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井上直樹くんにとって金太郎選手はおいしい相手です■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク
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井上直樹くんにとって金太郎選手はおいしい相手です■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク

2020-03-09 10:14
    多くのMMAファイターをマネジメントするシュウ・ヒラタ氏が北米MMAシーンを縦横無尽に語りまくるコーナー。今回のテーマは井上直樹次戦の相手、佐藤天選手試合消滅、コロアショックで上海コンテンダーズ無期延期です!!(ニコ生配信されたものを編集したものです)


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    RIZINライト級GP王者ムサエフはUFCと契約するのか?


    ――
    シュウさんがマネジメントする井上直樹選手がRIZINデビュー戦を見事な勝利で飾りました。おめでとうございます!

    シュウ ありがとうございます。じつは直樹くんは試合の3週間前にスパーリングで右足首を捻挫していた中での試合だったんですね。だから右足の蹴りは使えない状態で。直樹くんはいままでテーピングをして試合をしたことはないんですが、今回は初めて両足にテーピングを巻いたんです。右足だけ巻くと明らかにケガをしていることがわかっちゃいますからね。

    ――
    そこはフェイクだったんですね。

    シュウ
     ゲームプランとしてはジャブを多用し主導権を握る、チャンスがあればテイクダウンを狙うけど、タックルに拘らずに取れるタイミングでバックを取るなど。狙いどおりの戦いはできていたんですが、2ラウンドにアドレナリンが出ていたからか蹴りを出したら、相手のヒジに当たってケガをしちゃったんです。そのせいで3ラウンド目はまったく踏み込めなかったですね。

    ――
    最終ラウンドが劣勢だったのは、そんな影響があったんですね。

    シュウ
     はい。あとは本人曰く、3ラウンドに入って心拍的なスタミナは問題なかったけど、少し腕が疲れたと。2ラウンドのバックキープのときに、まずチョークに入るポジションをしっかりと確保してからチョークに入らなかったから、無駄な力を使ってしまったのかな、と思うんです。ただ直樹くんは16歳でプロデビューして現在は22歳だからキャリア6年目。いろんな経験を積んできたから試合中にケガをしてもうまく相手を引き込んでバックキープしたり、3ラウンド目は相手をうまくいなしたり。あれがキャリアの浅い選手だったら、やられちゃったと思うんです。それくらい拮抗していた試合だったとは思うので。

    ――
    22歳ながら井上選手の経験がものを言った。

    シュウ
     相手のガーダムはいい選手なんですが、判定に関してブーブー文句を言ってるのは納得がいかないですよね(笑)。

    ――
    あそこまで怒ってるのはよくわからないですね。明らかにガーダムの負けですよ(笑)。

    シュウ
     2ラウンド目には、直樹くんに長い時間バックキープされたわけですから、3ラウンドにKOするか、または少なくとも明らかにダメージを与えたとわかるノックダウンをとるとか、それに匹敵するダメージを与えないと判定で勝てないですよね。

    ――
    この試合内容であそこまで判定に疑問を抱くって、彼のチームとしても今後が不安になりますね。

    シュウ
     チームで試合映像を振り返って「これだから負けたんだ」って検証していかないと強くはなれないですよね。 でも、ガーダムがいい選手であることは間違いないです。ビクター・ヘンリー戦のときよりも数倍強くなってますし、これからどんどん強くなる選手だと思います。

    ――
    格闘家にとって負けていい試合なんかないんですけど、ここで勝つと負けるではお互いの今後にとってだいぶ違いましたね。あんなに怒るということは、ガーダムもこの試合に懸けていたのかもしれないです。

    シュウ
     もしかしたらRIZINとは2試合契約で今回でフィニッシュ、2連敗は避けたかったのかもしれないですね。RIZINは契約更新してくれると思いますし、まだ22歳と若いので、めげないで頑張ってほしいですけど。

    ――
    今回井上選手の動きで目を見張ったのは、鋭いジャブですね。

    シュウ
     直樹くんのジャブは、オーソドックスの構えから左腕を下げずにストレートに打てる。クリス・ワイドマンが「教えてくれ」って言うくらいなんですよ。

    ――
    あのクリス・ワイドマンが(笑)。 同じセラ・ロンゴ・ファイトチーム所属ですね。

    シュウ
     アメリカのMMAが凄いところは細かいテクニックを重視するところがあって「この技はコイツの方がうまい」となると、すぐに教えてもらおうとするんです。どんなにスターでも下の選手から学ぼうとする環境があるんですよね。

    ――
    井上選手のジャブは冴え渡っていましたもんねぇ。

    シュウ
     日本人選手が海外で勝てないひとつの要因は、様子見をしすぎるというところだと思ってるんですけど。ジャブが使えると攻撃しながら相手の様子を見れて主導権を握れますからね。UFCのESPN+で技術解説を担当している名トレーナーのトレバー・ウィットマンがMMAの試合でも「ジャブが試合を勝ちを導き、ジャブが判定勝ちをもぎ取る」と言ってましたけど、ほとんどのコーチがこれを同じことを口にしてるんです。そういう意味で直樹くんは現代的なMMAファイターになりつつあるってことです。 ただ直樹くんのジャブはオーソドックスなものなので、何種類かパターンを増やしてコンビネーションまで繋げたいところですね。

    ――
    次の試合も楽しみですね。誰と戦うのか。

    シュウ
     RIZINバンタム級は本当に面白いですからね。いまのRIZINをじっくりを見ると、 YouTubeの再生回数なんかを含めて朝倉兄弟のアウトサイダー系のファンが多いですよね。

    ――
    不良系がいま一番波に乗っていますよね。

    シュウ
     それは“前田日明の亡霊”に支配されつつあると見てるんですけど(笑)。

    ――
    “前田日明の亡霊”(笑)。

    シュウ
     もともと総合格闘技は佐山聡さんから始まって、修斗の理念は「打・投・極」だったじゃないですか。「投」というよりはブラジリアン柔術の引き込みや、レスリングが加わったものがいまのMMAだと思うんですね。直樹くんの試合はフットワークとスピードを駆使した打撃で主導権を握って、チャンスがあれば引き込んでグラウンドで仕留める。これは佐山さんの理念の進化系が直樹くんだと思ってるんですよ。姉の魅津希選手と直樹くんに基礎を叩きこんだ豊橋の山口会長(白心会)は私と同じ52歳なんで、この佐山聡に理論に影響を受けたかどうかわからないですけど、触れてはいると思いますし。そこから姉と一緒に、彼の場合は20歳で海を渡り練習拠点をアメリカに移し、いまはバイトも何もせずに練習三昧の生活を送っているわけですから、ある意味、修斗の完成形になるかもしれない可能性を秘めているのが直樹くんだと思うんです。

    ――
    修斗の完成形が井上直樹! 

    シュウ
     “前田日明の亡霊”vs“佐山聡の進化系”という意味では、アウトサイダー出身の金太郎選手と戦うのは面白いですよね。

    ――
    それはひじょうに素晴らしいです! このカード決定です!!(笑)。<続きは会員ページへ>

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