アメリカのインディプロレスの“現在”を伝える連載! アメリカインディープロレス専門通販「フリーバーズ」(https://store.shopping.yahoo.co.jp/freebirds)を営む中山貴博氏が知られざるエピソードを紹介していきます! 今回はインタビュー形式でAEW内紛「CMパンクの乱」をお送りします!(9月11日に配信されたものを再構成してます)





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今日は中山さんにAEWで起きている内紛「CMパンクの乱」についてお聞きします。

中山 フリーバーズの中山です。よろしくお願いします。

――アメリカでは大変な騒ぎになってるんですよね。

中山 今週の初めから大騒ぎですね。トップレスラー同士のケンカ騒ぎということで。

――この事件が起きる前からAWEの雲行きがちょっと怪しいところはありましたよね。

中山 この前もDropkickの記事で書かせてもらったんですけども、バックステージでレスラーたちの不満があるとかで、緊急ミーティングが開かれたんですけども。その数日後にこういう事件が起こってしまったんです。

――緊急ミーティングが開かれたあとに(笑)。今回の騒動の主役というか主犯はCMパンクなんですよね。

中山 CMパンクですね。何が起きたかというと、9月4日のAEW特番『ALL OUT』終了後に記者会見がありまして。AEWは特番大会後のメディア記者会見は恒例なんですけども。そこでCMパンクがヤング・バックスら副社長に対して不満をぶち上げたんです。その後、ヤング・バックスと控室で乱闘騒ぎになってしまいました。

――日本やアメリカのプロレスでは、いわゆる体制批判はよくあることですよね。

中山 そうですね。とくにCMパンクは「反逆のカリスマ」なんて言われてますし、WWEのときも体制批判で名を上げた選手ですし。

――ところが今回は一線を越えてしまったんですね。

中山 そうですね。きっかけはアダム・ペイジです。5月の『ダブル・オア・ナッシング』の特番でパンクとやって負けた選手、元AEWのチャンピオン。アダム・ペイジがそのときのプロモーションで、CMパンクの気に障ることを言っちゃったんです。そのことをずっとパンクは根に持っていたんです。アダム・ペイジが何を言ったかというと、CMパンクに対して「アンタは働く者の権利云々と偉そうなことを言っていたけども、AEWではそれと正反対のことをやってるな」と。これはどういう意味かというと、コルト・カバナという選手がAEWにいるんですけども。もともとはCMパンクと大親友だったんです。でも、2人は仲違いしてしまいまして、CMパンクが「コルト・カバナをテレビに出すな」とか「試合に使うな」とか圧力をかけたんじゃないかっていうことを、アダム・ペイジは暗に匂わせたわけですね。

――ちなみにコルト・カバナはCMパンクがAEWに来る前からいるんですよね。

中山 AEW初期の頃からずっと働いています。

――CMパンクがAEWに来てから、実際にコルト・カバナの出番は減ってるんですか?

中山 コルト・カバナはテレビの試合に出ることは少なくて、YouTubeでやってるダークマッチに出てるんですけれども。CMパンクがコルト・カバナを排除したという噂が流れていたんです。アダム・ペイジが匂わせたことで、CMパンクがカチンときてしまった。コルト・カバナの名前を出すことがパンクにとってはタブー、禁句なんですね。

――親友だった2人はなぜ決裂してしまったんですか?

中山 デビュー当時の大親友がなぜ揉めたかといえば、パンクがWWEをやめたあと、カバナのポッドキャストで、パンクがWWEに在籍したときに適切な医療処置をしなかったということで、WWEの専属医師クリストファー・アマン医師を猛烈に批判したんです。するとアマン医師が2人を名誉棄損で訴えたんですけども、パンクとカバナが勝訴。でも今度はカバナが「パンクは俺の弁護士費用も負担すると言ってたのに、払わなかった」ということで仲間割れ。カバナがパンクのことを120万ドルの賠償を求めて訴えるんです。

――それで絶縁ですか……。

中山 その裁判自体は決着ついたかどうだかわからないです。パンクとしてはもうカバナの名前を聞くのも見るのもイヤになってしまったんですね。

――そういう危険な関係であることをみんな知ってるからこそ、何かCMパンクが圧力をかけてるという噂が流れやすいんでしょうね。

中山 それでパンクいわく「その噂を流したのがAEW副社長だ」と。その副社長というのは、ヤング・バックスとケニー・オメガですよね。ただ、記者会見では名前は出さないんです。「副社長と呼ばれている無責任な連中たちが噂を流した」と。

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――それって確証あるんですかね。

中山 これも噂ですけれども、ヤング・バックスはメディアにそういう話をリークするようなことはいままでもしてきたと。たとえば新日本プロレスのバックステージの話がレスリング・オブザーバーのデイブ・メルツァーに伝わっていたりする。デイブ・メルツァーはその場にいないから、知ってるわけないじゃないですか。誰かがメルツァーに教えていたわけですよね。

――面白いのはAEW設立やコロナで外国人が来れなくなったりしてから、アメリカメディアの新日本のバックステージレポートは薄くなってるんですよね(笑)。

中山 それはやっぱり外国人レスラーが教えていたということなんでしょうね。今回のCMパンクは名前を出さないで無責任な副社長だと言うんですよ。ここがまたCMパンクらしいんですけれども「レシーダにいる奴だ」って言うんですね。レシーダというのはカリフォルニア州レシーダという地名です。レシーダは昔、プロレスリング・ゲリラ(PWG)があった場所なんです。ヤング・バックスはPWGで活躍していた。プロレスを知ってる人がいれば「レシーダ=ヤング・バックス」ってすぐわかっちゃうんです。

――ヤング・バックスも「俺らのこと言ってんのね」ってなるわけですね。
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