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「ROAD to UFC」に出場する風間敏臣インタビュー! 驚異のフィニッシュ率を誇る寝業師の素顔はいろんな意味でヤバかった……(聞き手/ジャン斉藤)


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──
負けたあとのインタビューは精神的にどうなのかなと……(4月24日『パウンドストーム』で齋藤奨司にKO負け)。

風間 ハハハハハ、全然大丈夫です(笑)。いろいろ聞いていただいて。

──
「ROAD to UFC」出場は内定……ということでいいんですか?

風間
 そうですね。いや……どうなんだろう。ハッキリしたことは聞いてないです、正直。やる方向で準備はしてるんですけど(後日正式決定)。

──
現時点で「ROAD to UFC」はいろいろと情報が錯綜してますが……『パウンドストーム』の試合の前から「ROAD to UFC」出場のお話はあったんですよね。

風間
 はい。だから『パウンドストーム』で負けたら、この話はなくなるし……っていう気持ちで。勝つしかないなって緊張感高めの試合ではあったんですけど。

──
変な話、『パウンドストーム』に出なくてもよかったんですかね?

風間
 いやあ、自分の中では、格闘技の試合で得たお金で生活してこそ、プロ格闘家だって胸を張って言えるんじゃないかなと思ってるんで。試合のチャンスをいただいたからには全然出る気持ちはありましたので。出ないっていう考えはなかったですね。

──「ROAD to UFC」出場が消えかねない敗戦は相当落ち込んだというか……まあ負けたらどんな試合でも落ち込むんでしょうけど。

風間
 そうですね(苦笑)。

──
相当食らった感じはある。

風間
 身体やメンタル的にも……。試合から2週間経ったっすけど、夢にも出てきましたもんね、正直。失神する夢とか全然イヤですよ。

──
それはキツイですねぇ。

風間
 イヤです、本当に(笑)。けっこう自分の中ではもう吹っ切れたわけじゃないですけど、切り替えていかないといけないんで。「ROAD to UFC」には向いてるんですけど、まだショックは残ってんだなって感じです。

──
負けて「ROAD to UFC」のチャンスを逃したもんだと思ったわけですかね?

風間
 もう全部なくなったなっていう気持ちはありましたね。

──
まだ「ROAD to UFC」の線が残っていると聞いたらいつぐらいなんですか?

風間
 試合から1週間経ってからじゃないですかね。大沢(ケンジ)さんから「もしかしたら……」って。

──
風間さんは和術慧舟會HEARTS所属で。UFCとはシュウ・ヒラタさんが交渉されていたみたいですね。今回の負けで大沢さんから何か言われたことはあります?

風間
 ……大沢さんからは「こんだけのものを失う者はいない」と(笑)。

──
な、なるほどお(笑)。

風間
 「なかなかできない経験だ」って言われたんですけど。「こういう失敗というか、ショックなことは笑いに変えていこう」って言っていただいて。普通にこうやって話すと軽いように聞こえるんですけど、大沢さんの言ってることはすごく重いことだと思ってて。自分の中ではその言葉に救われたというか、試合直後にそういう話をしていただいて。

──
笑いにできるような立場になれってことですね。「あんなことがあったなあ」と。

風間
 そうですね。「笑いに変えると、次の週には何もなかったかのように世の中が回ってるから」と言っていただいて。

──
とは言ってもなかなか大変ですよね。

風間
 そうですね。「数年間はちょっとできなさそうです……」と言ったんですけど(笑)。

──それくらい重い敗戦。風間選手といえば脅威のフィニッシュ率を誇る寝業師ですけど。バックボーンの柔術を始めたのはMMAをやりたいとかそういうではないんですよね。

風間
 全然違いますね。出身は茨城なんですけど、高校のときは柔道をやってて、3年生の初めの頃に柔道のプラスになるように柔術を始めたんですよね。もともと寝技が好きだったんですけど、柔道は立ち技がメインなんで、この寝技を活かした競技をやりたいなと思っていたので、そのまま柔術に切り替えた感じです。

──
寝技が好きになったきっかけはあるんですか?

風間
 小3の終わりぐらいから柔道を始めてるんですけど、自分についててくれてた先生がずっと寝技をメインで教えてくれる、なかなか珍しい感じで。あと自分の通ってた高校は土浦日大なんですけど、そこは寝技が強いと言われてて。小学生のときに教えてもらってた先生も土浦日大とちょっと関わりがあって、その流れで高校までって感じです。

──
いまの柔道のルールで寝技はそこまで有効ではないんですよね。

風間
 いや、不利だと思いますよ。やっぱり寝技は全然、見てもらえないですもんね(笑)。どうせ見てくんないのに、その土俵で戦っててもしょうがないから、柔術をやろうかなって思いましたね。

──
やっぱり寝技は強かったんですか?

風間
 いや……まぁ自信はありましたけど、なんて言うんだろう。やっぱり誰からでも一本を取れるほどではなかったですね。

──
卒業後は就職されたんですか?

風間
 自動車整備の専門学校に。それもホント親には申し訳ないですけど、自動車整備をやりたいからっていうわけじゃなく手に職をつけなければ。みたいな。ちょっとぼんやりした目標の中で行っちゃった感じですよね。いま考えると親に申し訳ないです。全然活かしてないので。

──
で、平行しながら柔術やって。

風間
 そうです。学校が終わったら柔術の道場に通って、夜まで練習して。

──
いずれ柔術で何か成し遂げたいという考えもあったんですか?

風間
 自分の中で世界に出てメシを食っていけるようなルートを見つけられればなって思ってまして。ただ、どうすればいいかは全然考えがなかったですね(笑)。
──モラトリアムって感じですね(笑)。でも、知識がないからこそできたのかも。

風間
 そうかもしんないですね。ヘタに知ってたら踏み入れられなかったかもしんないです。食うために柔術やるとかなかなか……みんな趣味が多いですもんね。

──志を抱いちゃうくらい柔術はうまくハマったってことですか?

風間
 ハマりましたね。なんかこう、めちゃくちゃ面白いなっていう。しかも柔道では見えなかった景色というか、その展開とかも含めいろいろとハマるものがありましたね。ホントやってみてよかったです。

──
そう簡単に柔術で食えるわけではないことには、いつぐらいに気づきました?

風間
 いやでも世界の選手は食ってるイメージがあったんで。そこまで行けば食えるとは思ってたんで。ただ、具体的にどうすればなれるかは、いまでもわかんない(笑)。

――ぼんやりしてたんですね(笑)。

風間 ホントぼんやりしてて。それこそ柔術の世界大会のムンジアルで優勝しても食えんのかって言われたら、ちょっとわかんないですよね。

──
それを勲章にしてジムやセミナーを開いたり。

風間
 そうなってくるんですよね。でも、なんか違うんですよね。こうやれば食べれるよみたいなことは言われてたんですけど、それって自分の考えてる格闘家としての人生と違って。「教えて食べる」ことが格闘家なのかってことが自分の中で納得できなくて。

──
ぼんやりしてるわりにはこだわりが。

風間
 そう、変なプライドがある(笑)。

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