1年半ぶりの復帰戦がバンタム級JAPAN GP、相手が優勝候補の一角・井上直樹に決まった石渡伸太郎インタビュー!!(聞き手/松下ミワ)
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――おお……。「ムカついている」というのは、井上直樹選手が隣に座ったことに?
石渡 ふざけんなよ!! って(笑)。舐められてる自分にムカついてます。
――優勝候補とも目される井上選手が隣に座ってしまった。
石渡 もうねぇ、自分のくじ運の悪さも含めて、ホント「ふざけんな」って感じですね(笑)。
石渡 そりゃそうですけど、いきなり1回戦でやんなくてもいいじゃないですか。勝ち上がってやればいいんだから。
――石渡選手が引いた番号が「5」だったので、けっこう順番としては早かったんですけどね。
石渡 そう、だから「いいところ取ったな」とは思ってたんですよ。でも、引いたのは“ジョーカー”だったという。というか、あんなにポンポンとカードが決まっていくとも思わなかったですしね。
――ああいう感じになると、奇数を引いた人って選べなくなっちゃいますよね。
石渡 ああ、たしかに。それは気づかなかった。
――今回、石渡選手もエントリーするということで、さらにバンタム級グランプリへの期待感が高まりましたが、そもそもご自身の復帰についてはどういう構想があったんですか?
石渡 まあ、いろいろケガがあったり、気持ち的にもちょっと落ちてたりとかがありながら、やっぱりどうしても試合をしたいということで頑張ってきていたんですけど。
――ここにきてグランプリを開催するというのは、ちょっと寝耳に水だったというか。
石渡 今年で全4試合ですか? もう「そんなやんなくていいよ」と。そう思ったんで、参戦するかどうかは正直迷いました。けど、ここでやらないと蚊帳の外になっちゃうんでね。これが最後でもかまわないと思って挑戦しようと思いました。
――厳しい道でありながらも、「出ない」という選択肢は取りづらかったですか。
石渡 まあ、そうですね。出なかったら何やるの? という話になりますから。だって、ホントに何ができます?
石渡 あのね、ボク嫌いなのは「いままでこれだけやってきた」とか、そういうの嫌いなんですよ。だって、「いま」がすべてじゃないですか。歳をとって、過去のことを言ってもカッコ悪いし。だからもう、若い選手に挑戦する、そういう気持ちですね。
――あと、不安要素というとアレですけど、RIZINのYouTubeでのタロット占い企画でも、けっこう茨の道を示すようなカードが出ていて。あれも、地味に嫌ですよねえ。
石渡 ……まあ、こんなこと言っちゃいけないんですけど、占いを端から信じてないので(キッパリ)。
――おお、さすがです!
石渡 なんか言われりゃ、そりゃ「そうなの……?」と一瞬は思いますけど、占いに人生決められたら生きていけないので、最初から信じてないです。ただ、もしここからケガでもしてグランプリ欠場なんてことになったら……、これからは占いで人生決めていこうかなとは思いますけど。
――ハハハハハ! 逆に信じちゃう(笑)。抽選会に来る前というのは、ほかの15名のメンバーは知っていたんですか?
石渡 知ってました。だから、ラクなヤツから順にリサーチしていたんですよ。その一番うしろにいるのが井上選手だったんですけどね……。
――15番目が井上直樹。
石渡 だから、最初は「来るな、来るな、来るな」と思ってました。ただ、来て隣に座った瞬間からバチッと腹は決まりました。「よし、やるか!」と。だから、決してビビってるわけじゃないです。
石渡 なんて言うんですか? 言い方は悪いんですけど、こういう抽選会では実力に差があるようなカードになりやすい中で、ボクは井上選手と身を削ってやることが決まったんで、せめてたくさん注目してください。
――注目させていただきます!
石渡 ホントに、一番注目してほしい!
――でも、石渡選手の中では、井上選手が一番最後だったんですね。それは、朝倉海選手よりも強いと予想しているということなんですか?
石渡 まあ、迷いどころですけどね。朝倉海と井上直樹は、普通に考えたら1回戦は避けたい。優勝するためにはね。どうせ、どっかで戦うというか、どこかで負ける2人だとは思えないので。だから、逃げているわけじゃないですけど、順番はあとにしてほしかった。
――トーナメントを勝ち抜くことを考えると、そう考えるのが普通ですよね。
石渡 そのとおりです。
――今回、1年5カ月ぶりの試合になると思うんですけど、ケガで休養されている期間は本当にいろんなことが起きましたよね。
石渡 起こりましたねえ。やっぱり、コロナで格闘技のイベントも今後どうなるかわからない、さらに自分もケガしてて満足に動けないという状況では、やっぱりあんまり物事をポジティブに捉えられなかったので、ただの平和な人間として過ごしてました。家で家族と一緒に過ごしてましたね。
――やっぱり練習もできない状況で。
石渡 まったくしてない期間はありました。
――本格的に練習再開できたのは?
石渡 まあ、ちょっとそのへんは伏せときます。企業秘密ということで。本番で仕上がりをみてください。
――わかりました。昨年はコロナの影響もありましたけど、朝倉海選手や井上直樹選手などの若手の台頭で、ちょっと時代が変わっていくような雰囲気なんかもあったと思うんですけど。
石渡 まあ、もちろん焦りはありますよね。その焦りと、自分がやってやるぞという気持ちと、もうふてくされてる気持ちと……。ケガがあるとメンタル的にどうしても落ちるんでね。正直言って「俺にはもうできないな」と思っている、ふてくされている自分もいました。
――ただ、ちょうど同じ時期に堀口恭司選手もケガをしていて。選手生命が脅かされるようなケガでしたが、見事復帰を果たしました。
石渡 まあでも、彼と自分とが重なるところはないですよ。なんか、もう彼は特別な人間だし、彼がやったんだから自分も頑張ろうというのはないです。ただ、そういう意味で一番刺激になったのは、やっぱり斎藤(裕)くんですね。
――ああ~、なるほど! RIZINフェザー級王者・斎藤裕選手の存在が。たしかに、いま斎藤選手はRIZIN2戦とは思えない存在感ですもんね。
石渡 斎藤くんがRIZINでチャンピオンになって、斎藤くんの周りの景色がガーッと変わっていくのを見ていたんでね。それは、もうシンプルに羨ましいというか、あんまり嫉妬みたいなネガティブな感情じゃなく、単純に「俺ももう一回頑張りたいな」と。「俺のこと、もっとみんなに知ってほしい」とか「お金を稼ぎたい」とか、格闘技を始めた当時の若いときの気持ちがどんどんよみがえってきて。だから、本当に斎藤くんが凄くいい刺激になりましたね。
――たしかに、斎藤選手は人生変わりましたよね。
石渡 変わったと思いますよ。
――側から見てても、どんどん変わっている感じがありました?
石渡 やっぱりSNSの反応とか、ファンがガッチリいるじゃないですか。もともとはそうじゃないはずなんですよ!
――そうじゃないはず(笑)。
石渡 それはまあSNSの反応もそうですし、周りの人間の対応が変わっていってるのもそばで見ているんでね。「いいなあ」と。
――斎藤選手にとって人生を変えた朝倉未来戦の前には、石渡選手もサポートされていたと聞きました。
石渡 ああ、そうですね。ボクがあんまり練習できない中、それでも復帰したいとは思っていたので、あんまり格闘技から頭が離れちゃうとついていけなくなるかなと思って、人の練習を見てたりサポートに回ることが多かったんですけど。その中でたまたま斎藤くんの試合があって、自分で研究したりした部分があったんで、それを伝えたんですけどね。だから、あの試合でガーッと人生が変わったのを見ていたんで、羨ましいなと思いましたね。
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コメント
コメントを書く井上戦、簡単に勝っちゃう気がしてきた。
井上直樹は朝倉海が空いてたら行っていたような気がするね
井上選手は、あの声の小ささと陰気な感じのせいで全然スター性を感じない。声を大きく張るくらいは、格闘技で強くなるよりも簡単なことなのに、どうして直さないのかなと不思議だ。やはりチャンピオンクラスになれば、その団体、競技を引っ張っていくような姿勢がほしいなと思います。インタビューしても何も面白エピソードが出てこないだろうなあと、youtubeの元谷戦、渡部修斗戦を見ながら、我慢できずに書き込んでしまいました。石渡選手と今成選手にはぜひ頑張ってほしいです。
十人十色、色々なキャラクターがいて良い。誰が勝っても嬉しいし誰が負けても悲しいな。漫画と違って露骨に悪役がいないのが現実の辛い所だ。