、自分にとって何が重要なのかを知らせる手がかりにはなる。
- 悲しみ:人や場所、役割、将来の見通しなど、大切だったものを失ったときに悲しみが出るのは自然。悲しみがあるからこそ、自分にとって何がかけがえのないものだったのかを確認できることもある。誰かとの別れで深く悲しむのは、その関係が自分にとって意味を持っていた証拠でもある。
- 不安:不安は「まだ起きていない悪いこと」を先回りして想像させるため、扱いにくい感情ではある。ただし、その機能だけ見れば、将来の危険や損失に備えるためのシステムだと言える。私たちは、締切前に不安になるから準備をするし、健康診断の数値が気になるから生活を見直すし、人間関係の行き違いが心配だから言い方を考える。不安は過剰になると苦しいものの、適度であれば、現実的な予防や改善を促す力にもなる。
みたいな感じっすね。まぁ、ネガティブ感情が常に正しいわけではなく、不安が実際の危険を何十倍にも見せることもあるし、怒りが誤解から生まれることもあったりはします。
そのため、大事なのは、「感情に従う」ことではなく、必要なのは感情をいったん情報として受け取ることであります。たとえば、
- 「私はいま怒っている。何が侵害されたと感じたのだろう?」
- 「私は不安だ。何を失いたくないのだろう?」
- 「私は悲しい。何が自分にとって大切だったのだろう?」
みたいな感じっすね。このように考えると、感情のままに行動する必要がなくなっていい感じです。怒りが「怒鳴れ」って命令ではなくなり、境界線や尊重について考える材料になるわけですね。