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久々にビタミンDのお話です。「ビタミンDのサプリは何を選べばいいですか?」とよく聞かれるわけです。ご存じのとおり、ビタミンDは脂溶性ビタミンの一種で、主な役割はカルシウムとリンの吸収を調整し、骨や筋肉の健康を維持すること。これは食事からも取れるものの、紫外線を浴びることで皮膚でも作られるという、ちょっと変わった性質を持っております。

 

ただし、あらかじめ念を押しておくと、ビタミンDは「飲めば健康に!」みたいなサプリではないのでご注意を。こいつは血中濃度が低い人にはメリットが期待できるものの、すでに足りている人が高用量を追加しても、骨折、心血管疾患、がんなどを防ぐ効果はほとんど確認されておらず、逆に転倒や骨密度低下などのリスクが増えるケースもあったりしますんで。

 

こいつはむやみに高用量を飲めばいいってわけではない一方で、不足している人には激しく重要な成分なので、

 

  • 日光を浴びる機会が少ない
  • 高齢である
  • 肌の色が濃い
  • 肥満傾向がある
  • 魚やビタミンD強化食品をあまり食べない
  • 消化吸収に問題がある

 

といった人は、めっちゃオススメしております。私も普段あんま日光を浴びていないので、定期的に摂取するようにしてますな。

 

 

 

ビタミンDのメリットをあらためて考えてみよう

さて、ビタミンDの効果を考えるうえで、もっとも大事なのが「摂取前の血中濃度」であります。ビタミンDの状態は、一般的に血液中の「25-ヒドロキシビタミンD(25(OH)D)」って数値で判断します。判断の基準をざっくりまとめると、

 

  • 20ng/mL未満:不足
  • 20〜30ng/mL前後:おおむね十分
  • 30〜35ng/mL超:追加のメリットは小さい
  • 50ng/mL以上:有害作用のリスクが高まる可能性がある

 

ぐらいのイメージです。なので、ビタミンDサプリの目的ってのは、血中濃度を高くすることではなく、不足している人を20〜30ng/mLあたりまで戻すことなんですよ。ここはめっちゃ大事。

 

ちなみに、25(OH)Dは普通の健康診断では測定してくれないので、気になる方は、内科などで血液検査をお願いすれば測定できます。ただし、健康な人が一律に検査する必要はないとされているので、不足しやすい条件に当てはまる場合に医師へ相談するとよいでしょう。

 

ってことで、以上をふまえてビタミンDにはどんなメリットがあるのかを、あらためて見てみましょうー。

 

 

ビタミンDのメリット1.欠乏による骨の問題を防ぐ

ビタミンDの働きとして、もっとも確実なのが骨の健康維持であります。ビタミンDが極端に不足すると、腸からカルシウムやリンを十分に吸収できなくなり、骨軟化症が起きる可能性があったりするんですよ(骨軟化症は、骨の石灰化がうまくいかず、骨が柔らかくなる病気)。こうなると、筋力低下や骨の痛みが出ちゃうんで、ぜひ避けたいところ。そのため、ビタミンDが不足している人に対しては、サプリによる補充に十分な意味があります。

 

ただし、もともと血中濃度が足りている人については話が別。米国で行われた大規模なVITAL試験では、50歳以上の成人がビタミンDを1日2,000IU、約5年間摂取しても、プラセボと比べて骨折リスクは有意に減らなかったって話なんで(R)。この研究の参加者は、開始時点の血中濃度が平均30.7ng/mLと十分だったんで、足りている人がさらに追加しても、少なくとも骨は丈夫にならなかったわけです。

 

さらに、別の3年間の試験では、1日400IUに比べて4,000IUや10,000IUを摂取したグループのほうが骨密度が低下したなんて報告も出ております(R)。ビタミンDは骨に良いから大量に取ろう!とは考えないほうがよろしいでしょう。

 

 

ビタミンDのメリット2.風邪を減らす可能性がある

ビタミンDは免疫機能にも関わってまして、血中濃度が低い人がサプリを飲むと、風邪やインフルエンザなどに強くなる可能性があったりします。

 

たとえば、25件の臨床試験をまとめたメタ分析では、ビタミンDサプリによって呼吸器感染症のリスクが低下し、特に血中濃度が10ng/mL未満だった人では、感染リスクが42%低下したというんですな(R)。こりゃなかなかの数値ですな。

 

もっとも、その後の研究では結果が一貫しておらず、血中濃度が20ng/mL以上ある人では、あまり効果が見られないケースも珍しくなかったりします。なので、「ビタミンDを飲めば風邪を引かなくなる」というより、重度の不足を放置しないことが重要ぐらいに考えておくのがよいでしょう。

 

ちなみに、風邪予防でサプリを飲むときは、巨大な量を一気に飲む方法ではなく、適度な量を毎日または毎週摂取するようにしてくださいませ。そのほうが効果が出てるんで。

 

 

ビタミンDのメリット3.めまいの再発を減らすかも

意外なところでは、ビタミンDの補充が「良性発作性頭位めまい症(BPPV)」の再発予防に役立つ可能性も報告されております。BPPVは、内耳にあるカルシウムの小さな結晶が本来の位置からずれることで起こるめまいで、ビタミンD不足との関連が指摘されているんですよ。

 

たとえば、韓国で行われた研究では、血中濃度が平均13ng/mLだったBPPV患者が、ビタミンDを週7,000IU、1年間摂取したところ、再発率がプラセボ群の44.4%から9.5%まで低下したんだとか(R)。また、別の大規模研究でも、血中濃度が20ng/mL未満の人にビタミンDとカルシウムを与えたところ、BPPVの再発率が24%低下しております(R)。

 

もちろん、すべてのめまいに効くわけではないものの、BPPVを繰り返していてビタミンDも不足している人なら、サプリを検討する価値はあるんじゃないかと。

 

 

ビタミンDのメリット4.自己免疫疾患を(わずかに)減らす

先ほどのVITAL試験では、ビタミンDを1日2,000IU摂取した人は、プラセボ群より自己免疫疾患を発症する相対リスクが22%低かったという結果も出ております(R)。というと凄そうなんだけど、絶対的な差は約1万3,000人中32件だったりします。相対リスクだけを見ると大きく感じますけど、実際に予防できた人数はそこまで多くないんですよね。

 

「自己免疫疾患を防ぐために全員が飲むべき」とまでは言えませんが、不足者が適正な濃度を維持するメリットのひとつとしては覚えておいてよいでしょう。

 

 

ってことで、ここまでの内容をまとめると、ビタミンDサプリに期待できるのは、

 

  • 骨軟化症や筋力低下の予防

  • 骨の健康維持

  • 風邪の減少

  • BPPV再発予防

  • 自己免疫疾患リスクのわずかな低下

 

といったあたりになりますな(あくまで体内量が足りない場合)。一方で、血中濃度が十分な人に対しては、

 

  • 骨折を防ぐ

  • 心筋梗塞や脳卒中を防ぐ

  • がんを防ぐ

  • 認知症を防ぐ

  • うつを改善する

  • 体重を減らす

 

といった効果は、全体として安定して確認されておりません。そこはくれぐれもご注意くださいませ。

 

 

 

ただし、ビタミンDなら何でもいいわけではない

ってことで、個人的には「私のように太陽光を避けて暮らす引きこもりはサプリが必須!」と考えるわけですが、ここで問題になるのがやはりサプリの品質であります。毎度おなじみモンタナ州立大学のアンダーソン先生が市販のビタミンDサプリを調べたデータによると、大半の商品は許容範囲内だったものの、表示量を大幅に超えるビタミンDが含まれていた製品も見つかったりしてますんで。

 

たとえば、