
「感情知性を、あらためて学び直そう!」の続きです!(#1,#2,#3,#4,#5,#6,#7,#8)
このシリーズでは、AIの時代こそ感情知性が大事だよねーって話をしております。
というのも、文章の要約、企画のたたき台、情報収集などは、AIがかなりの速度でやってくれるようになった昨今。以前なら「知識が多い」「処理が早い」だけでどうにかなった場面が、いまや通用しなくなりはじめたわけです。となると、人間側に残る大きな仕事は、「自分は何を大事にしたいのか」「この状況で誰にどう関わるのか」「いま湧いている感情をどう扱うのか」といった部分になってくるじゃないですか。
ここで必要になるのが、ズバリ「感情知性」であります。ご存じのとおり、感情知性ってのは、自分と他人の感情を理解し、感情に振り回されず、必要に応じて行動や人間関係に活かす力のことでして、人間としての判断や関係づくりには欠かせないんですな。ここはAIには代替されにくいでしょうし。
で、前回は感情調整には複数の入口があるってポイントを見てみましたんで、今回はその続きを見てみましょう。すなわち、
感情を整えるには、どのスキルから試せばいいのか?
というテーマであります。前回の繰り返しになりますが、感情調整ってのは感情を弱めることではありませんで、
- 必要な感情を維持したり
- 目標に役立つ感情を増やしたり
- 感情との距離を変えたり
- そもそも感情が生じる状況を調整したり
といった考え方も含むわけです。たとえば、大事なプレゼン前に不安が強いとき、「不安を弱めよう!」と考えると、かえって不安に注意が向きすぎることがあるじゃないですか。この場合に大事なのは、不安を弱めることじゃなくて、「不安があっても準備を進められる状態」に持っていくことなんですよ。
これは、誰かに腹が立ったときも同じで、ここでの目標は「怒らない人になること」じゃなくて、怒りに任せて相手を攻撃せず「自分は何に傷ついたのか?」「どんな境界線を守りたいのか?」「相手に何を伝える必要があるのか?」を整理できるようになることですんで。
なので、感情調整については、感情が自分の目標を邪魔しすぎないように扱う技術だとお考えください。ここ、めっちゃ大事。
ランキングの基準
ということで今回は、前回お伝えした「4つの感情調整パターン」をふまえて、感情調整に使えるスキルをランキング形式で見ていくことにします。このランキングを参考にすれば、自分の状態に合った感情調整法を選びやすくなるはず。
ランキングの基準は以下の3つにしました。
| 基準 | 内容 |
|---|---|
| 科学的データ | メタ分析、実験研究、臨床研究などの根拠があるか |
| 日常で使えるか | 特別な道具や長時間の訓練なしに使えるか |
| 感情知性が育つか | 感情を理解し、選択肢を増やすトレーニングになるか |
特に重視したのは、3つ目の「感情知性が育つか」です。単にその場の気分がまぎれるだけだと、感情の情報を読めないまま終わることがありますからね。
ただし、先に言っておきますと、このランキングは「どんな場面でも絶対にこの順番で使うべし!」という意味じゃないんで、そこだけはご留意ください。感情調整の研究を見てみますと、どの方法が役に立つかは、感情の強さや状況によって変わると考えられてますんで。さらに言えば、感情の調整ってのは、感情が起きる前後の「状況」「注意」「評価」「反応」のどこに介入するかで、使う戦略が変わると整理されております。なんで、このランキングを絶対視せず、あくまで「選択肢を増やすための目安」ぐらいに考えていただければ幸いであります。
それでは、感情調整の4パターンごとに、「まず試したいスキル」をランキング化してみましょうー。
| 分類 | 第1位 | 第2位 | 第3位 |
|---|---|---|---|
| 感情の強さを下げる | ゆっくり呼吸+身体の力を抜く | いったん場所を変える | 注意を別の作業に向ける |
| 感情との関係を変える | 感情に名前をつける | 強さを0〜10で測る | 身体感覚を観察する |
| 感情の見方を変える | 別の解釈を3つ出す | 第三者視点で見る | 感情が知らせる価値観を読む |
| 状況そのものを変える | 刺激を減らす | 睡眠・食事・運動を整える | 境界線を引く・助けを求める |
1:「感情の強さを下げるスキル」TOP3
まずは、感情のボリュームを下げるスキルから。怒りや不安が10段階で8〜10ぐらいまで上がっているときは、いきなり自己分析をしようとしても難しいですからね。そんなときは、まず身体の興奮を落とし、反応までの時間を稼ぐほうが優先順位が高めであります。