アメリカのインディプロレスの“現在”を伝える連載! アメリカインディープロレス専門通販「フリーバーズ」(https://store.shopping.yahoo.co.jp/freebirds)を営む中山貴博氏が知られざるエピソードを紹介していきます! 今回のテーマは大谷翔平の次は大仁田招聘だ! アメリカで「邪道」争奪戦!!です


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2017年のメジャーリーグでは、二刀流の大谷翔平が新人王に輝いたが、2018年のアメリカマットでは邪道・大仁田招聘を巡って仁義なき戦いが勃発している。

「オニータ!オニータ!」

2018年12月9日、アメリカ・フィラデルフィアの“ハードコアの聖地”ECWアリーナ(現2300アリーナ)で行われた、CZW(コンバット・ゾーン・レスリング)の1年間の最後を飾る大きな大会「Cage Of Death XX(ケージ・オブ・デス20)」。前年8月に続き、CZWへの参戦を果たした大仁田。その間、引退してやっぱり復帰をはたした大仁田を、アメリカのファンは“涙のカリスマ”、“邪道”、“ハードコアの教祖”、“デスマッチの神様”などたくさんのキャッチフレーズを持つリビングレジェンドとして暖かく迎えてくれた。


大仁田厚&マット・トレモント対DJハイド&MASADA。ウルトラバイオレント・ルール戦と銘打たれたタッグマッチは、メインイベントの前に行なわれた。

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まずCZWのオーナーであるDJハイドが入場し、続いて日本でもおなじみのMASADA、そして、大仁田のパートナーであるトレモントが入場した。トレモントと大仁田は、2017年8月のニュージャージー大会において、電流爆破バット戦で対決後、交友を深めていた。実のところ、トレモントは、2018年9月大会を最後にCZWを離れたのだが、この大仁田との試合のためだけに戻ってきた。

4人目の大仁田が入場する前から「オニータ!オニータ!」と大仁田コール一色になる。テーマ曲「ワイルド・シング」がヒットするや、場内のボルテージはこの日一番の盛り上がりをみせた。

日本では、引退と復帰を繰り返すことに賛否両論、むしろ批判の声が多いのだが、アメリカのプロレスファンは、歴史を築いた人間に対して敬意を表すのだろうか、そこのところをアメリカの大仁田ファンに訊いてみた

「大仁田が引退、復帰を何度も重ねることは、彼のギミックと思っています。正直言って、引退するたびに、必ず復帰すると思っています。現在のプロレス界は、亡くならない限りは、だいたい復帰してますよね。復帰しないレスラーの方が少なく思えます。引退は、ちょっとした休憩みたいなものじゃないですかね」

逆に日本人がなぜそこまで引退した人の復帰に対して賛否両論あるのか不思議と言わんばかりの答えが返ってきた。

入場ゲートのスクリーンには大仁田の過去の名場面が映し出される。背中に邪道と書かれた革ジャンを着た大仁田が登場すると、大歓声が起こった。椅子を片手に持ち、観客が差し出す手をタッチしながら、ファンの声援を噛み締めるかのように、ゆっくりゆっくりと、花道を歩いた。
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