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記事 16件
  • 【13万字・記事14本詰め合わせセット】金原正徳、佐藤将光、長井満也、万智、猪木映画……

    2023-10-31 23:59  
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    非会員でも購入できる大好評インタビュー詰め合わせセット! part117大好評記事14本13万字で600円!!(税込み)
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    part117◎【クレベルに完勝】金原正徳インタビュー「みんなもっとMMAの練習をしよう!」
    ◎【RIZIN初参戦】佐藤将光センターラインな12000字インタビュー
    ◎RIZIN44とLANDMARK名古屋を語ろう■笹原圭一
    ◎万智がいろんな意味でヤバイ! 女子格NEXTスターインタビュー
    ◎暗黒時代の先にあったクレベルvs金原正徳という希望■余談で語るRIZIN44
    ◎至近距離から見たクレベル・コイケvs金原正徳■八隅孝平
    ◎UFC☓USADAの提携解消とは何か
    ◎【7戦全勝】UFC契約まであと1勝!! 原口伸インタビュー
    ◎長井満也インタビュー「いつのまにか解散してしまった新生UWF」
    ◎評判の悪い映画『アントニオ猪木をさがして』について
    ◎問題児マット・リドル、WWEを解雇…JFK空港狂言事件の顛末
    ◎2010年代を駆け抜けたスーパースター、ブレイ・ワイアット■斎藤文彦INTERVIEWS
    ◎熾烈を極めるWWE(NXT)vsAEWの「火曜テレビ戦争」
    ◎追悼“テキサスブロンコ”テリー・ファンク■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」
    ◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉クレベルに完勝した金原正徳インタビュー!!(聞き手/ジャン斉藤)
    金原 試合後、初めてのインタビューですよ。
    ――それは嬉しいです! 今日は事前のインタビューの答え合わせじゃないですけど、金原さんは「クレベルとは相性がいい」とおっしゃってましたよね。見る側からすると「ここまで相性がいいんだ!」という驚きがあったんですが、本人的にはどうだったんですか?
    金原 正直「組んでみなきゃわからない」というのが本音で、自分の寝技が通じるのか、通じないのか……。そこは実際に組んでみなきゃわからないんですけど、自分の信じていたものが通用しなかったときの怖さってあるんですよね。あのときの絶望感、それを日沖発との試合で味わっているんですよ。
    ――戦極のときの日沖発戦(2009年8月2日)。金原さんの判定負けでしたね。
    金原 日沖発との試合中に「ホントに強え」って感じたんですよね。寝技に自信があったのに、この男にはまったく通用しない絶望感。あの試合のイメージがどこかの頭の片隅にあって……。
    ――トラウマじゃないですけど。
    金原 トラウマまではいかないですけど、戦いながら「これは勝てねえや」って思っちゃったんですよね。そういう経験もあったからこそ、クレベルと組んでみたときに絶望感を感じるのかどうか?という怖さがあって。そこであまりネガティブになりたくないから「俺は強い、俺は強い」とメディアに発言するように心がけていたんですけど。でも、クレベルの試合映像を見たら「うわあ、やっぱり強いわ……」って。どこまで俺の組みが通用するのかなという不安も出てきたので、映像はそれ以降は見ないようにして(苦笑)。
    ――というと「相性がいい」は半分、強がりだったんですね。
    金原 そう(笑)。正直、強がりな部分はありますね。
    ――ボクがインタビューしたときも前半は威勢よかったんですけど、後半は「自信がない」とか言い出して。
    金原 ハハハハハハ。インタビューも最初は強気なんですよ。でも、喋っていくうちに「でもな……」って弱気になっていく自分もいたりして。あのときの精神状態はけっこう上下してましたねぇ。
    ――格闘技って絶対に勝てる試合なんてないわけだから、「俺は勝てる!」「いや、やっぱりダメかな」という自問自答の繰り返しだったりするでしょうね。
    金原 どんな弱い相手でも1%でも負ける可能性がありますもん。どんなに有利に試合を勧めていても、ゴングに鳴るまでわからないし。
    ――実際に戦ってみて、ここまでクレベルを圧倒できたのは、自分でも驚きだったりするんですか?
    金原 びっくりしてます。周りがびっくりする以上にボクが一番びっくりしてます。「俺、強いやん!」って(笑)。
    ――ハハハハハハ!
    金原 自分の持っているものがクレベルにこんなに通用するんだって。でも、これは終わったから言えることかもしれないですけど、クレベルとは練習で一度、組んだことがあるので。そのときは対戦するなんて1%もないと思っていたんですよ。クレベルはKSWに出ていたし、対戦するイメージもないまま普通に練習してて。でも、クレベルとやったイメージがないってことは、俺がやっつけてた可能性があるなって。やっつけられてたら「コイツ強いな」っていうイメージが残るじゃないですか。
    ――いま振り返ると、練習の時点で行ける感触があったと。
    金原 そうです。でも、クレベルはRIZINに出た当初より明らかに強くなってきてるし、伸びしろという部分でも怖さはありましたよね。
    ――試合前に「付け焼き刃でクレベル対策しても意味がない」と言ってましたけど、金原さんがいままで積み重ねてきたものがあっての勝利だったわけですよね。
    金原 そうですね。一番警戒していたのは三角とバックチョーク。そこは対策をするというよりも、組み手争いをちゃんとやろうと。細かいことをいうならば、いつもボクは脇を差してパスをするんですけど、あんまり脇を差しちゃうと三角が取られやすくなるんですよね。そういうイメージをしながらずっとスパーリングをしてました。
    ――対策はしないけど注意点はいくつかあったと。
    金原 組み手争いの段階でしっかり勝負する。そこでネガティブにならなかったのはけっこう大きいかもしれないですよね。クレベルと向かい合ったときに下がらない、引かない気持ち。技術という土台がちゃんとあれば、気持ちでどうにか立て直すこともできると思うので。もしクレベルの技で圧倒されたとしても弱気にならない。いつか右手を当てれば勝てる……と最後まで信じきれたところはありましたね。
    ――メンタルってやっぱり重要なんですね。相手に流れを持っていかせないのは精神と技術。
    金原 自信と覚悟ですよ。これで負けたらしょうがない。いままでコツコツ20年間やってきて、それは付け焼き刃の練習なんかじゃなくて。それで負けたら、ボクが弱かったよりもクレベルが強かったって褒めるしかない。そういう開き直りの部分もけっこうあったんですよね。だからさっきの脇の差し方とか簡単なミスで負けるのだけはイヤだったんですよ。「なんであそこであんなことしたんだよ」「もっとああしとけばよかったよ」って終わってからダラダラ言うような負け方だけはやめようと。小さなミスで負けるのだけはやめようっていう集中力はちゃんとありましたね。
    ――負け方にもいろいろあるってことですね。負けるにしても納得できる負け方。
    金原 そうですね。自分は「なんであんなことしちゃったんだ……」っていうミスで負けることがいままであったんで。前田吉朗戦やマイケル・マクドナルド戦もそうだったし、それだけはやめようって思いながら。
    ――戦った本人としてクレベルの敗因ってなんだと思います?
    金原 うーん、ボクをナメてたことじゃないですけど。
    ――クレベルはナメてました?13万字・記事14本詰め合わせセットはまだまだ続く
     
  • 追悼“テキサスブロンコ”テリー・ファンク■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」

    2023-10-28 21:06  
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    プロレスラーの壮絶な生き様を語るコラムが大好評! 元『週刊ゴング』編集長小佐野景浩の「プロレス歴史発見」――。今回は追悼“テキサスブロンコ”テリー・ファンクです!

    <1記事から¥100から購入できる連載記事! クリックすると試し読みできます!>
    G1クライマックスに圧倒的な価値観を!ALL TOGETHERに見えたリアルな関係 ■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」
    【永田三冠議論百出】全日本プロレスは大丈夫
    清宮海斗の「顔面蹴り」と「平和ボケ」
    プロレス大賞の選考は毎年難しい
    岩谷麻優vsKAIRI IWGP女子王座の勝負論
    私が愛した“若獅子”アントニオ猪木プロレス界の歌ウマ王は誰だ?
    この旦那にしてこの妻あり!! 天龍源一郎を支えたまき代さん
    頑固一徹! 追悼・ターザン後藤さん
    【サイバーフェス】中嶋勝彦vs遠藤哲哉の張り手事件
    大谷晋二郎選手の試合中の事故について
    『至高の三冠王者 三沢光晴』を書いた理由
    新日本プロレスvsノア対抗戦から見えた個人闘争の炎
    令和の横アリ大実験!新日本vsノア対抗戦
    東京スポーツ新聞社制定プロレス大賞2021
    プロレスと結婚した風間ルミさん
    武田有弘☓小佐野景浩 「これまでのノアと、これからのノア」

    『ゴング』と東スポの元記者が語るプロレスマスコミ黄金時代/小佐野景浩☓寿浦恵一
    【14000字対談】小橋建太☓小佐野景浩「あの頃の全日本プロレスを語ろう」
    北尾はなぜ大成しなかったのか■柴田惣一☓小佐野景浩 マスコミ大御所第2弾柴田惣一☓小佐野景浩 プロレスマスコミ大御所対談「スクープ合戦はガチンコの闘いだった」全日本プロレスの「うっかり八兵衛」が明かす全日本秘話あの日の全日本プロレス、SWSを語ろう■北原光騎×小佐野景浩嗚呼、阿修羅・原……修羅ごときそのレスラー人生!!
    冬木弘道は「俺はやっぱり死ぬんだな」とニヤリと笑った…


    ――今回のテーマは先日お亡くなりになったスーパースター、テリー・ファンクさんです。コメント欄に「懐かしい」という書きこみが出るぐらい“テキサスブロンコ”が遠い時代になってしまいましたが、小佐野さん、よろしくお願いします。
    小佐野 よろしくお願いします。私はテリー・ファンクのことを彼の初来日のときから見てるんですよ。テリーの初来日は1970年だから昭和45年です。
    ――ボクでさえ生まれてないです!(笑)。
    小佐野 私が小学校3年で9歳のときですね。ちなみにいまは62歳です(笑)。
    ――もう50年以上前の話ですね……。
    小佐野 当時のテリーはブロンドヘア。あとあとインタビューしたときに「なんであのときブロンドだったんですか?」って聞いたら「とくに考えもなくブロンドにしてみようかな」と思ったみたいで。それは白髪交じりのおじいちゃんになってからの取材だったから「いまになると黒髪にしたい」と言っていた(笑)。
    ――テリー初来日前の評判はどういうものだったんですか?
    小佐野 そのときはドリー・ファンク・ジュニア2回目の来日でもあったんですよ。NWA世界チャンピオンと兄弟揃って来日するということで、日本プロレスのパンフレットの表紙もファンクスだったし、中にはファンクス物語という読み物がついていて。だからかなり注目されていましたね。
    ――初来日前から評判は高かったということですね
    小佐野 ドリーの初来日はその前年の69年12月。お父さんのドリー・ファンク・シニアがマネージャーとしてついていて、ちょっと悪いことをしたりしてヒールっぽくはあったんだけど、新しい時代の世界チャンピオンとしての期待感があった。そのときにドリーが猪木さんと60分フルタイムドローをやってますね。
    ――猪木さんがベストバウトのひとつに挙げる名勝負ですね。
    小佐野 若き本格的なテクニシャン。あとあと冷静沈着な兄ドリー、やんちゃな弟テリーに色付けされていくんだけどね。
    ――そもそも兄弟揃ってNWA世界王者になるってすごいことですよね。
    小佐野 そこは父親のドリー・ファンク・シニアがちゃんと2人を鍛えてたってことだよね。ドリーはちゃんと大学を卒業してレスラーになったんだけど、テリーもお父さんから「プロレスでどうなるかわかんないから大学を卒業しておけ」と言われたのに、大学4年のときにやめてプロレスの世界に飛び込んじゃった。
    ――ひじょうにテリーらしい(笑)。
    小佐野 テリー本人は子供の頃から「自分はプロレスラーになる」と決めていたから「学校なんかどうでもいいや!」みたいな感じだったんでしょう。
    ――兄弟の性格の分かれ方が最高ですね。
    小佐野 本当に性格は全然違うよね。かといって、ドリーが超貴重面でマジメな人間かいうとまた違うから。時間に超ルーズ。まあテリーもルーズなんだけど(笑)。『月刊ゴング』時代にテリーにインタビューしたんですよ。そのときに私は寝坊して3時間遅刻したんですよ……。
    ――致命的な寝坊(笑)。
    小佐野 「ヤバイ」と思って取材場所のホテルに慌てて向かったら、テリーはさらにその1時間後に起きてきた(笑)。
    ――ハハハハハ! さすがです(笑)。
    小佐野 お互い何事もなかったかのように取材ができたよ(笑)。だから、よくあの兄弟2人がNWA世界チャンピオンとしてスケジュールをこなしてたなって。昔はNWAに加盟しているプロモーターのところをチャンピオンはサーキットして回っていたでしょ。
    ――そこの地区のチャンピオンと戦うわけですよね。
    小佐野 NWA世界王者は年間スケジュールが決まっている。今週はフロリダ、来週はロサンゼルス……時間にルーズなあの2人がちゃんとこなしていたのは、まあまあ不思議だなって。
    ――過酷なサーキットを続けられるスタミナ、精神力、そしてスケジュール管理能力が問われると。
    小佐野 テリー・ファンクはどうしてもドリー・ファンク・ジュニアの弟というイメージが強かったんだけど。彼1人でも全然やれる、日本でトップを取れると誰もが思ったのは、全日本プロレスの旗揚げシリーズに参加したとき。あのときはテリー1人でやってきたんですよ。シリーズ通してのエースはブルーノ・サンマルチノだったんだけど、前半でブルーノと並んでエースを務めたのがテリー・ファンク。テリーはその役目を見事にはたした。全日本の旗揚げということは、要はアマリロ地区のプロモーターだったシニアと全日本が提携して初めてのシリーズ。送り込まれたテリーがエースの役目を務めたことはすごく大きかったと思う。
    ――馬場さんの信頼を得たことでアマリロからの外国人ルートも活発化していったんですね。
    小佐野 たしか後半戦はお父さんのシニアも来てたんだけど、シニアと入れ替わりでテリーはアマリロに帰った。前半戦をテリーに任せていたってことは、お父さんのシニアもテリーを信頼していたってことだね。
    ――日本ではファンクスとしての兄弟コンビのイメージも強いですけど、シングルプレイヤーとしても一流だったということですね。
    小佐野 兄弟揃ってNWAの世界チャンピオンにもなってるわけだしね。しかもお父さんのシニアが亡くなったあとで、後ろ盾がないのにチャンピオンになってるからね。
    ――プロモーターも好き嫌いがあるでしょうから、後ろ盾は必要ってことですね。
    小佐野 各地のプロモーターを前にして、何か後ろ盾がないとチャンピオンとしても大変だったと思うよ。テリーの場合は兄のドリーが後ろ盾なんだろうけど、政治的なものを絡めれば、シニアのほうが存在としては絶対に大きかったわけだから。もちろんレスラーの実力は問われるよ。各地のプロモーターが「コイツがチャンピオンじゃダメだ」と思われたらやっていけないし、「彼がチャンピオンだとお客が入る」と歓迎されないといけないからね。
    ――シングルプレイヤーとしても偉大なレスラーですけど、ボクの子供の頃はザ・ファンクスとしてのイメージが強くて。
    小佐野 そうかもしれないね。シングルマッチで大きな試合が日本であったかっていったら……ドリーなんか常に猪木さんとのシングルマッチが語られるんだけど、全日本時代のテリーはあんまり聞かない。結局日本ではライバルがいなかったよね。ブッチャーとの抗争はすごかったけど、それはまたちょっと違うでしょ。ちょうどいい相手といえば、ジャンボ鶴田になってしまうんだろうけど。ジャンボだとやっぱりキャリアが違うから。
    ――ジャンボ鶴田とは師弟っぽさもありますし。
    小佐野 これもテリーの弟子なんだけど、スタン・ハンセンが新日本から全日本に移籍してきたのはよかったと思うんだよね。まあハンセンの移籍を画策したのはテリー本人なんだけど(笑)。
    ――ファンクスと超獣コンビ(ブルーザー・ブロディ&スタン・ハンセン)の激闘ですね。
    小佐野 ドリーがブロディ、テリーがハンセンと対峙する図式だよね。ハンセンはテリーとシニアにスカウトされてプロレスに入ったんですよ。いわゆる師弟関係なんだけど、いざ全日本のリングに来たらお互いにトップを取り合う。しかもその戦いはかなりすごかった。プロレスの範疇をちょっと超えてるというか……。
    ――一線を超えたプロレスだったと。
    小佐野 これは明らかにビジネスを超えてるだろうと。ハンセンなんかに言わせると、テリーは大学のときから先輩で、日本に来てからも先輩である。この関係を突き崩さないと自分たちはトップに行けない。だったら、あのぐらいやらないと、ファンクスの支配からは解き放たれないという思いがあったんだよね。
    ――精神的な戦いでもあったんですね。
    小佐野 テリーもそこも承知の上。リアルな人間関係があったから、日本のファンが熱狂してくれたというのが2人の共通認識。日本のファンはリングの上でダンスが見たいんじゃないだろう、フィジカルなレスリングが見たいんだろうと。それが俺とスタンのやり方なんだよと言っていた。11000字インタビューはまだまだ続く

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  • UFC☓USADAの提携解消とは何か

    2023-10-23 19:00  
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    ジャン斉藤が語るUFC☓USADAの提携解消とは何かについて(ニコ生配信したものを再編集した記事です)
    【1記事から購入できるバックナンバー】・「佐山先生をUFCの殿堂に!」……川口健次✕朝日昇、青春のシューティング対談!!
    ・【90年代・新日本プロレス編】安田忠夫「リングでやっちゃえば警察は介入できないじゃん」
    ・前田日明を信じ、前田日明に失望したU世代の愛憎■小説家・樋口毅宏


    世界を騒がしているUFCvsUSADA(アメリカ・アンチ・ドーピング機関)の騒動。2015年から続いていた提携が年内で解消されることになりました。その知らせはUFCからではなく、USADAの緊急声明で明らかになったんですが、UFCからUSADAに提携解消が伝えられ、それはまるで汚染された世界に戻りかねないとも受け取ることができる内容。実際に選手や関係者、ファンは「ドーピング天国になるんじゃないか」と懸念する声があがりました。親会社がWWEと合併したことからエンタメ路線に……なんて見方もありますが、いまのWWEはドーピングに対してかなり厳しいですからね。
    前提として、北米のMMAはアスレチック・コミッションにより試合前後の検査が行なわれていますが、USADA提携後のUFCでは抜き打ち検査が実施されるようになり、クリーンな世界を築き上げてきました。今回の騒動は結論からいうと、UFCはUSADAの奇襲にしてやられた感はあります。打ち切りに対する嫌がらせというか……コナー・マクレガーのUSADA検査プログラムの復帰の件がうまく利用されてしまったのです。

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  • 熾烈を極めるWWE(NXT)vsAEWの「火曜テレビ戦争」

    2023-10-23 18:44  
    200pt

    アメリカンプロレスの“現在”を伝える連載! アメリカインディープロレス専門通販「フリーバーズ」(https://store.shopping.yahoo.co.jp/freebirds)を営む中山貴博氏が知られざるエピソードを紹介していきます! 今回のテーマは熾烈を極めるWWE(NXT)vsAEWの「火曜テレビ戦争」です!
    <1記事から買えるバックナンバー>・【バチバチ最終回】臼田勝美「ありがとうバトラーツ」・長井満也「我が青春のスーパータイガージム、シュートボクシング」
    ・G1クライマックスに圧倒的な価値観を!■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」
    ・【月刊FANZA編集長】プロレスとアダルトビデオ■松澤チョロの脱線プロレス

    アメリカンプロレスの歴史は、テレビと共にある。
    WWEとWCWによる「月曜テレビ戦争」、WWE(NXT)とAEWの「水曜テレビ戦争」では、両団体が激しい視聴率戦争を繰りひろげた。
    そして先日、10月10日火曜日には、「火曜テレビ戦争」と題し、WWE(NXT)とAEWが再び雌雄を決することになったのであった。
    『マンデー・ナイト・ウォーズ』は、1995年9月11日から2001年3月26日にかけてアメリカ2大団体のテレビ番組、WWE「マンデー・ナイト・ロウ」(USAネットワーク局)とWCW「マンデー・ナイトロ」(TNT局)の間で、毎週月曜夜のゴールデンタイムの同時間帯に争われたテレビ視聴率戦争だ。ライバル団体両者のぶつかり合いは約5年半もの間、計262回の直接対決を行い、9度の引き分けを含む、WWEが150勝、WCWの103勝と、WCWが消滅するまで続く。メジャー団体両雄による生き残りを賭けた対決が人気を呼び、最盛期には両番組合わせて全米750万世帯を超える視聴者数を記録するなど、アメリカ中にプロレスブームが起きるほどの勢いがあった。
    WCW崩壊後、WWEによる独占状態が続くこと18年、トニー・カーン率いるAEWが旗揚げし、ようやくWWEの対抗馬となり得る団体が現れる。AEWは、2019年10月2日水曜夜8時から、「マンデー・ナイトロ」を放送していたTNT局で生中継番組「ダイナマイト」をスタートさせる。WWEもそれに対抗すべく、WWEネットワークで配信していた「NXT」を、水曜の同時間帯にUSAネットワーク局での生中継2時間番組へと移行させたことで、ここに再び視聴者数戦争が勃発。WWE&USAネットワーク局と、AEW&TNT局による『マンデー・ナイト・ウォーズ』ならぬ、水曜夜8時から10時のプロレスTV番組戦争『ウェンズデー・ナイト・ウォーズ』の火蓋が切られた。

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  • 【7戦全勝】UFC契約まであと1勝!!  原口伸インタビュー

    2023-10-20 11:27  
    200pt
    Road to UFCライト級トーナメント決勝進出!! UFC契約まで1勝と迫った原口伸インタビューです(聞き手/ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】・中村倫也「修斗、レスリング、PRIDEがUFCに連れて行ってくれた」
    ・【ROAD TO UFC!!】鶴屋怜「世界と戦える自信はあります」
    ・DEEPフライ級GP優勝者・福田龍彌インタビュー
    ・【MMAミステリー】牛久絢太郎はなぜ引き込んだのか? ■セコンド横田一則
    ――今日はBRAVE GYM 世田谷での取材ですけど、原口選手のお住まいはこのへんなんですか?
    原口 いや、三郷BRAVEがある三郷のほうなんですけど。今日はロータス世田谷で練習してそのままこっちに来ました。
    ――ロータス世田谷で練習されてるんですね。
    原口 月曜はロータスさんにおじゃまして、そのあとは新宿にある協栄ボクシングで、斎藤裕選手とかも見ているボクシングコーチに教わってます。あとはほとんど三郷でやってますね。
    ――原口選手は7戦全勝で、参戦中のRoad to UFCライト級トーナメント決勝進出。あと1勝でUFCと契約なんですが、Road to UFCではフェザー級を希望してましたよね。いったいどういう経緯でライト級のエントリーなんですか?
    原口 ボクはグラチャンでライト級のチャンピオンですけど、世界と戦ううえでフレーム的にはフェザー級でチャレンジしたかったんです。でも、フェザー級での戦績を持ってないから、というのが理由で「ライト級のほうなら出られる」という話がありました。
    ――第一志望は叶わなかったけど、ライト級で。
    原口 でも、ボクの相手は、みんなウェルター級から落としてきてるんですよね。
    ――あー、Road to UFCは基本的にアジア圏内の企画ですけど、ライト級の選手が集まらなかった。それで原口選手にも……ってこともあるんですかね。
    原口 そういうことなんですかね。
    ――これまでライト級でやってきたとはいえ、ライト級のエントリーは迷いました?
    原口 最初は……30分くらい迷って。
    ――30分って「迷った」に入るんですかね(笑)。
    原口 ハハハハハ。寝起きでそのLINEを見て「えっ、ライトかあ」と。GRACHAN代表の岩崎代表、BRAVEの宮田(和幸)先生やマネジメントの前田桂さんにも相談して。もし来年もRoad to UFCをやるとなったときのためじゃないですけど……。
    ――何かしら接点を作って来年フェザー級でエントリーできるようにしておこうと?
    原口 そういう感じですね。そういった意味でもライト級でとりあえず勝負してみようという話になりました。でも、決勝まで来たら絶対に契約を勝ち取ろうと。
    ――そもそも自信がないとやらないですよね。
    原口 ライト級だからとか、そんなネガティブな感情はまったくなくて。そのときボクが思ったのは、アジア圏内のライト級で勝てなかったら世界のフェザーで勝てねえだろうって。世界になると、みんな身体がでっかいじゃないですか。
    ――同階級でも1階級違ってくる感じがありますね。
    原口 だから「ライト級で勝負できなきゃダメでしょ」って意外とポジティブになりましたね。
    ――アジアのライト級を突破しないと世界のフェザーで戦えないと。優勝してUFCと契約できた場合、ライトでやるんですか?
    原口 最低でも1試合ライトで……やりたくないですけど(苦笑)。
    ――正直やりたくないですよね(笑)。決勝まで進出できたのは想定内でした?
    原口 周りの人にはわりと「行けるっしょ」みたいに言われてて。自分の中では「えっ、そんな感じなの?」って思いながらも、なんやかんやで勝ち続けて、とりあえず決勝まで来たなって。
    ――周囲ほどの自信はなかったと。
    原口 やっぱりライト級だし、厳しい戦いになるのは間違いないって思ってました。
    ――階級が違うことで、いままでの試合とは戦略を変えたところはありましたか?
    原口 そうですね。宮田先生とも話をして、どんなに試合がしょっぱくても、つまらなくなってもいい。トーナメントだから勝たないと意味がないからと言われて。そこは空気を読まずに徹底して意識してます(笑)。
    ――日本のときは「魅せてやろう!!」という気持ちはあったんですか?
    原口 そういう気持ちはないですけど、日本では「パウンドで絶対に終わらせてやる」って感じですね。でも、今回は「どんなかたちでも勝とう」と。ボクだったらレスリング100%を全面に出した戦い方に振り切ってます。
    ――レスリング天皇杯優勝者の武器をフルで使うと。KOできる瞬間があるかもしれないですけど、そこに1%でもリスクあるんだったら選択しないってことですね。
    原口 そっちですね。まずは相手を立たせない。それに今回はいきなり対戦相手が変わったこともあって……。
    ――本来の対戦相手が体重超過で、ワンマッチを行う予定だった選手がエントリーして。
    原口 試合直前に相手が変わるのは初めてのケースでした。いつもは「殺してやる!」くらいの気持ちが出てくるんですけど、今回は「……やるか」みたいな感じで。相手が変わって気持ちが落ちた部分が影響したのかなと。
    ――気持ちが切れちゃうと、もう一度、火をつけるのは難しいんですね。
    原口 ちょっと苦労しましたね。いま思えばいい経験になりました。
    ――準決勝はほぼグランドコントロールをして判定勝ちでしたが、1者「30-27」で2者「29-28」でした。2者は2ラウンド目を相手に付けてましたが、あのジャッジはどう思いました?
    原口 ジムの人も「あれ、なんで取られたの?」って聞いてきて。ボクもいまいちピンとは来てないんですけど、ケージに押し込んだときに頭にヒジをもらったのと、スタンドでミドルを蹴られたけど、しっかりブロックしたし。よくわからないですね、なんで取られたのか。
    ――いまのMMAは抑え込んでるだけではポイントがつかないですから、コントロールしてても怖いですよね。
    原口 ホントそうですね。どんなに抑えこんでいても、一発いいのをポーンってもらったら効いてなくても相手につくのかなって考えたりしました。
    ――グラップラーとしてやりづらい時代。
    原口 どこの団体もそうなってきてる気がしますね。ジャッジの結果を見てもダメージを優先するようになってきてるのかなと。
    ――トーナメントだからこそ手堅く攻めなきゃいけないところもありますが、同日のフェザー級トーナメント準決勝で判定負けした神田コウヤ選手の試合はごらんになりました?
    原口 アップをしながらモニターをチラチラと見てたくらいだったんですけど、サークリングしながら要所要所で打撃を当てて……という感じですよね。
    ――ひじょうに難しい判定でしたね。
    原口 神田選手が勝ったと思いました?
    ――うーん……もしAIがジャッジしていたら神田選手の勝ちかもですけど、人間の心理として神田選手につけづらいんじゃないかなって気はしました。
    原口 あー、なるほど。対戦相手の中国人が前に出てるから、神田選手が逃げているように捉えられても仕方ないですよね。そこには人間心理が入ってきますよね。
    ――判定が難しい時代ですが、決勝戦はどんなかたちでも勝ちに行くという感じですよね。
    原口 まず前回の試合は反省点がありすぎて。寝かせても立たせすぎだったので、勝ったあとに過去最高に嬉しくなかったです。「もっとやれるはずなのに」っていう感覚があって、勝ったことにはホッとしたんですけど、勝ったあとに湧き出てくる嬉しさが一切なくて。
    ――勝ちきった感がないというか。
    原口 そこはフィニッシュできなかったところもありますし、スタンドの打撃もオーバーフックで一発当てたんですよ。打ち合いで倒せたわけではないんですけど、もうちょっとビビらずに打撃で作れたんじゃないかなって。自分が思っている以上にビビってしまっているところがあったんです。その反省を決勝で活かしたいですね。
    ――ここで勝っても、UFC本戦ではこのままじゃいけない……と先を見据えているもあるんですか?
    原口 ああ、めちゃくちゃありますね。前日の中村倫也選手の試合を見ても、完成度の高さが……。
    ――前日は同じシンガポールの会場でUFCがありましたね。
    原口 中村選手の引き出しの多さ。仕留められなかったけど、UFCでもランキングに入るんだろうなって思わせる戦い方。自分ももっと奥行きのあるMMAをしなきゃいけないなって。倒してパウンド、倒してパウンドだけじゃなくて……自分なりの理想はあります。
    ――UFCと契約するのがゴールじゃなくて、UFCで生き残っていくためにどうするかってことですね。1回戦の開催場所は上海でしたけど、前後にUFCがなかったんですよね。<続きは会員ページへ>
    いま入会すれば読める10月更新記事…続々更新中!!・金原正徳インタビュー「みんなもっとMMAの練習をしよう!」・RIZIN44とLANDMARK名古屋を語ろう■笹原圭一 ・佐藤将光センターラインな12000字インタビュー・至近距離から見たクレベル・コイケvs金原正徳■八隅孝平・万智がいろんな意味でヤバイ! インタビュー https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/202310

     
  • 評判の悪い映画『アントニオ猪木をさがして』について

    2023-10-17 12:13  
    200pt
    ジャン斉藤が語る映画『アントニオ猪木をさがして』について(ニコ生配信したものを再編集した記事です)
    【1記事から購入できるバックナンバー】・「怒りとプロレス」……中邑真輔、アントニオ猪木を語る
    ・猪木さんは「おまえ、俺のことを信用してねえだろ」と……鈴木秀樹インタビュー・元娘婿サイモン・ケリーが語るアントニオ猪木「倍賞美津子さんのサプライズは……」
    ・“最後の側近”甘井もとゆきが語るアントニオ猪木&ズッコ夫妻


    『アントニオ猪木をさがして』は評判の悪さもあって気乗りしなかったんですよ。登場人物や構成を聞くにつれ、見たら絶対に文句を言うだろうな……って。そもそも猪木さんのプロレスラー人生が2時間程度で収まるわけないから「アントニオ猪木がちゃんと描かれていない!!」って文句を言いたくなるに決まってる。最初から愚痴る気満々モードで見に行ったんですけども……まあ、これはこれで面白かったんですよ。いい映画です!
    ただ、「こんな内容、納得いかない!」って怒る人もいるのはわからないでもないんです。ボクが考えるにこの映画を批判する人は2000年代以前の猪木さん、要するに70年代から90年代にかけてのアントニオ猪木に魅了された人たちで。逆に2000年代以降のプロレスをこんにちまで見続けたファン、それは棚橋弘至や中邑真輔、オカダ・カズチカなんかを通して暗黒時代を潜り抜けてきた人はそれなりに見られたんじゃないかなと。だからって前者は「プロレスファンとしてダメ」とか「いまのプロレスをわかってない」ということじゃなくて。昭和の猪木ファンにとって2000年代以降は「失われた20年」だったと思うんですね。
    以前の配信でも触れたんですけど、名だたる文化人が寄稿した『アントニオ猪木は何だったか』という本は、基本的にデビューから引退するまでの猪木さんを綴ったもので、引退以降「プロレスファンからホントに嫌われたアントニオ猪木」の匂いがまるでしないんですね。あの頃、現場介入を繰り返して新日本をめちゃくちゃにしてプロレスファンから邪魔者扱いされた悪のオーナー猪木の姿は確実にあった。2000年代以降の猪木さんってすごく語りづらいから、どうしても昭和の猪木を求めるし、そこが焦点ではない『アントニオ猪木をさがして』には当然文句は出るんだろうなと。ボクも上映開始前は「ちゃんと満足させられるのか?」ぐらいのスタンスだったし、映画の構成自体は酷いなって思いました。それは詰め込むものが多すぎて、そうなっちゃったのかもしれないんですけど。
    福山雅治のナレーションの起用に関しても批判があるんですけど。福山雅治と猪木さんの接点は映画の最後に明かされるんですが、ラジオでときおりプロレスの話題が出てくるし、2020年にはB’zの稲葉浩志と重度のUFCマニア対談をしている。じつは2010年代にUFCが日本進出するもまったく客が入らなかった頃にも両者はUFCをテーマに対談をやってるんですよ。あの時期にわざわざPRに協力するってホントの格闘技好きだし、2人とも「猪木発UWF経由PRIDE、終点UFC」という王道ルート。だから安心感はあったし、福山雅治の声があることで猪木さんの映画にふさわしいメジャー感が出たと思うんですよね。こうして始まった映画ですが、最初のブラジル移民編がものすごく泣けるんです。当時の猪木さんをよく知る日本人関係者が共に過ごしたサンパウロの市場や農園を訪ね歩く。あの頃を懐かしむ姿から、青年時代の猪木さんが浮かび上がってくるようで……。ただ、そこから雲行きがどんどん怪しくなってくるんですよ。


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  • 長井満也インタビュー「いつのまにか解散してしまった新生UWF」

    2023-10-15 10:08  
    200pt

    UWFやリングス、K-1まで、様々なリングで戦ってきた長井満也インタビューシリーズ第3弾!  今回は新生UWF解散編です (聞き手/ジャン斉藤)



    長井満也インタビューシリーズ
    ①「我が青春のスーパータイガージム、シュートボクシング」②地獄の新生UWF新弟子

    ――いろいろと衝撃的だった前回に引き続き、新生UWFの新弟子時代のお話をうかがいます!
    長井 今回は楽しい話をしたいですね(苦笑)。
    ――ハハハハハハハ! 前回聞けなかった先輩レスラーとの関係なんですが、高田(延彦)さんとはどうだったんですか?
    長井 飲みに連れてってもらったのは高田さんが一番多かったですね。
    ――高田さんってどの時代もお酒でコミュニケーションを取っていますよね。
    長井 ただ、私は基本的にお酒は飲めないんですよね。見てくれは、すごい飲めそうなんですけど(苦笑)。高田さんって交友関係がものすごい広いじゃないですか。「今日はこの知り合い」「明日はこのレスラー仲間」って飲む機会が多かったんでしょうね。高田さんは当時は力士の寺尾さんや益荒男さんと交友があって、寺尾さんたちは同じ部屋の若い衆を連れて来られるから、高田さんも道場の新弟子を連れていってくれたんですよ。
    ――下戸の長井さんは無理やり飲むんですか?
    長井 はい。いまの若い子たちは「飲めません」って言えるらしいんですよね。私の時代は拒否することはできなかったので、もう無理して飲んでました。あるとき高田さんと寺尾さんがそれぞれ若い子を連れて六本木で飲んでたんですよ。私は案の定、潰れて寝てたんですね。パッと目を覚ましたら高田さんと寺尾さんの2人に両脇を支えられながら、六本木の街を歩いてるんですよね(笑)。
    ――すごい絵!(笑)。
    長井 潰れたまま次のお店に連れて行かれたんです。次のお店でもずっと寝てたんですけど、目を覚ましたら目の前にアニマル浜口さんがいたことがありますね。慌てて起き上がって挨拶したんですけど(笑)。
    ――高田さんって酔っ払うと面白いですよね。そのときの姿が引退後の芸能活動に活かされてるんだなって。
    長井 面白いですけど、酔っ払ってても私たち新弟子から喋りかけれないような存在だったので。のちに結婚をなさる向井亜紀さんも飲みの席に来られてたこともあったんですけど。あるとき新弟子が逃げたことがあったら、私と冨宅(飛駈)くん、垣原(賢人)くん が落ち込んでいるだろうからってことで、向井さんが「今日は高田さん抜きで3人を六本木で接待してあげる」と。
    ――向井亜紀の会が!
    長井 六本木の高級なお店に連れていってくださって、さすが芸能人はすごいなって。そのあとクラブというか、ディスコみたいなところにも行ったんですよ。でも、ボクらは新弟子だから坊主頭だし、服装もオシャレではないですよね。お店のドレスコードで「坊主はちょっと……」って断られたら、向井さんが持ってたバッグを床に叩きつけて「差別だ!」と怒りだしたんです。
    ――すごくいい話です!
    長井 「今日は高田さんを呼ばない」と言ってたんですけど、怒った向井さんは高田さんに電話しちゃって、結局高田さんもやってきたことがありましたね。いい思い出ですよ。ボクら3人はべつにディスコに入りたいわけでもないんですけど、向井さんに「怒らないでください」とも言えないですし。できることといえば、向井さんが叩きつけたカバンを拾うくらいで(笑)。向井さんもは相撲部屋の女将さんじゃないけど、そういうような感じで私たちに接してくれてましたね。
    ――長井さんが付き人をやっていたこともある前田さんとは飲みに行かれたことはあったんですか?
    長井 いま思えば前田さんから電話がかかってきて「長井、飲みに行くぞ」と誘われたことはなかったような気がしますね。前田さん、山崎(一夫)さんはなかったです。船木(誠勝)さん、鈴木(みのる)さんも飲みに行く感じはなかったですね。行くのは高田さん、あと安生(洋二)さんかな。
    ――新生UWFの中でも一匹狼だった中野(龍雄)さんはどうだったんですか?
    長井 あー、中野さんは後輩思いの方ですね。前回も言ったんですけど、私が入った寮が宮戸(優光)さんチームで、中野さんがいらした寮は冨宅くんや垣原くんだったんですよね。私と中野さんの接点は道場ぐらいで、中野さんのエピソードは冨宅くんや垣原くんのほうがめちゃくちゃあると思いますけど。中野さんって見た感じは武骨で不器用そうじゃないですか。その反面と言ったらすごい失礼ですけど、すごく優しいところがあって、いま思えば面倒見がすごくよかったと思うんですよね。
    ――道場外でもお世話になったんですか?
    長井 そうですね。中野さんが治療院に行くから「長井、オマエも一緒に行こう」って連れてってくれたことがあったり。「治療してもらうんだから失礼がないように、ちゃんとシャワーを浴びてこいよ」とマナーを教えてくれて、当時の中野さんの愛車フェラーリZで連れて行ってもらったんです。で、中野さんは「長井! オマエ、いまはどういう歌が流行ってるのか知ってるか?そのカセットを入れてみろ」と。男っぽい歌かと思ったらプリプリ(プリンセス プリンセス)の曲が流れてきました(笑)。
    ――♪ダイヤモンドだねーと(笑)。☆愛すべき漢・中野龍雄さん
    ☆藤原喜明の取り合い
    ☆首の骨を折った瞬間…
    ☆壮絶な手術&リハビリ
    ☆山本宜久がいなかったら潰されていた
    ☆いつのまにか解散していた新生UWF
    ☆前田日明と一緒に藤原喜明の家に行ったが…1万字インタビューは会員ページへ続く
     
  • RIZIN44とLANDMARK名古屋を語ろう■笹原圭一

    2023-10-11 17:00  
    200pt

    大会後恒例の笹原圭一RIZIN広報インタビューです。今回はRIZIN44とLANDMARK名古屋を14000字で振り返ります(聞き手/ジャン斉藤)

    【1記事から購入できるバックナンバー】・それでも乗りたい「苦役列車RIZIN」■笹原圭一の超RIZIN2感想・ヴガール・ケラモフ「憧れだったPRIDEの続きができて夢のようだよ」・三崎和雄が“家族”としてクレベル・コイケを支える理由

    ――笹原さん!RIZIN44たまアリ、LANDMARK名古屋の連戦おつかれさまでした!笹原 もうトラブルがてんこ盛りで何が起こったのか思い出せないですよ。RIZINガールと世界進出のミーティングをして叩かれたのってボクでしたっけ?
    ――それは別の人の話ですよ! 
    笹原 1週間挟んで2大会ですから、まぁ大変なのはわかっていましたけど、今回は選手のケガ含めて想定外のことが多過ぎてホントに大変でした。だって名古屋大会の前々日の深夜2時ごろにクレベルを口説いてましたからね(笑)。
    ――ワハハハハハ。混乱具合が目に浮かびます。ところで今回はいろいろとトピックスがありすぎて、どこから話していいかわからないですが。難しい判定の試合が多かった印象ですね。
    笹原 ああ、判定は難しかったですね。とくに名古屋。太田忍vs佐藤将光、中村優作vsヒロヤ、渡辺彩華 vs万智もスプリットで割れてましたが、どっちが勝ってもおかしくない内容でしたね。
    ――SNSを眺めていて思ったのは、これが2~3年前だったら「こんな判定はおかしい!」ってことで陰謀論的に炎上したのかなと。いまは「難しい判定=おかしな判定ではない」とMMAの見方が整ってきてますね。
    笹原 そこはファンの見る目がやしなわれてきたってことですよね。
    ――選択として「どっちの勝ちもありえる判定」はその後の検討は必要だけど、いちがいに批判するものではないという。
    笹原 RIZINのジャッジはJMOCにお願いしてるんですが、ボクが常々彼らに「2-1ではダメ。ジャッジは3-0を目指せ」って言っているんです。現実的には今回みたいに割れることは当然ありますけど、あくまで理想は3名が同じ基準で評価すれば結果は同じになる、まずはそれを目指してほしいってことです。
    ――なかなかハードルが高いですが、そういう心構えをで取り組むことが大切だってことですよね。
    笹原 そうです。「今回は難しかったよね。2-1でもしょうがない」ではジャッジの質は向上しない。反省し修正し、常に最新・最良の判断を下せるようにしていかなくちゃいけない。
    ――たとえばオリンピックの体操みたいな審査競技でも点数にばらつきがありますし、見る場所によっても見え方が変わってきたり。
    笹原 これはRIZINだけじゃなくて他団体にも言えることですが、ジャッジが会場の雰囲気に惑わされることってあると思うんですよ。
    ――憎たらしくて強いベテランに新人が健闘したら、会場も新人への声援が大きくて判官贔屓で新人につけたくなるみたいなことですよね。
    笹原 そうそう。今回も中村優作vsヒロヤは会場の雰囲気的にはヒロヤに入ってもおかしくなかったですが、その空気に惑わされずに冷静に判断ができていたと思います。
    ――どのジャンルのオーディンスジャッジも雰囲気に惑わされることってありますよね。
    笹原 ハッスルで小川直也vs川田利明の三本勝負で途中まで1対1の同点で、最後に観客がどちらかに投票する「観客ジャッジシステム」ってガチンコでやってみたら、川田さんが圧勝してオーちゃんが落ち込んだみたいな話ですよ!
    ――全然違ううえに、昔の話すぎて誰もわかりませんよ! あのあと「こんな結果になるなんて話が違う!」みたいな感じで小川直也がハッスル運営サイドに不信感を持ち始めたのはいい話なんですけど。
    笹原  たとえば最近だとブレイクについても、「ポジションをキープしてるだけで、ゴールつまりフィニッシュに向かわない場合は積極的にブレイクしましょう」というプロトコルが、北米のボクシング・MMAを管理するABC(Association of Boxing Commissions and Combative Sports)でも採択されたんです。なのでRIZINやUFCでもこの潮流に沿ったレフェリングがされていくと思います。
    ――「10-8を積極的につけよう」運動のときも、最初は程度がわからないから躊躇していた感じがありましたけど、それってルール変更でもないから、アナウンスするものでもないし、オーディエンスの受け止め方も難しいですね。
    笹原  いまだと10-8もある種の揺り戻しがあって、当初はユニファイドでいうダメージ、ドミナンス、デュレイションの「3D」のうち二つを取れば10-8にしましょうってことだったんですけど、少し変わったんです。
    ――どんなふうに変わったんですか?
    笹原 ドミナンスとデュレイションの2つを取っているだけでは10-8はつかないようになってきています。つまりダメージともうひとつを取らないと10-8はつかないってことなんですね。 
    ――ダメージだけ、ドミナンスだけだった場合は10-9になると。
    笹原 そうです。このこともいろいろな試行錯誤があってようやくルールに明文化されるんですよ。なのでルールに明文化されている以外のところがじつは大切なんですよね。そこはUFCのユニファイドルールも同じです。MMAのジャッジやレフェリーが現場で実際にルール運用して感じたことが積み重なって「こういう状態になったらブレイクしたほうがいいよね」という判断に繋がっていくんです。
    ――そうやってMMAのジャッジは形が変わっていくんでしょうね。
    笹原 だから今後はもっとブレイクが多くなっていくと思います。たとえば牛久絢太郎vs朝倉未来のときは3回ブレイクが出ているんです。しかもブレイクのタイミングがどんどん早まっているんですけど、それって同じ攻防を繰り返せば展開が見えるからブレイクのタイミングは早くなるのが正しいレフェリングなんです。ボクの質問指名リストでNGになっているジョビンさんが「ブレイクのタイミングが同じじゃないのはおかしい!」とお叱りの声を挙げていましたが(笑)。
    ――ハハハハハハ! どうしてもブレイクって「スタンド再開することで、ポジションが下の選手を有利にしようとしてるんじゃないか」という陰謀論が出てきちゃうんですよね。あとよく言われるのがRIZINはトータルマストだから判定がおかしくなる説ですけど、これはもうラウンドマストでも難しい判定は腐るほどあるんですよね。
    笹原 そうです。RIZINのトータルマストで微妙な判定になると、すぐに「やっぱりラウンドマストにすべきだ!」みたいな声が上がるんですが、そんな単純な話ではないです。
    ――ただ、ボクがRIZINはトータルマストをやめたほうがいいなと思うのは、どのジャッジが3段階の評価をどうやってつけたかを明らかにするじゃないですか。ラウンドマストだと「このラウンドはどっちにつけたのか」だけなんですが、RIZINの場合だと3段階の評価が可視化される。それはそれでいいことなんですけど、良くも悪くも議論になりがちで変な誤解を招くことにもなるのかなと。トータルマストの長所のひとつは最後まで勝負はわからないことですが、いまはラウンドマストでもジャッジがどう転ぶかわからないので露骨に試合を流す行為って減ってるし、JMOCは優秀だからラウンドマストでも充分に運営できるんじゃないかと。
    笹原 たしかに可視化されることの長所・短所はありますね。その点も踏まえてあまり詳しくはいえないんですけど、ジャッジシステムを改良しようかって話もあるんですよ。
    ――10点方式・ラウンドマストにするってことですか?
    笹原  いいえ。それとも全然違う採点方法です。これが採用されたら全米震撼!....…みたいなことはないな(笑)。まぁでもユニークのやり方だと思います。
    ――ハハハハハハハ! ドタバタしていたわりには2大会とも面白かったですけど、まずRIZIN.44ではクレベルが金原正徳に負けちゃいました。
    笹原  2023年に戦極のチャンピオンがRIZINのリングで躍動しているなんて、誰も想像できなかったですよね(笑)。
    ――松澤チョロさんが考案して実際のリング上でお披露目もされたけど、まったく流行らなかった「戦極ポーズ」も浮かばれますよ! 「イチ、ジュウ、ヒャク、センゴク、センゴク!」
    笹原(無視して)クレベル戦も数ヵ月前までありえなかったですし、金原選手は運を引き寄せたうえで結果を出せる実力があったということですよね。まず6月の北海道大会の鈴木千裕戦でクレベルが体重オーバーして王座剥奪になりましたけど、それがなかったら、クレベルはチャンピオンとしてケラモフを迎え撃っていたはずですし。・当初は◯◯戦で金原正徳を説得した
    ・泣き出したクレベルのマネージャー
    ・大暴れの鈴木千裕を見たアゼルバイジャンのお偉いさんの反応
    ・摩嶋一整の体重超過の件
    ・来年GPをやるなら◯◯か△△
    ・朝倉海vs皇治劇場の全貌
    ・幻の朝倉海vsクレベルの立ち技ルールはヒジあり?
    ・予告された「腰を抜かす」発表は?……などなど16000字インタビューは会員ページへ続く
    いま入会すれば読める10月更新記事…続々更新中!!・金原正徳インタビュー「みんなもっとMMAの練習をしよう!」・佐藤将光センターラインな12000字インタビュー・至近距離から見たクレベル・コイケvs金原正徳■八隅孝平・万智がいろんな意味でヤバイ! インタビュー https://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/202310
     
  • 万智がいろんな意味でヤバイ! 女子格NEXTスターインタビュー

    2023-10-11 12:33  
    200pt
    RIZINデビュー戦を勝利で飾った万智インタビューです!(聞き手/ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】・パク・シウ「大人になってもMMAなんて一切知らなかった」
    ・東陽子「子供と格闘技のために悪いこと以外はなんでもやった!」
    ・【アーセン戦!】DEEPフライ級GP優勝者・福田龍彌インタビュー
    ・RIZINのテーピングが悪いのか?■笹原圭一RIZIN広報
    ――万智選手の話を聞きたくて宇都宮までやってきました!
    万智 ありがとうございます!
    ――万智選手は栃木のご実家暮らしなんですよね?
    万智 そうです。宇都宮から東京や千葉とか、いろんなところに練習に行ってますね。
    ――行き来が面倒だから、東京に出ようと思わないんですか? 
    万智 東京に出たいとは思うんですけど……家が楽なので(笑)。まず、ごはんがつくれないです。
    ――ごはんがつくれない!?(笑)。
    万智 あっ、洗濯はできるんですけどね!
    ――洗濯なら、生活能力がポンコツのボクだってできますよ!
    万智 ワハハハハ!
    ――つまり、お母さんが生活面をサポートしているということなんですかね。
    万智 そうですね。実家なら衣食住、全部揃ってますし。
    ――じゃあ、東京に出るんだったらお母さんと一緒にいないとダメって感じですね。
    万智 いや、出るなら自分ひとりで出ます! じつはいま、妹が中3で高校では寮に入るんですよね。それを考えたら自分も自立しないとなって……。
    ――ちなみに、拠点はここ67ジムですが、そのほかはどういうスケジュールで練習されているんですか?
    万智 火曜日はパラエストラ柏に行って……。電車で2時間ぐらい。やっぱり千葉が一番遠いんですよねえ。時間もかかるし乗り換えも多くて。柏に行ったあとは、時々クロスフィットに行って宇都宮に帰ってきて。で、木曜日は東中野のトイカツ道場です。
    ――東中野も行くのが大変そうです。
    万智 そこは1時間半ちょいかな。金曜日はそのまま泊まってお昼ぐらいに帰ってきて。土曜日の朝に松戸に行きます。でも、それがきつくて……朝4時に起きないといけないんですよ。
    ――朝4時じゃないと朝練に間に合わない。
    万智 始発に乗って、寝ぼけながら2回ぐらい乗り換えして松戸に。そのあとは世田谷のIGLOOに行きます。そういう生活を1年半から2年ぐらい続けてますね。
    ――交通費もけっこうかかりますよね?
    万智 10~12万ぐらいかな? 
    ――だったら東京に部屋を借りたほうが早くないですか?
    万智 ただ、行ってるところが全部バラバラなんで、どこに住むのか問題もあって……こっちでの練習も少なくはないんで、難しいところなんですよ。
    ――いまの練習環境にはとりあえず満足してるということなんですね。
    万智 なんとかやりこなせているって感じですね。移動時間も本当は寝たいんですけど、アドレナリンが出て寝られなくて。行きは寝られるんですけど、帰りや練習と練習のあいだもアドレナリンが出て寝られない。家に帰るときも満員電車とかで座らないんです。
    ――それはキツいですねぇ。
    万智 でも、こっちは女子の選手は誰もいないんで。柏に行くと(浅倉)カンナちゃんとか、自分と同い年の子も2人いるんですよね。トイカツ道場も藤野(恵美)さん、サラミさん、あと端(貴代)さん。こっちは男の選手ばかりで、手塚(裕之)さんとかとやるから。
    ――手塚さんはウェルター級だからだいぶ体格差がありますね。
    万智 手塚さんとの練習は筋トレだと思ってやってます(笑)。
    ――その努力の甲斐あって、DEEPジュエルスで3連勝して、先日のRIZIN名古屋大会に初出場。というか、ここからだと名古屋も遠いですよね(笑)。
    万智 遠かったです(笑)。東京に着いて「やっと帰ってきた!」という感じがしたんですけど、そこからもう1回頑張って宇都宮まで帰らないといけなかったから疲れちゃいました。でも、出場できたことはうれしくて!
    ――それはよかったです。渡辺彩華戦でのスプリットの判定勝ちはどう受け止めたんですか?
    万智 いやあ、RIZINは「ダメージ」を取るみたいなのが自分の頭の中であったんで、打撃をもらってた気がしたから「大丈夫かな……」と。判定で相手に一個入ったときに「やっぱりダメージを取られていたのかな」と思いました。
    ――あれで「ダメージ」の評価を取られたと思いました?
    万智 うーん、というか「ダメージ」の意味がわからなくて、ホントに物覚えが悪くて……1回身体で飲み込まないとわからないですよね。
    コーチの梅田恒介 身体で覚えるタイプだから。弥益(ドミネーター聡志)さんも困ったもんだと思ってますよ。
    ――弥益さんはセコンドに付かれてれてましたし、梅田さんと一緒に万智選手の練習も見ているわけですね。
    万智 ドミさんは言葉が難しいんですよお。でも、私がわからない顔してると、どんどん簡単に説明してくれるんです。最初の言葉とか、なんか辞書に載ってそうな言葉ばっかりで。
    ――ドミさんは筑波大学大学院出身だからとはいえ、そこまで難しいことは言ってないと思いますけど(笑)。たとえばどんな言葉ですかね?
    万智 最近は「スクランブル」の意味がわかんなかったです!
    ――スクランブルから勉強!(笑)。ちなみに、スクランブルってどういう意味だと思ったんですか?
    万智 まったくわからない。ピンともこない。自分がスポンサーについてもらってるウエアの名前に似てるなーとは思ったんですけど。
    ――ハハハハハハハ。
    万智 でも、スクランブルは「混ぜる」みたいな? そっからゴチャゴチャしてる……これがスクランブルみたいな!
    ――たしかにMMA用語としてのスクランブルは最初はわからないですよね。あとは何かわからなかったことってあります?
    万智 PDF。
    ――それは格闘技と関係ないですよ!(笑)。
    万智 なんか書類をPDFにするってやり方がまったくわからなくて。
    ――なぜPDFを覚える必要があったんですか?
    梅田 RIZINの人に書類を送らないといけなくて。弥益が「これPDFにして送ったほうが楽だよ」と。そうしたら「……PDFってなんですか?」と始まって(笑)。
    万智 結局ドミさんが全部やってくれました!
    ――東京にはお母さんと弥益さんと一緒に住むしかない! もしくは弥益さんの家に居候ですよ。
    万智 いまも充分お世話になってます(笑)。
    梅田 器用じゃないから。昔の茨城のおじさんに似たタイプですよね。川尻(達也)とか石田(光洋)とか。愚直タイプですよ。
    ――川尻達也が聞いたら「PDFくらいは知ってます!」って怒りそうですけど(笑)。
    万智 だから、周りの人たちが凄く私を守ってくれてます。だから何も知らないです。格闘技界の悪いこととか、この業界の黒いこととか!
    ――何か黒いことがあるみたいな言い方ですけども!(笑)。
    梅田 最近はようやく水を飲むことを覚えたからね。とにかく水を飲めって。
    万智 それまではオレンジジュースでした。
    ――だからRIZINの判定基準もボンヤリしていたと。
    万智 はい。「ダメージ」というのは「効いてるか、効いてないか」というのをあとから知って、それじゃ全然大丈夫じゃんって。正直、D(ダメージ)とか、A(アグレッシブネス)とか全然わからないんです。とにかく勝てればいいや!!って。
    梅田 ……まあ、まだデビューして1年も経ってないですからね(笑)。
    ――こんな感じでここまで這い上がってきたんだから、逆に末恐ろしいです!(笑)。試合前に思い描いていたような戦いはできたと思いました?末恐ろしい13000字インタビューはまだまだ続く!

    この続きと金原正徳、佐藤将光、長井満也、万智、猪木映画…などの10月バックナンバー記事が600円(税込み)でまとめて読める「13万字・記事14本」の詰め合わせセットはコチラ 
     
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  • 【RIZIN初参戦】佐藤将光センターラインな12000字インタビュー

    2023-10-07 10:15  
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    ショートノーティスでRIZIN初参戦!太田忍を下した佐藤将光12000字インタビューです!(聞き手/ジャン斉藤)【1記事から購入できるバックナンバー】・計量問題を考える/アイポークの現場で起きたこと■シュウ・ヒラタのMMAマシンガントーク
    ・【アーセン戦!】DEEPフライ級GP優勝者・福田龍彌インタビュー
    ・斎藤裕、石渡伸太郎が生き抜いた“冬の時代”のマネジメント術■遠藤正吾【22000字】
    ・三崎和雄が“家族”としてクレベル・コイケを支える理由
    ――「ニワカを見分けるセンターライン」というマイクが最高だった佐藤将光選手なんですけど、いまや伝説になっている狛江時代の坂口道場に通っていたりとマニアにも知られていない話もいっぱいありますよね。あのときの坂口道場って日本初のメガジムだったじゃないですか。
    将光 ああ、たしかにメガジムでしたね(笑)。2階がレスリング場で、1階に柔道場、ウェイトエリアもあったりしてホントにデカかったです。
    ――ボクはあの付近に住んでいたからわかるんですが、あんな辺鄙なところで家賃100万円だったという話もあるほどだから、相当広かったということですよね。気になったのは将光選手は明治大学の生田キャンパスに通っていたから、小田急線沿いの坂口道場に行くのはわかるんですが、当時有名だった田村潔司のU-FILE CAMPを選ばなかったのが不思議で。
    将光 たしかに登戸にU-FILE CAMPがありましたもんね。いや、当時のボクはね、格闘技の情報に疎くて。坂口道場もプロレスとかそういうところから入ったわけじゃなくて、なんとなく格闘技をやりたいなっていう感じで。それまで住んでいた目黒から大学に通うために向ヶ丘遊園で一人暮らし始めたんですけど、引っ越す前にテレビを見てたんです。そうしたら『アド街』(『出没!アド街ック天国』)の特集が狛江かなんかで……。
    ――『アド街』がきっかけで坂口道場を?(笑)。
    将光 そうそう。そこに坂口道場が出てきて「向ヶ丘遊園から近いじゃん、格闘技ができる」と。あのとき『アド街』を見てなかったらU-FILE CAMPに通っていたかもしれないですね(笑)。
    ――初っ端から「ニワカを見分けるセンターライン」な取材になってます! そんな話を含めながら、今回のRIZIN参戦も振り返っていただきたいんですけど。今回太田忍戦の緊急オファーがあったときはどう思われました?
    将光 まあ、さすがに急だなと思いましたよ。太田忍ということは井上直樹選手はケガしたんだなと。まあ実際は病気だったんですけど、ボクは前戦も2週間前のオファーだったんですよね。また緊急かと(苦笑)。
    ――今年1月のONEキム・ジェウォン戦ですね。判定勝ちでした。
    将光 普段から「いつでも戦える」と言っているのに、実際にやらないのは格好悪いなと思って。やっぱり格好がいいって思えるような選択をしていきたいからやろうかなと。あとRIZINへの出方的にもおいしいなってところもちょっとありましたね。急遽代役のほうがみんなに引っかかるっていうか。それで出ることに決めて、試合の1週間前、RIZIN44のリングで挨拶したときに「あれ、リアクションないな……」と思いながら(苦笑)。
    ――RIZINには「RIZINしか見てないファン」がけっこう多いんです!(笑)。
    将光 みんながキョトンとしてる感じが伝わってきましたね(笑)
    ――太田忍戦は急なわりには面倒くさい相手だったと思うんですけど。
    将光 まあでもこのレベルまで行くと、ある程度みんな強いんで、誰とやってもみんな面倒くさい(笑)。逆に向こうは強みがわかりやすいというか、そのポイントをどう攻略すればいいか。やってくることがわかりやすいというところはありましたね。
    ――太田選手がやりたいのはレスリング主体のゲームってことですね。
    将光 そうですね。そこと試合を受ける・受けないは関係ないですけど、対策を練りながらそういうことを考えてました。なんでもやってくるオールラウンダーが相手だと、自分に対してどう攻めてくるかをまず考えないといけないから、何パターンも用意しないといけないけど。ほぼやることは組んできたら投げる、投げたあとに殴ってくる。彼はいまのところ関節のフィニッシュはないけど、もちろん力が強いんで、フロントチョーク系に気をつけないといけない。気をつけるのはそれぐらいだから対策はしやすかったですね。ただ、やってくることそのものは、めっちゃ強いっていうところはありますけど。
    ――実際やってみて想定外なことはありましたか?
    将光 今回は事前に考えたようなゲーム展開になったけど、もうちょっとバテさせたり、自分が上になる展開や、打撃をまとめれる部分は作りたかったなっていう。
    ――決定的なシーンが作れたんじゃないかと。
    将光 そうですね。判定も2-1で割れちゃってますし、もうちょっと決定的なシーンを作りたかった。プランはやっぱり打撃で攻めて、組まれたら切って、倒されたら立って、疲れてきたところで打撃でまとめるか、疲れて逃げタックルにきたところを切って、バックに回ってチョークかパウンドアウト……というプランだったんですけど。そんなにうまくはいかなかったなと。
    ――試合後のコメントでは「スプリットで割れると思わなかった」というふうにおっしゃってましたけど、いまでもその気持ちは変わらないんですか?
    将光 そうですねぇ。見え方によってはたしかにずっとケージに押し込まれてる。ただ、それ以上はさせてないというか。彼も「ダメージはない」と言っていたけど、ダメージはあったと思うけどなあって思いながら(笑)。まあボクも顔にアザひとつもないし、向こうには決定的な場面は作らせてない。逆に打撃を当てていたし、フロント(チョーク)も本当に極めかかってたと思う。ただ、たしかに試合を見返すと押し込まれてる時間は長かったから、それでポイントを取られちゃうんだなって思いました。だからもうちょっと決定的な部分を作らないといけない。そういう試合をしないといけないから、フィニッシュしたかった気持ちは強かったんですけどね。
    ――いまのMMAってテイクダウンすればポイントになる昔と違って、多角的に評価されることもあって、ジャッジがどう転ぶかわからない試合が多いですよね。
    将光 そうですね。RIZINの判定基準も試合前に聞いてたんですけど、最も評価される「ダメージ」もダウンとか相当決定的なものじゃないとつけないみたいですし。試合後にジャッジペーパーを見たんですけど、ジャッジ3人とも「ダメージ」にはつけてなかったので、そういうことなんだなと。だったら割れるのもありえるなって。
    ――ユニファイドでいうと「10-8」くらいの攻め方をしないと「ダメージ」は取らないイメージですね。
    将光 そこをちょっと今回で勉強できたんでよかったんですけど。
    ――太田選手もそんなに若くはないですけど、MMAキャリアがそこまでない若手とのマッチアップってどういう心境だったんですか?
    将光 そういう見方はあんまりしてなくて、オリンピックレスラーとちょっと肌を合わせるっていう感覚でしたね。しかもいま向こうは乗ってるから「どんなもんだろうな」って確かめたいっていうか、なんていう表現が合うかわからないけど、ちょっと食べてみようかな、みたいな(笑)。
    ――今回は地方の名古屋大会ということでしたけど、初めて試合をするRIZINはどんな印象ですか?
    将光 温かかったですね。
    ――RIZIN44の挨拶のときの冷たい感じとは違いました?(笑)。
    将光 挨拶のときとは違いました(笑)。お客さん、温かかったですね。判定のときも「青!」とか「赤!」とかみんな叫んでて「いいな、これ。みんな熱いな」って。ONEだと外国人だし歓声もちょっと聞き取れなかったりするけど、だいたい何を言ってのるかはわかんない。RIZINだと試合が終わって引き上げるときもみんな声をかけてくれるし、すごい熱がある感じがしましたね。
    ――「ニワカを見分けるセンターライン」というマイクもよかったですね。
    将光 よかったですか(笑)。あれは前もって考えてましたけどね。試合が決まるとだいたい自分と対話する時間が増えるっていうか、深く考える時間が多くて。練習が終わって風呂に入ってるときにいろいろ心境を考えるんですね。そういうことをマイクで喋れたらいいなって思ってて。そこから何かを感じてもらいたい。「こういうことを考えて戦ってたんだな」とか「こういうことを考えて練習してた」とか。ただ「ありがとうございました」だけでは寂しいから、そういうことを伝えられる人になれればいいなと思って。
    ――ちゃんとオチがついたマイクだったなって思いました。
    将光 それはよかったです。
    ――「オマエ誰だよ?」的な反応に腹が立ったりしませんでした?
    将光 それはないです。「あ、知らないんだな。やっぱりそんなもんだよな」程度で。試合を見てもらって知ってもらえればいいし、知りたい人だけ知ってくれればいいかなって。たしかにね、UFCとかも見てない人もいるんでしょうね。そこは新鮮ですね。格闘技ファンという括りの人もいれば、RIZINファンという括りの人もいて、そこが混ざっている場所なんだなって。
    ――SNSの反応も違ったんじゃないですか?
    将光 ああ、そうですね。RIZINのアカウントがボクにタグ付けするので、メンションがけっこう飛んできてて。今回のボクはあんまり悪く言われることはそこまでなかったですけど(笑)。ずっと非難の声を浴びてたら、おかしくなる奴が出てくるだろうなってすごい感じましたね。ボクもある程度大人になってるから、どんな声も流せる部分はあるけど、若い子が食らったらキツイだろうなって。
    ――選手がアンチに対応すると「そんなことで怒るな」みたいな声があるんですけど、クソリプの微毒がちょっとずつ溜まっていって、本人しかわからない致死量に達する瞬間ってあるんだろうなと思ってて。太田選手は自分からガンガン煽ってるところはあるんですけど(笑)。
    将光 彼はずっと戦い続けてるんですごいですよね(笑)。自分は反応しないと思いますね。一方的に伝えられればいいかなって思ってて。ボクが発信したことをちょっと違って受け止められたときだけは、発言してもいいかなって思うけど。基本は「勝手に受け止めてくれ」って思いますけどね。
    ――それこそ朝倉海とやることになったら、熱狂的な朝倉海信者が押し寄せてくると思うんですよね(笑)。
    将光 そうなるでしょうね。ボクの信者も作っておかないとですね(笑)。
    ――朝倉海に興味はありますか?・RIZINと1試合契約だったのは…
    ・ONEをリリースしてもらった理由
    ・幻のRIZINバンタム級ジャパンGP
    ・スタートは初期キラービー
    ・伝説のメガジム坂口道場
    ・恩人・坂口征夫
    ・15年間のプレハブ寮生活
    ・試合、ジム、建設現場の三刀流……12000字インタビューはまだまだ続く

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