やあ、きょうもきょうとて暇を持て余している海燕さんだよ! あとで地獄を見るかもしれないけれど、ぼくはキリギリス型の人生を選んでいるのさ!

 というわけで、何も考えていないなりに書き始めてしまったわけですが、いやー、何を書こうかなあ。目の前に高橋準『ファンタジーとジェンダー』という、資料として読んだ本があるので、その話でもしましょうか。

 まあ、ポップカルチャーのなかのジェンダーについて語った本が数多いのですけれど、この本の特徴は『十二国記』や『グイン・サーガ』といった、ベストセラーでありながらあまりジェンダーの観点では取り上げられることのない作品を扱っているところです。

 なかでも、『グイン・サーガ』の解説は読ませるものがあります。この本では、リギア、オクタヴィア、アムネリスという、この物語に登場する三人の「男装の麗人」について書かれているのですが、まあ、じっさい、この三人の運命を見てい