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世界一過激な格闘技ラウェイで稼ぐ男渡慶次幸平(とけし・こうへい)インタビュー。格闘技で食うために血を流す男が見つけた生き方、そしてやりがいから見えてくるサバイブ術とは?


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――
今度、渡慶次選手がREBELS興行でやるUltimete Kick Boxingは以前も計画がありましたけど、そのときから面白いルールだなって注目してたんです。

渡慶次 あれは4年前ですね。やる人が出てこなかったので、なかった話になってますけど。

――
ああ、そういう理由なんですか。渡慶次選手がレギュラー参戦されてるラウェイほどではないですけど、ルールはけっこう過激ですね。

渡慶次
 フルルールだとオープンフィンガーグローブでヒジあり、グラウンドの寝技・関節技ないですけど、倒れた相手への攻撃はワンアタックのみパウンド、踏みつけ、サッカーボールキックあり。あと両者が合意したら頭突きもオッケーですね。

――
か、過激!

渡慶次
 猪木アリ状態になったらブレイクなのでお客さんは見やすいですよね。相手によってはヒジや頭突きはなしっていうパターンもあると思いますけど、ボクはフルで全然。オープンフィンガーじゃなくて素手でもいいですよ。

――
素手だと、ますますやりたがる選手は出てこなそうな……。

渡慶次
 面白いはずなんですけど、「やってもいいよ」という肝の据わった人間は出てきてないですね。この試合だけで1つの記事として取り上げてくれるほどのパワーがあるんですけど、手を挙げてくれる人がかなり少ないんです。そもそもラウェイにしてもボクはこの4年間、日本人とは戦ってないんですよ。それはルールの過激さもさることながら、ボクが不気味なんじゃないですかね。

――たしかにラウェイファイターとこのルールの組み合わせは敬遠しちゃいますよ!

渡慶次
 まあ、総合格闘技やキックボクシングをやってる人からすれば、この競技に参戦する理由は探せないかもしれないですよね。でも、そういうアンテナを張ってる人は上に行ってるとは思うんですね。ボクのイメージだと「渡慶次なんて余裕だよ」ってもっと対戦表明があると思ったんですよね。こういう企画でラウェイのチャンピオンを倒したとなれば、売りにはなると思うんですけど。だから「なんでやらないんだろう?」って思いますよ。

――
この試合がチャンスだと捉えづらいのかもしれないですね。 

渡慶次
 自分で言うのもなんですけど、絶対においしいですよ!(笑)。ボクはテレビや一般誌、新聞なんかでも取り上げてもらってるんですけど、それはラウェイをやってるからで。ボクが総合格闘技だけをやっていたら、こんな風に扱われてなかったと思うんで。それは他の選手にも言えるんですよね。何かチャレンジしないと上には行けない。 10連勝しててUFCと契約できる可能性がある選手だったらいいですよ。でも、そうじゃない選手の方が圧倒的に多いじゃないですか。パンクラスや修斗で試合をしてるけど、それだけじゃ食えないからバイトをしていたり。 向上心が1ミリでもあって格闘技で食べていきたいと思うのが普通なので、そのひとつのチャンスだとは思うんですよね。

――
いまだったら YouTube のほうが成功のイメージがしやすいのかもしれませんけど。

渡慶次
 短絡的ですよ、いまさら(笑)。YouTubeの市場も競争が激しいじゃないですか。ボクはボクシングで世界チャンピオンになれないし、 MMAではUFCに行けないし、ボクシングやムエタイでも厳しい。でも、これなら格闘技で食っていけるというものを見つけたので。

――
それがラウェイだった。ラウェイで食ってるのは日本では渡慶次さんだけですよね?

渡慶次
 そうですね。ブルーオーシャンもブルーオーシャンなんですよ。

――
ラウェイはブルーオーシャン(笑)。血の海じゃなくて。

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渡慶次
 たしかにラウェイはめっちゃ痛いですけど、格闘技で食えるなら挑戦するでしょ。

――
ZERO-ONEやハッスルでおなじみの中村祥之さんが運営に携わってるイベントなんですよね?

渡慶次
 そのラウェイに出ています。

――中村さんも不思議な人生ですよね。

渡慶次
 ホントに。一番いいのは新日本プロレスに残ってることで。 新日本を止めてZERO-ONEを作って、ハッスルからラウェイですからね。楽しいことが好きなんじゃないですか。

――
渡慶次さんは最初は総合格闘技をやってたんですよね?

渡慶次
 総合をやるために沖縄から出てきてます。KIDさん全盛期の頃。それでキラービー(現クレイジービー)に入って、という感じですね。で、パンクラスで勝ったり負けたりだったんですよ。そこは総合格闘技の難しさで殴り合いだけでは勝てないし、極め合いだけでも勝てない。 ボクは不器用だから総合に合ってないところがあって勝てなくて。通算で5勝6敗なんですよね。 当然総合だけでは食えないし、結婚して子供もいたので嫁から「格闘技をいつまでやんの?」ってプレッシャーがあって。それで30歳までに食えなかったら格闘技をやめて他の仕事をやる、と約束したんです。

――
その時期はアルバイトをしてたんですか?

渡慶次
 ずっとバイトしてましたね。セブンイレブンでバイトして。総合格闘技だと厳しいなと思ってた矢先に、いま所属しているクロスポイント吉祥寺の山口(元気)さんから「ラウェイだったらすぐに出られるし、ファイトマネーもいいよ。相手も強いけど」と。ファイトマネーを聞いたら、総合の10試合分ぐらいですかね。

――
10試合分!かなりいいじゃないですか!

渡慶次
 勝利ボーナスを含めたら、いままで総合でやった総額を余裕でひっくり返しますよね。


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