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先崎学のエッセイはなぜこんなに面白いのだろう。
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先崎学のエッセイはなぜこんなに面白いのだろう。

2014-07-27 07:00
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     先日読んだ大崎善生のエッセイがあまりにも面白かったので、続けて将棋の本を読んでみる気になった。プロ棋士先崎学が「週刊文春」に連載した記事をまとめた本である。

     読んでみて驚いた。あれほど面白いと思った大崎氏の本よりもっと面白かったのだ。これはあきらかに将棋指しの余技という次元を超えている。本業のエッセイストでもなかなかこれほど抱腹絶倒の文章は書けないだろう。

     読んでいる間中、ぼくは浮世の憂さから解放されて、それはそれは幸せだった。活字の本を読んで腹を抱えて笑えるということはめったにない。稀有な名著といえると思う。いや、ほんとに。

     たとえば羽生善治が小学生相手に百面打ちをしたという話をきいて、本人に「いや凄いねえ。頭も丈夫だけど足腰も丈夫なんだねえ。悪いのは性格だけ?」といったという話などは読んでいてにやにやしてしまう。

     天下の羽生四冠を前にして、なかなかいえないセリフであろう。
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