大晦日、珠也とスガダイロー(僕が、名前をカタカナにしてもダサくないと思っている唯2名のスガの1人。もう1名はスガシカオ)さんとの、かなり激しいと言えるセッションが終わった。比較的、仲が良いと査定するに吝かではないトリオであり、セッションは大変白熱した。僕が珠也とスガさんが好きなのは、プレイはいうまでもなく、非常にジェントルで優しい人間性と、あと、お洒落である。ということだ。

 

 ちゃんと自分に似合うものを着ていて、それがちゃんとカッコいい。というのは、誰もがさほど金をかけずにお洒落になれるほど水準が上がった現代の中でも、ワンランク上のクラス感である。僕が強く惹かれるのはこういう人々か、或いは「なんで君、そんなに才能あるのにそれ着てんの笑」と思わせる人々で(これは、ダサいという意味ではない。文字通り「なんで君、そんなに才能あるのにそれ着てんの笑」という意味である)、例えば谷王なのだが、こういう人々が放つ魅力もすごい。特に谷王はオンステージも私服のままなのでかなりドキドキする。珠也とスガさんは安心してセッションできる。当然音楽的な成果は真逆の美を持つことになる。

 

 スガさんはバックヤードで「うわー、6本ぐらい突き指したあ笑」と豪快に笑っておられたが、僕も帰宅してから数えたら、これは指の関節数換算だが5箇所が打撲傷を負って紫色になっていた。全てサバールによるものだ(前歯も思いっきりーー手垢にまみれた表現だが「今日ここで前歯が抜けても良い」という覚悟笑で演奏したのでーーグラグラになっていたけれども)。

 

 皮面を持つ打楽器に共通するリスクだが、打面中央を打つのとリム(ヘリの部分)を打つのでは音色が変わる。指を打撲するのは強く叩きすぎるからではなく、早く叩くとき、リムを打つのとセンターを打つのを交差させるときに、打つ角度をーー大げさではなく、ミリ単位でーー誤ると一打でやってしまう。ほとんどのエスニックなパーカッションが、叩き方を習得したのち、まずはソンゴ(歌=パターン)を習得するのは、最初から自由に叩くと、この「打ち損じによる負傷」が激発するからで、僕はターンテーブルと打楽器は練習を一度もしたことがないから、指をやられるリスクヘッジが出来ない。