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レスリングオリンピック代表からプロレスに転向、新日本プロレス、ジャパンプロレス、全日本プロレス、SWS、SPWF、PRIDE出場……流浪のプロレス人生を送ってきた谷津嘉章がすべてを語るインタビュー連載の第6回! 今回はPRIDE出場について!


<谷津嘉章インタビューシリーズ>

①デビュー編「ガチだったら楽だけど、そうじゃないから」

②80年代編「昭和・新日本のプロレスは早漏なんですよ」

③SWS編「田中八郎が俺に言ったんだよ。SWSを潰してくださいってね」
http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1334578

④興行という灰色の世界を語る――「プロレスとヤクザ」
http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1459427

⑤谷津嘉章「巌流島で猪木さんと向き合えるのはマサさんしかいなかったよな」https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1631686



谷津 最近上井(文彦)の件がニュースになってるでしょ

――あ、ご存知ですか。前田日明さんと村上和成さんが上井さんとの金銭トラブルをあらためて告発してますね。

谷津
 アイツは調子がいいからね。営業マンってのはね、相手を乗せて乗せて担ぎ上げるのが仕事だから。それで心の中では「しめしめ」と思ってね、利用した挙句サッといなくなっちゃう。

――
昔の新日本プロレスの営業ってイケイケの方が多いですよね。

谷津
 営業マンは派手だったよな。全日本の営業マンはヤクザもんみたいな格好をするのが多かったけど、新日本はアルマーニのスーツを着て、レオナルドのネクタイを締めて、スーツの裏地が錦絵だったりね。

――
どっちもおっかないですよ!(笑)。それ、新日本の給料だけでは買えないですよね?

谷津
 給料が良かったんじゃないよ。まあ、てらを切ったんでしょ。

――
ピンハネですか!(笑)。

谷津
 あの頃の新日本は当日券のお客がけっこう入ってたでしょ。当時はいい加減だったからね、その分を全部ポケットに入れることができちゃうんだよ。当日券が500枚売れたとして、チケット1枚3000円でも150万円ですよ。

――
いい加減にもほどがありますよ(笑)。あと昔の新日本は社員割があったので、チケットを大量にさばいて儲けてた社員もいたらしいですけどね。おまけにその売上金を会社に入れないことが大問題になったり。

谷津
 いまはそんなことできないからね。すべてデータ管理されちゃってるし、ごまかしがきかない世界になってるから。 

――
それで谷津さん。今日は谷津さんがPRIDEに出たときの話をうかがわせてください。

谷津
 あれね。俺はプロレスに入る前にアマレスをやってたから、プロレスに入ってまでガチどうのとか興味なかったの。そんなことよりプロレスを早く上達したかったからね。 

――
谷津さんはオリンピックレスラーですもんね。

谷津
 新日本の人たちはさ、よくスパーリングをやってたよな。でも、俺からすれば、どうでもよかったんだよ。

――
そんな谷津さんが40代後半にもなってシュートの舞台に立った理由は?

谷津
 SWSを止めてしばらくプロレス浪人してたけど、自分で団体を起こしたんだよね。俺にはウマの合わない先輩がいっぱいいたからさ(笑)。長州力や天龍源一郎とかね。「なぁーにを偉そうに言ってるんだ?プロレスなんて社会人でもできるよ!」ってことで始めたのが社会人プロレスSPWF。「最初はみんなアマチュアじゃねえか」ってことだよね。 

――
当時のプロレス界としては画期的でしたね。

谷津
 でも俺の一枚看板でしょ。この団体を広めるためにPRIDEに出たところもあったんだよ。売名行為。銭にもなるしね。俺はそのときもう46、47歳だから、タイミング的には遅いんだけどね。

――
PRIDEからオファーがあったんですか?

谷津
 PRIDEのほうから話があった。第三者をあいだに入れて話をしてね。川崎(浩市)くん。

――
ブッカーKですね。

谷津
 コントラクト(契約)は2回。 最初に2回分のギャラをまとめてもらう話だったんだけど、そこに相乗りした人がいたんだよ。あるビジネスのスポンサー。

――
ちなみにファイトマネーはいくらだったんですか?

谷津
 2試合で600万か800万。そのお金をスポンサーにいったん預けて、あとで増やして返してもらうという話になったんだよね。

――
それはどういう意味があるんですか?
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