今、のぞみ49号の5号車15番E席に着席して、すべての荷物を整えたところだ。 

 

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<前々夜 某時某分> 

 

 まだ全てが未決事項だが、ある映画プロデューサーから、作品一本を丸々「新音楽制作工房」に任せたい。という申し出があった。「キクチカメラ 高崎編」にある、僕がPC2台を使ってフラフラになっていた作業は、この作品に新音楽のカタログサイトから、画面に当たると効果を発揮するだろう楽曲をほぼ徹夜で選択し、貼り付ける工程である。

 

 以下は、誰の名誉も誹謗するものではない。ただ「日本映画の最大の欠点は、作品そのものよりも、制作現場の方がずっと面白い。という点だ」というのは本当だ。

 

 プロデューサー氏、並びに脚本家氏が、やや困った顔で現れた。なにが困っているかは考えるまでもない。両氏は僕の貼り付けた音楽により、映画が良くなったと判断したが、監督がしていない。もちろん監督はジェントルで、ヒステリックに否定したりはしていないが、別の撮影で東京におらず。なので直接話せず、音楽の微調整リクエストシートを送り、プロデューサー氏が代読する、という形になった。