
「最先端のアンチエイジングについて、まじめに考えてみよう!」の続きです!(#1,#2)
このシリーズでは、ノーベル化学賞の受賞者であるヴェンキ・ラマクリシュナン先生の総説を参照しつつ、老化研究の最前線について考えております。前回は「NMN、NAD、レスベラトロール系の“長寿サプリ”」をチェックしてみましたんで、今回はその続きで、アンチエイジング界隈で「若返りの薬!」としてもてはやされる医薬品の真偽をチェックしてみましょう。
さて、近ごろのアンチエイジング界隈で、サプリの次によく出てくるのが「長寿薬」のお話。「この薬を飲めば老化が遅くなるかも!」「糖尿病薬や免疫抑制薬に、じつは寿命延長効果がある!」みたいな話が語られるのを、ネットで見かけたことがある人は少なくないでしょう。
そのなかでも有名なのが、メトホルミンとラパマイシンであります。どちらも老化研究の世界ではかなり注目されている薬で、「病気じゃない人でも健康寿命を延ばす!」みたいに言われることが多かったりします。どちらもれっきとした医薬品でして、確かに体にちゃんと作用するんで、サプリよりも確実に効果が出そうな気がしちゃうのがポイントっすね。
では、ここらへんの「医薬品で若返ることはできるのか?」って問題を、今回は掘り下げていきましょう。
メトホルミンは、なぜ長寿薬として注目されたのか?
まずはメトホルミンから。メトホルミンってのは、もともと2型糖尿病の治療薬として広く使われている薬でして、血糖値を下げる薬として長い歴史があり、わりと値段が安いし、実際にメリットを得ている人も多いしで、糖尿病治療の世界では、かなり定番の薬であります。
では、なぜこの薬がアンチエイジング界隈で注目されたのか?ってことですが、ざっくり言えば、メトホルミンには、
- 血糖コントロールを改善する
- エネルギー代謝に影響する
- 炎症や酸化ストレスに関係する
- がんや心血管疾患のリスク低下と関連する可能性が示されてきた
といった特徴があるからです。ここまで見てきたとおり、「老化」って現象は、単にシワが増えるとか、髪が薄くなるとかいう話ではなし。私たちは、年をとれば取るほど
- 糖をうまく処理できなくなる!
- 慢性炎症が増える!
- 血管が傷む!
- 筋肉が減る!
- 脳神経も衰える!
みたいなトラブルがガンガンに起きるようになるんですよ。つまり、老化ってのは、体内のメンテナンス機能がじわじわ低下していく現象なんで、そう考えると代謝や炎症に関わるメトホルミンを「老化にも関係するのでは?」と考えるのは、たしかに自然なことでしょう。
実際、糖尿病の患者さんを対象にした観察研究では、メトホルミンを使っている人たちの健康状態が良く、死亡リスクが低かったなんて報告もあったりはします(R)。そのため、これらの話をもとに多くのアンチエイジングクラスタが「メトホルミンは、糖尿病じゃない人でも寿命を延ばすぜ!」と言い出したんですな(ホリエモンとか)。
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