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感情知性を、あらためて学び直そう!」の続きです!(#1,#2,#3,#4,#5,#6)

 

このシリーズでは、AIの時代こそ感情知性が大事だよねーって話をしております。

 

というのも、文章の要約、企画のたたき台、情報収集などは、AIがかなりの速度でやってくれるようになった昨今。以前なら「知識が多い」「処理が早い」だけでどうにかなった場面が、いまや通用しなくなりはじめたわけです。となると、人間側に残る大きな仕事は、「自分は何を大事にしたいのか」「この状況で誰にどう関わるのか」「いま湧いている感情をどう扱うのか」といった部分になってくるじゃないですか。

 

ここで必要になるのが、ズバリ「感情知性」であります。ご存じのとおり、感情知性ってのは、自分と他人の感情を理解し、感情に振り回されず、必要に応じて行動や人間関係に活かす力のことでして、人間としての判断や関係づくりには欠かせないんですな。ここはAIには代替されにくいでしょうし。

 

で、今回は、感情知性において最もよく出てくるテーマである「怒りの感情」について見てみましょう。

 

感情に関する問題のなかでも「怒りっぽい自分を直したい!」ってのは最も頻出するテーマのひとつ。

 

 

  • つい相手に言い返してしまった!
  • 皮肉を言って場の空気を悪くしてしまった!
  • 怒りの勢いで余計なメッセージを送ってしまった!
  • あとから考えれば言わなくていいことまで言ってしまった!

 

といったように、怒りにまかせて人間関係をこじらせてしまい、あとから「なんであんなこと言ったんだ……」と後悔したような経験は誰にでもありましょう。この問題を、感情知性の研究の世界ではどう考えているのかを見ていきます。

 

 

 

感情に従う必要はないが、無視するのももったいない

さて、怒りがわき上がると、私たちはたいてい、その感情が命じるままに動きたくなるものです。怒りが出れば相手に言い返したくなるし、責めたくなるし、皮肉のひとつも言いたくなるのが普通であります。なかには、「もう知らん!」と関係を切りたくなる人もいるでしょう。

 

まぁ、これらの反応はめっちゃ自然なものでして、怒りが出た後で戦闘モードになっちゃうのは仕方ないところです。そもそも「怒り」の感情ってのは、「現状を打ち破れ!」って行動を促すために備わったシステムのひとつですからね。

 

ただし、ここで大事なのは、「感情の指示が常に正しいとは限らない」ってところです。これはめっちゃ当たり前の話で、

 

  • 怒りが「攻撃しろ!」と言ってきたとしても、本当に攻撃したほうがいいとは限らない(というか、たいていは状況を悪化させる)。

  • 不安が「逃げろ!」と言ってきたとしても、本当に逃げたほうがいいとは限らない(というか、逃げるほど不安が強化されることも多い)。

  • 悲しみが「もう何もするな」と言ってきたとしても、本当に全部を投げ出す必要があるとは限らない(というか、大事なものを見直すチャンスでもある)。

 

みたいな話であります。つまり、感情はアラームを鳴らすスピードは速いんだけど、その最終判断についてはイマイチ信用しづらいところがあるんですよね。かわいいやつです。

 

これは「火災報知器」と似たようなもんでして、もしアラームが鳴ったら、とりあえず「何が起きたんだろう?」と確認する必要はあるじゃないですか。でも、そのアラームが必ずしも正しいとは限らず、トーストが焦げただけかもしれないし、煙探知機の誤作動かもしれないじゃないですか。それなのに、火災報知器が鳴るたびに、窓ガラスを割って外へ飛び出してたら、ただのヤバいやつですからね。そうならないためには、まずは何が起きているのかを見る必要があるわけです。

 

こいつは感情も同じことでして、怒りが出たなら、すぐに「誰を攻撃すべきか?」ってのを考えるのではなく、

 

  • 自分は何を侵害されたと感じたのか?
  • 自分は何を守ろうとしているのか?
  • 自分はどんな扱いを望んでいたのか?
  • 自分にとって、どんな価値観が反応しているのか?

 

と見るのがいいわけです。

 

このような考え方が大事なのは、感情に少し距離を取ることで、感情が「読み解くべきデータ」に変わるからです。

 

たとえば、誰かに雑に扱われて怒りが出たとしましょう。このとき、感情にそのまま従うと「ふざけんな!」みたいに言い返したくなるでしょう。

 

が、ここで「怒り」を少し分解してみると、その裏側に「尊重されたい」「公平に扱われたい」「自分の時間や努力を軽く見られたくない」といった欲求があることに気づいたりするんですよ。もうちょい詳しく言うと、

 

  • 尊重されたいから、雑に扱われたように感じた瞬間に怒りが出たのかもしれない。
  • 公平に扱われたいから、自分だけ損をしているように見えたときに反応したのかもしれない。
  • 自分の時間や努力を大事にしたいから、それを軽く見られたように感じて腹が立ったのかもしれない。

 

みたいな感じですね。このメカニズムが見えれば、あなたの行動はだいぶ変わるはずであります。たとえば、

 

  • 相手を責める代わりに、「この点はちゃんと確認しておきたいです」と伝える。
  • 黙って我慢する代わりに、「次からは事前に共有してもらえると助かります」と境界線を引くことができる。

 

といった具合でして、怒りのエネルギーを、攻撃ではなく前向きな調整や交渉に使えるようになるわけです。これは、めっちゃ仕事でもプライベートでも大事なスキルですね。

 

というと、「感情を無視すればいいのか!」みたいに思う人もいたりするんすが、決してそういうわけじゃないのでご注意あれ。怒りをなかったことにしても、消えたように見えるだけで、体の緊張、睡眠の乱れ、過食、先延ばし、妙なイライラなど、別の形で出てくることがありますんで。

 

これは「感情あるある」のひとつで、「俺は鋼のメンタルだ!」とか「ネガティブな感情なんて気にしない!」と言っている人ほど、実際にはもっと見えないところで感情に動かされていることがよくあります。本人は冷静なつもりでも、実際には、

 

  • 相手を避ける
  • 黙りこんじゃう
  • 攻撃する
  • 皮肉を言う
  • 急に距離を取る

 

みたいな形で「怒り」が外に漏れているケースはめっちゃありますんで。なので、ここでは感情に素直に従うわけではなく、かといって感情を無視するわけでもない姿勢が大事。最もやるべきは、いったん立ち止まって、

 

この感情は、自分に何を知らせようとしているのか?

 

と確認することであります。そのうえで、感情の勢いにまかせた行動ではなく、自分の価値観に近づく行動を選ぶことができれば上出来であります。簡単に言うと、

 

  1. 怒っている
  2. 自分が何を守りたいのかを観察
  3. そこを確認してから、次の行動を決める

 

って流れですね。これが「怒り」に関する感情知性の基本になります。

 

 

 

怒りは、境界線・公平さ・尊重のサインかもしれない

「自分が何を守りたいのかを観察する」って視点を、もうちょい掘り下げてみましょう。「怒り」ってのは、私たちの中に攻撃の衝動を生むわけですが、それと同時に、私たちにとって本当に重要な情報を教えてくれる存在でもあります。