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北米MMAを知り尽くした男が語る水垣偉弥が偉大なるグラップラー、ハビブ・ヌルマゴメドフの凄さ(この記事はニコ生配信されたインタビューを構成したものです)
――水垣さん!本題にはいる前にRIZIN RADIOという番組で、RIZINアンバサダーくるみさんが水垣さんの勝敗予想YouTubeにダメ出しを……
水垣 あー、ジャンさんが出ていた番組ですね。笹原(圭一)さんやジャンさんたちがボクのことを言ってくれるのかなと思ってたんですけど、くるみさんがボクのことをイジってくれるとは。嬉しいかぎりです(笑)。ボクのYouTubeを見ててくれてるんだなって。
――くるみさんのチェックは厳しいですので今後お気をつけください(笑)。
水垣 これでもうボクのYouTubeは、RIZINオフィシャル予想番組を名乗っていいんですかね?(笑)。
――勝手に名乗っていい思います(笑)。それで今回は“ヌルマゴ大好き”な水垣さんにヌルマゴvsゲイジー戦についてお聞きします!
水垣 いやあ、いま“ヌルマゴ・ロス”が激しくて。
――“ヌルマゴ・ロス”ってメキシコのルチャにいそうなネーミングですね(笑)。ヌルマゴは勝利後に引退を宣言しちゃいましたねぇ。
水垣 ダナ・ホワイト様が「また戻ってくる」みたいな話もしてますけど。
――水垣さんの事前予想では、ヌルマゴが難なく勝つだろうと。試合展開を含めて予想どおりでしたか?
水垣 ただ、ヌルマゴは1ラウンド序盤は動きが固かったですねぇ。いつものヌルマゴではないな、っていう。計量もシンドそうだったじゃないですか。入場もいつもより固い感じはしましたし。試合の出だしも固かったので「今日はよくないのかな」と思ったんですけど、その固さが取れたあとはいつものヌルマゴだったんですけど。 ちょっと心配になるぐらいの固さでしたね。
――コーチだったヌルマゴの父親が新型コロナでお亡くなり、ヌルマゴはキャンプ中におたふく風邪にかかったり、足を骨折していたとか。
水垣 骨折とかの情報は事前に知らなかったので、計量がキツかったのかなとは思ったんですけど。引退を決意していたことを含めていろいろなものがトータルであの固さに繋がっていたんだなと納得したんですけど。
――逆にゲイジーの動きはどうでしたか?
水垣 タックルを取られないように頑張って動いていたとは思うんですけど、パンチを打とうとするとヌルマゴがスッとバックステップをして、追っかけようとすると組付かれそうな怖さがある。ゲイジーはそのジレンマの中にハマってしまったのかなと。
――1ラウンドのゲイジーはローキックが有効でしたね。
水垣 ローがかなり当たってましたね。意外と当たっていたんですけど、 やっぱりその先の展開が見せられなかったなと。さっきも言いましたけど、ゲイジーがパンチを打とうとするとヌルマゴは一瞬下がる。その外し方が絶妙だったので、ゲイジーがパンチを打つ距離まで踏み込めなかったのかなと。
――ヌルマゴは1ラウンド終盤にテイクダウンからマウントを奪い、腕十字を極めかけて。
水垣 あの攻防でリラックス感が出たというか、 ヌルマゴの肩の力が抜けたというか。 やっぱり一度組むと、“組み感”じゃないですけど……表現が難しいんですけど、組みの選手は落ち着けるんですよね。 ボクは組みの選手ではなかったとは思うんですけど、相手の力感がわかって落ち着けるという。
――意外だったのは1ラウンドのジャッジは、3人中2人がゲイジー支持で。
水垣 実際ローをバシバシ蹴ってましたけど、最後はテイクダウンからマウントは取られて極められそうになったので、ヌルマゴが取った印象のほうが強かったんですけどね。
――水垣さんもUFCファイトパスの解説で最後の腕十字がなければ、1ラウンドはゲイジーだとおっしゃってましたね。
水垣 「あそこまでヌルマゴがローを蹴られるなら……」というジャッジの印象があったんですかね? 「今日のヌルマゴが違うぞ」と。でも、プロのジャッジなのでそんな影響はなかったと思うし、そこまでヌルマゴがやられた感じではなかったんですけど。ゲイジーには打撃を見せてテイクダウンに行ったら……という期待もしてたんです。対戦相手によっておもいきったことをするのか、 それとも普段どおり戦うのか。相手によって作戦を変えることってけっこう難しいと思うんですよね。ゲイジーがテイクダウンを仕掛けて失敗したら「なんで普段どおりやらなかったんだろう?」となりますし。 タイトルマッチという大勝負を考えると、おもいきって行動を取ることは難しいし、かなり勇気がいることだと思うので。ゲイジーは打撃でやりきる自信があったからこそテイクダウンの考えはなかった。 打撃で倒す自信がなかったらテイクダウンに行ったかもしれないですし。
――ヌルマゴは2ラウンドにテイクダウンから三角絞めで一本勝ち。圧勝でした。オールアメリカンのゲイジーすら難なくテイクダウンを奪うヌルマゴは恐ろしいですね……。
水垣 このあいだも話しましたけど、ヌルマゴがテイクダウン回数のUFC記録を作った試合の相手はオールアメリカンのレスラー(アベル・トルヒーヨ)なんですよ。
――おかしなことをやってますね(笑)。
水垣 そのあと戦ったマイケル・ジョンソンもレスリングが強い選手ですし、テイクダウンを防ぐのが超うまいエジソン・バルボーザにも勝っている。ヌルマゴのテイクダウンを取る技術、 そして立たせない技術、殴る技術は本当に凄いんです。
――なぜヌルマゴはここまで組みで圧倒できるんですか。
水垣 ヌルマゴは相手を担ぎ上げるテイクダウンが印象に残るじゃないですか。 でも、ボクが注目しているのは……
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