先週号の『サンデー』で始まった『MAJOR2nd』が辛いです。

 『サンデー』史上最長連載だった『MAJOR』の続編なのですが、読んでいて苦しいの、何の。

 べつに内容がつまらないというわけではなく、面白いことは間違いないのだけれど、とにかく辛い。

 始まったばかりなのにこれからこの物語に付き合っていくことがちょっと憂鬱になるような展開。

 今回の主役は前作の主人公・吾郎の息子。

 元メジャーリーガー・プロ野球選手の父親にあこがれて野球を始めるのですが、父親に似ず野球の才能はないことがあきらかになってしまい――と展開します。

 いやー、これはしんどい話だわ。

 本人は自分が凡人であることを悟っているにもかかわらず、周囲は「親の期待に応えようという気はないのか」とか「スポーツがダメならせめて勉強しろ」とかいい出す。

 有形無形のプレッシャーが子供を押しつぶす典型的なパターンですね。

 べつに親の期待になんて応えなくたっていいじゃん。好きなことを好きなようにやっていれば。

 そもそもプロ野球選手の息子だから本人も才能があるはず、という周りの期待が不条理であるにもかかわらず、野球をやめたら責任は本人に帰されるわけで、まさに不条理の二乗。

 いや、ほんと、イヤな話だなー。

 しかもさらに辛いのは本人がどんなに拒んでいても最後には野球をやることが確定していること。

 現時点で自分には人並みの能力しかないと考えている主人公の道は、この先、

1.実は本人が気づいていない才能があったことがあきらかになる。
2.特に才能はないものの努力や工夫で何とかする。

 の二通りがあると思うけれど、いずれにしても辛いよなあ。

 「英雄の息子」という重荷は本人がどう頑張ろうがこの先一生付きまとうことになるわけですから。

 「いや、がんばって父親を超えるんだ!」という野心を抱くとしても、父親はメジャーリーガーですからね。どんだけ確率の低い勝負だよと。

 思い出すのが『3月のライオン』で零くんが拾われたうちの実子。

 将棋の家に生まれながら特に将棋の才能があるでもなく、ひねくれてゲームに逃避してしまった少年ですが、かれが主役になって将棋の道を進むみたいな何ともいえない辛さが『MAJOR2nd』にはある。

 だれかが「親の期待になんて応えなくなっていいんだ」といってやるべきだと思うんですけれどね。

 結局は何だかんだで親の期待に応えちゃう方法に進むんだろうなあ。

 もしくはどこかの時点で吾郎があらわれて「べつに野球やらなくたっていいよ」と語るとか?

  いずれにしろ、スポーツをやるか、それとも勉強をするかくらいしか選択肢がないあたりが辛い。

 人生、ほかにも選択肢は色々あると思うんですよ。オタクになればいいんだよね。

 同じ雑誌に『電波教師』が載っているからそれを読もうよと。