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○この記事の内容。○鈴木みそのお金漫画『銭』の感想です。鈴木さんのブログの話なんかも後半で語っています。お金のことは考えないことが潔いと思いがちな我々日本人ですが、それではこれからやっていけない。もっとお金のことを真剣に考えるべきなのだと思います。
いま、鈴木みその漫画『銭』を読んでいる。最近、こういう書き出しがやたら多い気がするけれど、まあいいや。
トラックにひかれて一度死んでしまい、幽霊(生霊?)となった主人公「チョキン」たちが漫画やゲームセンター、ホストクラブなど、さまざまな業界の「銭」の問題を調べていくというお話だ。
これが実に面白い。限りなくいまさらだがお奨めの作品である。ちなみにネットを調べてみると古本は100円前後で取り引きされているけれど、それでは作者にお金が入らないので、ぼくはKindleで買いましたよ。
「読みたい本が読みたいときに手に入る」Kindleのスピード感には麻薬的な魅力がある。iPhoneやiPadで気楽に読めるのも素晴らしいし、やっぱり未来は電子書籍じゃないかな。
話が逸れた。『銭』の魅力は漫画からアニメ、葬儀、ホストクラブにいたる多様な業界のマネー事情を突っ込んで描いているところにある。
基本的には数話でひとつの業界を語りつくし、次の話へ進んでいくのだが、単純に漫画として読んでもおもしろいところが偉い。
そして「銭」がテーマであるだけに、自然、話は「お金って何だろう?」「なぜ、ひとはこんなにもお金を求めてやまないのだろう?」というところに向かう。
考えてみれば、これはほんとうにふしぎなことだ。まぜ、ひとはこうもお金に縛られているのだろうか? もちろん、資本主義の現代社会では、一定以上のお金がなければ生きていくことはむずかしい。だから、ある程度のお金は必要だ。
しかし、お金を得るために巨大なリスクを犯したり、生活をすべてそこにささげたりするとなると、本末転倒もいいところだ。目的と手段が逆転しているとしかいいようがない。
それなのに、そんなことはよくある話ではないか。お金には「この程度手に入れれば十分」という上限がないから、多くのひとはどこまでも「もっと、もっと」と望まずにはいられないのかもしれない。
最近読んだ『金持ちになる方法はあるけれど、金持ちになって君はどうするの?』という本のなかで、藤沢数希さんが「ある程度お金があると、お金から解放されることができる」という意味のことを語っていた(本が手もとにないので意訳。ごめんなさい)。
金持ちになる方法はあるけれど、金持ちになって君はどうするの?
堀江貴文 西原理恵子
徳間書店 2013-04-26
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しかし、たとえば10億円持っていても、もっと欲しいと願ってやまないひとは少なくないだろう。お金にはひとを惹きつけ、離れられなくする魔力があるのだ。いったいお金の正体とは何なのだろう?
『銭』はそんなお金に魅入られた人々のことを淡々と描き綴っていくのだが、いままでのところ、個人的に興味深かったのは同人誌の話。
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