”世界で最もからみにくい男”
「ドナインシタイン博士」(別名:川下大洋)
からトークイベントに招かれ
東京は下北沢にて「怪獣」をテーマに
しっぽが生えるほどしゃべった!
そこに珍しく
東京に住む実兄「よっと」が現れ
イベント後の打ち上げの席にも参加した!
「よっと」は私の3歳年上なので
「怪獣」の知識では私よりも3枚上手だ!
「よっと」独自の”怪獣論”に
「なるほどなぁ!」
などと感心しながら実に楽しい時間を”ひろいだ”!
そう言えば
久しく兄弟での写真など撮影していなかったので
「ドナインシタイン博士」に撮影を依頼し
兄弟が仲良く写る写真を
「ママ」の携帯電話にE-Mailで送信した!
なかなか素敵な夜だった!
ところが!
翌日「よっと」が私に電話をしてきた!
普段は電話を取らない私だが
前の晩での再会が楽しかったため
うっかり電話を取ると
「よっと」はものすごく怒っていた!
「お前がおかしな写真をママに送るから
ママが泣いて電話して来たぞ!」
はて?
ひょっとして私は酔った勢いで
友人の全裸写真でも送ってしまったのだろうか?
あわてて送信履歴をチェックしたが
送った物は間違いなく
昨晩撮影した兄弟写真だった!
しかし!
よく見るとその兄弟写真には
強烈な違和感があった!
しまった!
私は女性ファンからツーショット写真を求められると
本能的にカメラに向かって乗り出すようにしている!
そうしてあげた方が
女性が小さく見えて喜ばれるのだ!
その晩のイベントでは
お客さんも一緒に打ち上げをするシステムだったため
ありがたい事に
私は多くの女性客とツーショット写真を撮った!
そのせいだ!
私は兄「よっと」と並んだ写真でも
それをやってしまったのだ!
「ママがな!
俺を急性の筋ジストロフィーか何かじゃないか
って言いながら泣いて電話してきたんだ!
お前から直接ママにあの写真を説明しろ!」
猛烈に怒っていた!
だが!
母が泣き兄が怒るほど
この兄弟写真が面白くて
笑いが止まらなくなってしまった!
母は泣き
兄は怒り
私が笑った
そんな様々な感情を生む写真がこれだ!
すまん「よっと」よ!
確かにこれはやりすぎた!
弟という立場にありながら
次からあなたを「ミニミー」と呼ぼう!
ちなみに実際の「よっと」は
私とほぼ同じ身長である!
そんなこんなで引き続き「山形」を”ひろごう”!
二日酔いで迎えた朝でも「温泉」は欠かせない!
以前の『ひろぐ』記事
『名古屋で劇作家のふりをする!』
にて映画監督「林海象(はやし・かいぞう)」氏が
泥酔した勢いでもって
「名古屋」であるにも関わらず
「ほんとにいい温泉なんだから!」
と山形の「百目鬼(どめき)温泉」の回数券を
テーブルの全員に配った事を記した!
恐らくそこにいたメンバーは皆迷惑がったろうが
私だけは誰かがテーブルに置き忘れた物まで回収し
しっかり大事に持っていた!
「百目鬼温泉の回数券が二枚ある!」
それを聞いた実父「ごんぼちゃん」は目の色を変えた!
なんなら百の目の鬼になった!
「ごんぼちゃん」は愛車「ゴンボルギーニ」に
ひらりと40秒ぐらいかけて飛び乗り
我々は「百目鬼温泉」につかった!
言うなれば「どめいた」!
「百目鬼温泉」の魅力は
その強烈な温泉成分の濃さと
広大な田んぼを眺める露天風呂だ!
しかし更に都会では考えられない
素晴らしい魅力がある!
安価なそば屋さんが隣接しており
入浴とそばのセットで
800円というコースがあるのだ!
都会のスーパー銭湯では
入湯料にも足りない値段ではないか!
しかも「林海象」さんに言わせれば
そこの手打ちそばが
”そば処山形で一番おいしい”
との評価だ!
今回は”海象チケット”があったのでセットは組めず
そばだけを別料金でいただく事にした!
通常通り「ごんぼちゃん」は私を市街地で降ろし
「ゴンボルギーニ」で去って行った!
そこからの「ごんぼちゃん」が毎日何をしているのか
私は知らない!
ひょっとしたら
ストリート・ファイトで
小遣い稼ぎをしているのかもしれないし
秘密のガレージで「ゴンボルギーニ」を
チューン・アップしているのかもしれない!
もしくは
家でメロンを食べて昼寝しているとも考えられる!
なにしろ私は『ターミネーター』の新作を鑑賞し
そのせいで
うなだれながら街を歩いた!
実はその日の私には
一つやるべき事があった!
「山形放送」のラジオ番組出演だ!
私が山形に住んでいた頃には
「山形の声」とまで言われたアナウンサー
「芳賀道也(はが・みちや)」氏が
現在では局のラジオ制作担当部長となって
私を番組に招いてくれたのだ!
20分ほどのゲスト出演だったが
なんとも楽しい時間を過ごせた!
「夜にまた会いましょう!」
「芳賀さん」は私のために
山形の奇人変人を集めて
宴会を企画してくれた!
宴会までの時間を潰す中
私は山形の有名書店「八文字屋(はちもんじや)」で
友人が出版した本を見つけた!
どこで買っても中身は一緒だが
山形で一冊売れたとなると
それはちゃんと売上記録に残るので
さっそく買ってみた!
「恐竜くん」め!
まずは表紙の”知識ゼロからの”がくせものだ!
「古生物学者」である「恐竜くん」の知識が10ならば
私は6~7ほどだろう!
知識0の人が読めば
「へぇそういうものかいね!」
と言って済むのだろうが
6~7の知識で読むと
「この男は世間に挑戦状を出してやがる!」
と軽い怒りがこみ上げて来る!
なにしろ冒頭では楽しいイラスト付きで
”恐竜は爬虫類”
と明言するのだ!
よし!
この”古生物学会の愛のコリーダ”と称される
発禁寸前の書籍を巡って
彼とじっくり話をしようじゃないか!
ここに宣言しよう!
来月8月16日の「ひろの日」には
『語るひろぐ』のゲストとして
何が何でも「恐竜くん」を呼び出してみせよう!
「夏は忙しいんです!」
とか言うかもしれないが
そんな「河内家菊水丸」的な言い訳は聞かない!
世間に向けた挑戦状を私が受けようではないか!
次回『語るひろぐ』に
出て来い「恐竜くん」!
かくして「芳賀さん」が指定する居酒屋へ到着すると
それはそれはへんてこな人たちが集まっていた!
「芳賀さん」の映画好き仲間と紹介された
60代の二人は実に雄弁でユーモアもあり
我々世代の会話にも全て対応できる
不思議な人たちだった!
私が酔った勢いで名付けた山形の俳優
「吹雪ビュン」と同じ劇団に所属する
山形の女優「伊藤穂」ちゃんを紹介されたが
これで何と読むのかを忘れてしまった!
彼女の父親が生まれたばかりの彼女に
本気で「ぴぽぱ」と名付けようとした話が
あまりにもショッキングだったからだ!
なので私は今でも彼女を「ぴぽぱ」と呼んでいる!
『ひろぐ』上でまた彼女が登場したとしても
「伊藤ぴぽぱ」と表記させていただこう!
更に山形の演劇人である
「渡辺悠介」君がいたのだが
彼に関しては後ほど記すとしようか!
はい!
「ぴぽぱ」と「渡辺」君!
様々な人たちがいる中で
吉本興業の「すみます芸人」として
山形に駐屯する「笑福亭笑助(しょうすけ)」君がいた!
「仙台」にいる「爆笑コメディアンズ」の
大好きな「秀作」君と
大嫌いな「半澤」もいた!
「半澤」はどんな些細な事でも
「フリーメーソン」や「イルミナティ」に結びつける
いわゆる陰謀論者だ!
私は自称超能力者や自称霊能力者や陰謀論者と
わいわいやり合うのが大好きだ!
なので「秀作」君は優しくて楽しくて大好きなのだが
「半澤」と喋っている方がアルコール摂取量が増える!
私はよく二人の名前を間違えるので
「きらい」の入力で「半澤」に変換されるよう
先ほどコンピュータの辞書設定を行った!
いずれトークイベントでも開催して
観客が見てる前でぶっ潰してやる!
金髪のご陽気な好青年が「秀作」君で
金髪でも私でもないのが「半澤」だ!
さて!
この居酒屋で飲んだ時点で「芳賀さん」は
何を言っているのかわからない生き物になった!
泥酔した「芳賀さん」は
「本当にこの人が『ズームイン朝』で
徳光さんに山形を伝えていた人なのか?」
と疑ってしまうほどぐだぐだになる!
ぐだぐだになった「芳賀さん」に比べれば
愛猫「FUTURO君」の方が
まだ何を言っているのか私にはわかる!
しかしうまい具合に相互関係は成立するもので
「芳賀さん」にも周囲が何を言っているのか
いまいちわかっていない様子だった!
その証拠に私はそこから先
「芳賀ちゃん」と呼んでいたのに
ただひたすら嬉しそうにしていた!
「二軒目は俺の家だー!」
なんとか聞き取れた「芳賀ちゃん」の言葉に従い
ちょいとだけ自宅にお邪魔した!
もともとそういう計画だったようで
遅い時間にも関わらず
奥さんや息子さんに歓待していただいた!
当然「芳賀ちゃん」は大変な状態で
我々の軽妙なトークに
五つの母音だけで乱入し
何度も背後のふすまにひっくり転げた!
そのたびに二匹の愛犬が
「出て行け不審者め!」
といった鳴き声をあげた!
「YBC」「芳賀道也」で画像検索していただけば
実にわかりやすい!
「芳賀さん」はこんな顔では決して笑わない!
だが「芳賀ちゃん」は常にこういう顔をしている!
「芳賀ちゃん」はご子息に
「大王と渡辺君を車で送りなさい」
と無茶な指令をファジーな日本語で出した!
先ほどちょいとだけ登場した
演劇人「渡辺悠介」君だが
住んでいる場所は
私が講演会を行った「山辺町」だった!
その晩があまりにも楽しかったので
私にはまだ家に帰る気が起こらず
「ここから10分で行ける私の家より先に
秘境山辺町まで渡辺君を送ろう!」
と「ハギート」にお願いした!
これは「スペイン語」の活用で
「芳賀」の子供は
「小さな」という意味の「-ito」を付加し
「ハギート」と表される!
途中にぽつんと自動販売機や自動精米機が見えると
私は「ハギート」に車を止めてくれとお願いし
光に集まる昆虫を探した!
そのうちに「かぶとむし」を観察する事もできた!
「かぶとむし」を腕に載せて無言でにこにこする私を
「ハギート」と「渡辺」君は不思議そうに見ていた!
「渡辺」君はそろそろ家に近づいたと言うのだが
辺りは真っ暗で家らしき物は一切見えなかった!
「だめだよ渡辺君!
君はたぬきに化かされてるんだ!
こんな所に家はないよ!」
しかし「渡辺」君は今朝もこの辺りから来た
と言ってきかない!
そのうちに彼はこんな事を言い出した!
「僕の出身学校が廃校になってそのまま残ってます!
在学中から幽霊が出る事で有名な学校でした!」
私はものすごく嫌がる「ハギート」を説得した!
「半澤」のくだりでおわかりの通り
私は心霊研究家などを嫌っている!
そのかわりに私は自分を
「心霊愛好家」と名乗っている!
信じていないくせに
「ひー!」と言って怖がるのが好きなのだ!
「僕は車に残ります!」
「その方が怖いだろうに・・・」
と「ハギート」に言い残し
私と「渡辺」君は真っ暗な学校の敷地に踏み入った!
辺りには虫の鳴く声以外何の音もない!
携帯電話の明かりで歩く深夜の廃校は
さすがに不気味だった!
中までは当然入れないが
「渡辺」君と二人で校舎の周りを静かに歩いた!
「噂によるとですね・・・
この学校・・・
戦時中に病院としても使われてたそうですよ・・・」
これは恐らく噂ではない!
「山辺」と言えば
「ごんぼちゃん」が戦時中に疎開していた町だ!
たいした空襲もなかった山形だが
「山辺」は安全地帯として
多くの避難者
もしくは負傷者を受け入れたはずだ!
その校舎が病院として機能していたのは
ほぼ間違いなく真実だろう!
「だからね・・・
在学中はね・・・
よくみんな見たって言ってましたよ・・・
兵隊か・・・
看護婦さん・・・」
にぎやかに歩くと霊が出て来ないので
我々は更に声を落として歩き続けた!
そのうち「渡辺」君がある場所で立ち止まった!
「あー・・・
ここですね・・・」
そう言って窓の中を指差した!
左右に長く伸びる一階廊下の窓だった!
真っ暗な廊下を照らしてみると
そこは上下に昇降する階段だった!
「ここからですよ・・・
この下向きの階段からね・・・
看護婦が上がって来るんです・・・」
私はもっと中をよく見ようと
窓に顔を近づけた!
とその時!
「わ!
うわ!
うわー!
なんだこれ!」
霊の存在を信じていない私には
当然霊感などまったく無い!
ところがだ!
真夏の暑苦しい深夜であったにも関わらず
猛烈な寒気が私を襲った!
そんな気がしたという話ではない!
そこは明らかに周囲と温度が違うのだ!
「うわ!
なんだ!」
「渡辺」君も同様の寒気を感じた!
その窓に近づいた時だけ
明らかにおかしな空気を感じたのだ!
もう帰ろうと言う「渡辺」君に
私は説明した!
「あそこに見えてるのは
地下室に降りる階段だよね?
都会と違って地熱の低い地域だと
地下の冷たい空気が
階段から上がって来るんだよ!
君たちが在学中に
ここを不気味なポイントと感じたのは
実際に気温差があったからなんだ!」
そう!
私はつまらない人間だ!
「心霊愛好家」としてはかなり低い地位にある!
アムウェイで言うなら新規ディストリビューターだ!
こんな素敵な瞬間に
「モルダー」性を発揮してどうするというのか!
これではないけない!
より位の高い
アムウェイで言うところの
ダイレクト・ディストリビューターに昇格するには
もっとひーひー怖がらなければいけない!
友人が大阪に一軒家を相続したらしく
そこではかなり悲惨な死亡事件があったそうで
とても住む気にはなれず放置してあると言う!
この夏に一泊してみよう!
かくして帰宅したのは深夜2時だった!
老人たちを起こしてはならぬと
そっと玄関を開けると不気味な音が聞こえていた!
音源を探ってみるとトイレの中からだった!
トイレのタンクの水が出続けていた!
それはあたかも
”霊の存在を簡単に否定するな”
と私に訴えているようだった!
これではいけないと思い
ふたを開けてあれこれ触っているうちに
やがて水は止まった!
翌朝その怪奇現象を両親に話すと
「俺がトイレに起きた直後にお前が帰ってきたよ!」
と「ごんぼちゃん」が言った!
夜通し出続けていたわけではなく
「ごんぼちゃん」が用を足した直後だから
水が出ていただけだった!
”子がモルダーなら親もモルダー”
とはよく言ったものだ!
『ひろぐ』が長い!
まるで子供の頃のように
「一日を長く感じる」せいだ!
まだまだ続く
「山形」での”ひろぎ”にご期待いただきたい!