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国際プロレス、全日本プロレス、パイオニア戦志、SWS……昭和から平成にかけて様々なプロレス団体を渡り歩いてきたアポロ菅原インタビュー第5弾。SWS解散とザ・マミー変身を語り尽くします！（聞き手／ジャン斉藤）


【アポロ菅原インタビューシリーズ】
――菅原さん、今日はSWS解散、それ以降のお話をお願いします。

菅原　わかりました。

――SWSは途中から天龍派と反・天龍派の派閥争いが勃発して、マッチメイクもなかなかうまくいかない状況だったそうですね。

菅原　そうですね、気持ち的に噛み合ってないんですよね。あのときはカブキさんがマッチメイカーをやられていたのかな。

――カブキさんは天龍さん側でしたが、なんとかバランスを保とうと……。

菅原　なのでカブキさんも苦労されたと思いますよ。どういうマッチメイクをしたらいいのか。最終的に「自分たちは自分たちで決めてくれ」となったことだけは記憶していますよ。

――それはつまり天龍派だけの試合、反・天龍派だけの試合でバラバラにやるってことですよね。団体内に2つのリングがある。いびつですねぇ。

菅原　かなりよくないですよ。

――菅原さんはどういう立場だったんですじか？

菅原　自分は反・天龍派ってわけじゃないですが、谷津（嘉章）さんとか高野兄弟とやってましたね。カブキさんのマッチメイクではあんまりやってなかったと思いますよ。上ではいろいろとあったみたいですが……自分は関わってないけど、雰囲気的にわかるわけですよ。これはもうなんて言うのかな、どっちの気持ちはもうお互いが離れてて。自分みたいにどっちつかずの奴もいるし。それをうまく収めてやっていくのは難しかったですよね。

――解散の動きはどうやって知ったんですか？

菅原　それは親会社のメガネスーパーのほうからあったんじゃないでしょうかね。田中（八郎）社長がいらして、SWSの選手をみんな集めて会議をやったことあったんですよ。

――御前会議があったんですね。

菅原　それでまあ簡単にいえば、天龍さんのほうに行くんだったら行ってもいいし、谷津さんのところに行くのなら、それはそれでいいというかたちになって。

――天龍さんはWARという新団体を作って、反・天龍派はNOWを作るという流れですね。

菅原　あの会議で自分が一番印象的だったのは阿修羅・原さんが「メガネスーパーに残る選択はないでしょうか？」って聞いたんですよ。心の中で一番いい質問なんじゃないかって思ったんですけどね。やっぱり給料がよかったわけですから、このまま残りたい人が多かったと思いますよ。でも、田中社長は「それない」と。いろんなモヤモヤした騒動みたいなものがあって、メガネスーパーとしてもこのへんが潮時じゃないか……という決断を下したんだと思いますね。

――小田原の田中邸まで反・天龍派が出向いて直訴する事件もあったりとか。

菅原　プロレスラーをまとめるのは大変なことだと思ったんじゃないでしょうか、やっぱり。

――天龍さんにしろ反・天龍派にしろ、SWSの解散は望んでなかったはずですよね。

菅原　どうでしょうかね。1人1人に聞いたわけじゃないですし、中には「別々にやったほうがいい」という人もいたかもしれないですよね。だけど、別れるとやっぱり力は弱くなるんですよ。固まってるときは気に食わなくてもそれなりに力になるんですけどね。別れて好きな人間とやっても、やっぱり嫌いな奴は出てくるし（笑）。

――集団でいれば誰かしら気に入らない人間を出てくるってことですね（笑）。

菅原　グループというのは必ず出てくるもんで。だったら、どちらにしたって大きな塊でいたほうが、こう言っちゃなんだけど利口だと思ってるんですけどね。

――菅原さんは反・天龍派の新団体に合流されますね。

菅原　自分はどっちに行くとなったら、こっちでいいやっていうかたちはありました。

――2つの団体はメガネスーパーから活動資金を与えられたわけですよね。手切れ金じゃないですけど。

菅原　まあ、そういうことですよね。金額のほうは自分が見たわけじゃないですけど……推測でいろいろと言われてますけどね。斉藤さんは数字を知ってるんでしょ？（笑）。

――いろんな説がありますよね。どれが本当の数字なんだろうな？っていう（笑）。

菅原　「こうなったみたいだから」って聞いたことありますけども。具体的にその数字を見てるかといったら見てないですから。

――実際はもっと高いかもしれないですし。

菅原　僻みかもしれないけど、天龍さんたちのほうが若干多かったとは聞いてますね（笑）。誰かと酒を飲んでるときに「それはネームバリューの差だよ」なんて話になりましたけど。

――田中社長はWARにはしばらく援助を続けて、天龍さんにメガネ資本の藤原組の東京ドーム出場オファーを断られたときに援助を打ち切った話は聞いてるんですよ。

菅原　ああ、そうなんですか。

―― NOWにはそんなに長くは援助はしてないはずですよね。

菅原　1回のお金だけで終わってるんじゃないですかね。

――NOWで謎だったのは高野兄弟が旗揚げ前に離脱しちゃったことですね。

菅原　理由はわかりませんけども、何か「俺たちはいいよ」ってことになってしまったんですよね。谷津さんも参加しなかったんですけど、こっちで名前を持ってるのは結局そのお三方ですからね。いきなりそういかたちになりましたよね。

――メガネスーパーからの手切れ金で揉めたわけでもないと。

菅原　そういうわけでもないんですよ。１回ね、SWS解散の件でみんなが弁護士の先生に相談したことがあったんですよ。メガネスーパーを相手に裁判とかそういうのやるような話になったんじゃないのかな。

――谷津さんたちがSWSを相手取って契約不履行かなんかで訴えようとする動きがありましたね。

菅原　たしかそういう動きもあったみたいですよ。

――となると、そのメガネスーパーがもらったお金で新団体に参加する……っていうのは立場上おかしいっていうことですもんね。

菅原　まあ理屈はそうですけども、あの方たちにその理屈がわかっていたかどうかはわかりません（笑）。

――なるほど（笑）。

菅原　自分はそういうことには深く詮索はしないので。そもそもお世話になった方たちにね、法律的なことでどうのこうのというのは、ハッキリ言って自分のスタイルではないわけですよ。「いままでお世話になりました」と順応するタイプ。そこは性格の違いみたいなものが出たんだと思いますよ。

――NOWの待遇はSWSと比べてやっぱり変わりましたか？
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