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朝倉海戦が決まった元谷友貴インタビューを再掲載します!(聞き手/松下ミワ)



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――
今日はリモート取材になりますが、よろしくお願いします! そちらはいま、ご自宅なんですかね?

元谷
 ええっと、名古屋で借りている家にいます。◯×□◆✳︎◎で家族といる家じゃなくて、名古屋で◯×□◆✳︎◎すね。……あれ? 聞こえづらいですか?

――
いや、なんとか大丈夫です! なんか、部屋の壁がコンクリート打ちっぱなしでかっこいい部屋ですね。

元谷
 ああ、壁が……コンクリート……カッコいいっす!

――
ハハハハハ! 5月6日に行われる朝倉海戦まで1ヵ月、体調も万全ですか。

元谷
 体調は凄くよくて、もう凄く楽しみです。調整もうまくいってます。

――
今回の海戦は念願の対決だと思いますが、一番最初に打診されたのはいつだったんでしょう?

元谷
 でも、カード発表会見のちょっと前ぐらいだと思います。会見がいつだったかちょっと覚えてないんですけど。

――
RIZIN.42のカード発表会見は3月6日ですね。

元谷
 じゃあ、たぶん2月の終わりぐらいには。でも、凄くうれしかったですね。「やっと来たな」というか。

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――
大晦日にホジェリオ・ボントリン戦に勝って、「次はいよいよ」という予感もあったのでは?

元谷
 いやあ、あんまりそういう話もなかった気がします。だから、まだ対戦できないのかなと思ってました。また海選手もべつの誰かと戦って、自分もほかの人を当てられて。あと1~2試合はあるのかなと思っていたんですけど、すんなり決まりましたね。

――それって、元谷選手が勝ち続けたことで海選手が逃げられないようにした感じもありますよね。

元谷
 ああ、しっかり勝てば、いつかは追いつくだろうと思ってやってました。

――
RIZIN CONFESSIONSでは「(海選手は復帰に向けて)ボクを調整に使ってもいいんじゃないかと思います」と言われていて。罠に嵌めようと誘水を出している感じが凄く面白かったです(笑)。

元谷
 ああ(笑)。まあ、あれはそういう流れの撮影というか。でも、自分としてもそういう気持ちがあったので、佐藤大輔さんもそれに沿って話を持っていってくれたというか。だいぶいい感じにしてくれました。

――
海選手は試合間が1年以上空いての復帰戦になりますが、ちなみに元谷選手って人生で大きなケガで試合を離れたことってありましたっけ?

元谷
 一回、靭帯を痛めたことがあるんですけど、そのときは10ヵ月ぐらい試合ができなかった感じですね。でも、そこから復帰するときも、とくにあんまり変わらなかったとは思ってるんですけど。そのあいだに「今後どうしていこうかなあ」と考える時間が多くあったのかなとも思っていて。

――
となると、海選手は1年以上試合間が空いてることは、元谷選手にとってどうなんですかね?

元谷
 自分的にはあんまり関係ないというか、試合間が空こうが空かんとこうが、堀口恭司選手とかも長期間休んでも全然強かったですし。まあ、あんまり関係ないんじゃないかなと思ってます。

――
そのへんは油断してないと。そんな海選手は、何が強い選手だと見てますか?

元谷 うーん、いろいろ映像を観たりしたんですけど、何が強いというのは……でも全部強いと思いますね。

――元谷選手から見ても全部強い!

元谷 打撃も、テイクダウンディフェンスも、寝技も、スタミナも、すべて強いと思います。寝技に関しても寝技で極めるというより、寝技にいかない能力だったり、寝技にいっても凌ぐ能力は絶対にあると思っています。

――元谷選手から見た海選手はトータルファイター的なイメージなんですかね。

元谷 試合ではストライキングで勝負する選手ですけど、できないことはない選手ですね。間違いなく全部できる選手です。やっぱり研究じゃないですけど、海選手のことをしっかり見れば、思ってる以上に強い選手だなというのがあるので。

――
そういう中で、今回はどういうところに勝機を見出している感じですか?

元谷
 まあでも「この場面にしない」「打撃をやらない」とか、そんなことは考えていなくて。全部やっていく中で、総合で戦えばどこかで自分の展開をつくれる場面があると思うので、そういうところを狙っていきたいです。

――
いろんな展開の中で、隙を付ければいいな、と。

元谷
 打撃でもコントロールしたいと思っていますし、全局面でどっかでいい場面になればなという感じですね。

――
この海戦にたどりつくまで5連勝されていますが、今回はバンタム級GPの瀧澤謙太戦からお話をうかがいたくて。いま振り返ると、あの試合は全体的に何かうまくいかないものがあったんでしょうか?

元谷
 うーん、まあ調整が悪かったとか、そんな感じはとくになかったんですけど……単純に舐めてたのかなって。

――えっ、舐めてたんですか!(笑)。

元谷 自分はちょっとそういうクセがあるというか(苦笑)。どうしても「まあ、いけるかな」という感じが出てきてしまうときがあるので。でも、ああいう失敗をしてから去年は気を引き締めて集中してやってます。

――そういう隙があっただけで、コンディション的には問題なかった、と。

元谷 コンディション的には普通だったと思います。……でもまあ、何かいろんなことがうまく噛み合ってないというのはあったかもしれないですね。

――それって、何が原因だったんですかね?

元谷 そうっすねえ……まあ、やっぱり気の緩みですかね。

――それに尽きる(笑)。元谷選手って試合数も多いので、もしかしたらダメージの蓄積もあるのかなと、勝手にいろいろ想像していたんですが。

元谷 蓄積という部分でいうと、自分はまだ大丈夫だと思ってます。キャリアの初期からそこは凄く意識していて。試合より練習のほうが疲労やダメージは溜まりやすいので、そこはずっと意識して練習していますね。あとは、試合でもKOされることもありますけど、そんなに回数も多くないのでまだ大丈夫かな、と。

――激闘も多いので、見ているほうからするとちょっと不安になるところもあったりして。

元谷 ぜんぜんです。去年はちょっとパンチをもらった試合もありましたけど、基本はパンチをもらって頭が痛いとかはないので。自分的には大丈夫かなと思ってます。

――瀧澤戦以降、練習環境も変えたと思いますが、それはあらためて気を引き締めようということだったんですかね?

元谷 瀧澤戦のときは、東京で1~2年やってたんですけど、1回休憩しようと思って。これからどうしていこうか、ゆっくり考えたくて。何かが噛み合ってなくて、しっかりつくり直してまた頑張っていこうかなと思っていたので、一回石川に帰りました。で、石川で生活しながら週末は名古屋で練習するというかたちでスタートして。「名古屋も凄くいい練習ができるな」ということで、それからは名古屋でつくっていこうかなという感じでしたね。

――そのあと5連勝しますが、復調のきっかけは何かあったんですか?

元谷 やっぱり、いいかたちで練習ができていることですかね。あとは、瀧澤戦に負けたあとに「なんで負けたんかな」「どうしていけばいいんかな」と考えて、また試合で試していったというか。「こっちのほうが調子いいな」と感じたりしながら、そういうのがハマってきた感じがあります。

――ちなみに、Dropkickで元谷選手の復調の理由を石渡(伸太郎)塾長に分析してもらったことがあったんですが、そのときは「一本・KOを狙いすぎず、弱モードで攻撃しているのがプラスに働いているんじゃないか」とおっしゃっていて。

元谷 ……いや、本当は、一本・KO狙いたいんですけど、去年はけっこうスタミナがなかったんですよねえ。
――そ、そうだったんですか!

元谷 いつもと比べるとスタミナがなくて、正直、勝てたのもビックリしているぐらいで。◯×□◆✳︎◎の試合は全然スタミナがなかったです。

――ええっと、どの試合ですか?

元谷 倉本(一真)戦はそんなめちゃくちゃ悪いわけじゃなかったですけど、◯×□◆✳︎◎の試合は全部ちょっとヤバかったです。……あれ? 聞こえますか?(編集部注※記号で表記している意味は後ほどわかります……)

――だ、大丈夫です! となると、元谷選手が意図したかどうかに関わらず、「弱パンチで対応している」と言っていた石渡さんの分析は正しかったということですかね(笑)。

元谷 そうですね(笑)。まあ、なんかスタミナがないのもあってフィニッシュまでいけなかったというか。前に出られなかったですね。

――でも、元谷選手といえば、やられてからの「第2エンジン」が始動するイメージがあって。どの試合も凄く粘り強い戦い方だったので、スタミナがなかったなんてまったく気づきませんでした。

元谷 いやあ、いつもだったらもう一歩行けました。

――あれでスタミナがないと言われると、相手は怖いですよ!

元谷 ギリギリでした。運がよかったです(笑)。

――スタミナがないということは何か不調だったんですかね。

元谷 不調ではないですね。

――元谷選手ってどの試合も自分からガンガン攻めますよね。

元谷 試合で後手というか、相手の攻撃を受けて試合を運んで負けたら、ちょっと後悔するんで。まあ、自分から仕掛けてこうというのはあります。それで負けたらしょうがないかな、と。あと、基本的に思っているのは、あんまり硬直したくないですね。動きのある試合をしたいなというのはいつも思っているので。

――それって、過去に失敗した体験からですか?

元谷 やっぱり相手の様子を見てしまって、自分を出せずに負けてしまったというのが過去にあったので。そういうことはもうあんまりしたくないなと思ってます。

――元谷選手にあれだけ詰められると、どの選手もプレッシャーかかるというか。

元谷 まあ、プレッシャーかかってくれていたらいいんですけど(笑)。


・なぜ東京ではなく名古屋なのか
・ラスベガスで練習してても気にならない
・パトリック・ミックスは舐めていた
・フィニッシュボーナスにこだわる理由
・元谷さん、それ不調って言うんですよ!……などなど12000字インタビューはまだまだ続く

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