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Road to UFCライト級トーナメント決勝進出!! UFC契約まで1勝と迫った原口伸インタビューです(聞き手/ジャン斉藤)
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・中村倫也「修斗、レスリング、PRIDEがUFCに連れて行ってくれた」
――今日はBRAVE GYM 世田谷での取材ですけど、原口選手のお住まいはこのへんなんですか?
原口 いや、三郷BRAVEがある三郷のほうなんですけど。今日はロータス世田谷で練習してそのままこっちに来ました。
――ロータス世田谷で練習されてるんですね。
原口 月曜はロータスさんにおじゃまして、そのあとは新宿にある協栄ボクシングで、斎藤裕選手とかも見ているボクシングコーチに教わってます。あとはほとんど三郷でやってますね。
――原口選手は7戦全勝で、参戦中のRoad to UFCライト級トーナメント決勝進出。あと1勝でUFCと契約なんですが、Road to UFCではフェザー級を希望してましたよね。いったいどういう経緯でライト級のエントリーなんですか?
原口 ボクはグラチャンでライト級のチャンピオンですけど、世界と戦ううえでフレーム的にはフェザー級でチャレンジしたかったんです。でも、フェザー級での戦績を持ってないから、というのが理由で「ライト級のほうなら出られる」という話がありました。
――第一志望は叶わなかったけど、ライト級で。
原口 でも、ボクの相手は、みんなウェルター級から落としてきてるんですよね。
――あー、Road to UFCは基本的にアジア圏内の企画ですけど、ライト級の選手が集まらなかった。それで原口選手にも……ってこともあるんですかね。
原口 そういうことなんですかね。
――これまでライト級でやってきたとはいえ、ライト級のエントリーは迷いました?
原口 最初は……30分くらい迷って。
――30分って「迷った」に入るんですかね(笑)。
原口 ハハハハハ。寝起きでそのLINEを見て「えっ、ライトかあ」と。GRACHAN代表の岩崎代表、BRAVEの宮田(和幸)先生やマネジメントの前田桂さんにも相談して。もし来年もRoad to UFCをやるとなったときのためじゃないですけど……。
――何かしら接点を作って来年フェザー級でエントリーできるようにしておこうと?
原口 そういう感じですね。そういった意味でもライト級でとりあえず勝負してみようという話になりました。でも、決勝まで来たら絶対に契約を勝ち取ろうと。
――そもそも自信がないとやらないですよね。
原口 ライト級だからとか、そんなネガティブな感情はまったくなくて。そのときボクが思ったのは、アジア圏内のライト級で勝てなかったら世界のフェザーで勝てねえだろうって。世界になると、みんな身体がでっかいじゃないですか。
――同階級でも1階級違ってくる感じがありますね。
原口 だから「ライト級で勝負できなきゃダメでしょ」って意外とポジティブになりましたね。
――アジアのライト級を突破しないと世界のフェザーで戦えないと。優勝してUFCと契約できた場合、ライトでやるんですか?
原口 最低でも1試合ライトで……やりたくないですけど(苦笑)。
――正直やりたくないですよね(笑)。決勝まで進出できたのは想定内でした?
原口 周りの人にはわりと「行けるっしょ」みたいに言われてて。自分の中では「えっ、そんな感じなの?」って思いながらも、なんやかんやで勝ち続けて、とりあえず決勝まで来たなって。
――周囲ほどの自信はなかったと。
原口 やっぱりライト級だし、厳しい戦いになるのは間違いないって思ってました。
――階級が違うことで、いままでの試合とは戦略を変えたところはありましたか?
原口 そうですね。宮田先生とも話をして、どんなに試合がしょっぱくても、つまらなくなってもいい。トーナメントだから勝たないと意味がないからと言われて。そこは空気を読まずに徹底して意識してます(笑)。
――日本のときは「魅せてやろう!!」という気持ちはあったんですか?
原口 そういう気持ちはないですけど、日本では「パウンドで絶対に終わらせてやる」って感じですね。でも、今回は「どんなかたちでも勝とう」と。ボクだったらレスリング100%を全面に出した戦い方に振り切ってます。
――レスリング天皇杯優勝者の武器をフルで使うと。KOできる瞬間があるかもしれないですけど、そこに1%でもリスクあるんだったら選択しないってことですね。
原口 そっちですね。まずは相手を立たせない。それに今回はいきなり対戦相手が変わったこともあって……。
――本来の対戦相手が体重超過で、ワンマッチを行う予定だった選手がエントリーして。
原口 試合直前に相手が変わるのは初めてのケースでした。いつもは「殺してやる!」くらいの気持ちが出てくるんですけど、今回は「……やるか」みたいな感じで。相手が変わって気持ちが落ちた部分が影響したのかなと。
――気持ちが切れちゃうと、もう一度、火をつけるのは難しいんですね。
原口 ちょっと苦労しましたね。いま思えばいい経験になりました。
――準決勝はほぼグランドコントロールをして判定勝ちでしたが、1者「30-27」で2者「29-28」でした。2者は2ラウンド目を相手に付けてましたが、あのジャッジはどう思いました?
原口 ジムの人も「あれ、なんで取られたの?」って聞いてきて。ボクもいまいちピンとは来てないんですけど、ケージに押し込んだときに頭にヒジをもらったのと、スタンドでミドルを蹴られたけど、しっかりブロックしたし。よくわからないですね、なんで取られたのか。
――いまのMMAは抑え込んでるだけではポイントがつかないですから、コントロールしてても怖いですよね。
原口 ホントそうですね。どんなに抑えこんでいても、一発いいのをポーンってもらったら効いてなくても相手につくのかなって考えたりしました。
――グラップラーとしてやりづらい時代。
原口 どこの団体もそうなってきてる気がしますね。ジャッジの結果を見てもダメージを優先するようになってきてるのかなと。
――トーナメントだからこそ手堅く攻めなきゃいけないところもありますが、同日のフェザー級トーナメント準決勝で判定負けした神田コウヤ選手の試合はごらんになりました?
原口 アップをしながらモニターをチラチラと見てたくらいだったんですけど、サークリングしながら要所要所で打撃を当てて……という感じですよね。
――ひじょうに難しい判定でしたね。
原口 神田選手が勝ったと思いました?
――うーん……もしAIがジャッジしていたら神田選手の勝ちかもですけど、人間の心理として神田選手につけづらいんじゃないかなって気はしました。
原口 あー、なるほど。対戦相手の中国人が前に出てるから、神田選手が逃げているように捉えられても仕方ないですよね。そこには人間心理が入ってきますよね。
――判定が難しい時代ですが、決勝戦はどんなかたちでも勝ちに行くという感じですよね。
原口 まず前回の試合は反省点がありすぎて。寝かせても立たせすぎだったので、勝ったあとに過去最高に嬉しくなかったです。「もっとやれるはずなのに」っていう感覚があって、勝ったことにはホッとしたんですけど、勝ったあとに湧き出てくる嬉しさが一切なくて。
――勝ちきった感がないというか。
原口 そこはフィニッシュできなかったところもありますし、スタンドの打撃もオーバーフックで一発当てたんですよ。打ち合いで倒せたわけではないんですけど、もうちょっとビビらずに打撃で作れたんじゃないかなって。自分が思っている以上にビビってしまっているところがあったんです。その反省を決勝で活かしたいですね。
――ここで勝っても、UFC本戦ではこのままじゃいけない……と先を見据えているもあるんですか?
原口 ああ、めちゃくちゃありますね。前日の中村倫也選手の試合を見ても、完成度の高さが……。
――前日は同じシンガポールの会場でUFCがありましたね。
原口 中村選手の引き出しの多さ。仕留められなかったけど、UFCでもランキングに入るんだろうなって思わせる戦い方。自分ももっと奥行きのあるMMAをしなきゃいけないなって。倒してパウンド、倒してパウンドだけじゃなくて……自分なりの理想はあります。
――UFCと契約するのがゴールじゃなくて、UFCで生き残っていくためにどうするかってことですね。1回戦の開催場所は上海でしたけど、前後にUFCがなかったんですよね。<続きは会員ページへ>
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爽やかなインタビュー。
こういうインタビュー好きです。
スッキリ好感度高い! 応援したくなっちゃいますね。