レフリーが試合を止めた直後、いきり立ったヌルマゴメドフはマクレガーのコーナーにマウスピースを投げつけ、何事かを叫び、そしてケージを飛び越え、マクレガーのチームメイトで現ベラトール・ファイターであるディロン・ダニスに襲いかかった。
まさにカオスという言葉では足りない修羅場であった。
両陣営を巻き込んだ乱闘がケージの内外で勃発、ヌルマゴメドフ陣営の1人がケージを飛び越えて、背後からマクレガーに殴りかかった。数分後にセキュリティスタッフがどうにか両陣営を分け、マクレガーを控室に下げた。その後、観客がケージに物を投げ込む事態になることを恐れたデイナ・ホワイトは、ヌルマゴメドフに対するベルトの贈呈を取りやめ、全員を控室に戻らせたのだった。
結局、選手もセコンドも誰もいないケージで、ブルース・バッファーが1人でウィナーズ・コールを行うという、見たこともないシーンが展開されたのである。
今週はこの前代未聞の乱闘劇のその後の情報をまとめてお届けする。
●デイナ・ホワイト、試合後記者会見
ひどいことになった。あってはならないことが起きた。今は私も何を言えばいいのかわからない。とにかく気分が悪くてうんざりしている。
ネバダ州コミッションがハビブにどんな処分を下すのか、想像もつかない。今後もハビブはアメリカのビザを取得して入国することができるのだろうか。
いろんな影響が出てくるだろうが、彼らはそんなことにも気づいてはいないのだろう。
確かに両者とも、この試合でライバル関係が終結することはないと明言していた。しかし、まさかハビブがオクタゴンから飛び降りるとは思わなかった。本当に予期できなかったんだ。
(出所)Steven Marrocco and Simon Samano, Dana White 'disgusted and sick' over UFC 229 brawl, expects Khabib to be severely punished, MMA Junkie, October 7, 2018
●デイナ・ホワイト、週明けの10月8日(月)にESPNのトークショーに出演して
ヌルマゴメドフはまずはコミッションに出頭しなければならない。そこでどんな処分が下されるのかを見たい。コナーからはすでに、再戦をさせてくれという電話があった。
(ヌルマゴメドフのマネージャーが、「UFCはこの試合をバス襲撃事件のビデオでプロモートした。一線を踏み越えて、これはケンカだとプロモートしたんだ」とコメントしたことを受けて)
これまでに聞いたこともないようなくだらないコメントだ。誰かは知らんが、まさにバカ野郎だ。いいか、これは戦いなんだ。我々のプロモーションのやり方は、起きたことをそのまま描いたに過ぎない。すべてがストーリーの一部になっていたからだ。
我々はこの仕事をもう20年もやってきている。憎み合っている同士の試合も山ほど組んできた。ありとあらゆることがあった。バックステージでのもめ事もあった。これはファイトビジネスなんだ。嫌い合っているヤツらもたくさんいる。しかし、試合直後の乱闘など、起きたことがなかったんだ。
(出所)Dave Doyle, Dana White defends the handling of UFC 229 fight promotion, MMA Fighting, Oct 8, 2018
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