ハックルベリーに会いに行く
世界的なプロダクトを生み出す日本の美的感覚:その17(2,040字)
『少年マガジン』が「劇画」に路線を定める中で、『巨人の星』の連載は始まった。
しかし連載当初、その画風はまだ手塚治虫的な「漫画」タッチを残すものであった。それは、劇画といえども漫画から派生したものなので、まだそこまで細かな描き込みや写実的な表現が洗練されていなかった――ということがある。また、作画を担当した川崎のぼるが、少年誌ということを考慮して少し抑えめの画風――つまりあえて簡素で記号的な画風にしていたということが考えられる。
しかし、『巨人の星』は連載を重ねる中で、徐々にその「劇画」タッチを洗練させていくのである。
それは、主に二つの理由からによる。
一つは、原作者である梶原一騎の影響。梶原一騎の原作が、劇画タッチにマッチしたものだったので、それに引っ張られたということがあるだろう。
もう一つは、読者の人気。『巨人の星』は、連載当初から凄まじい人気を獲得し、一躍『少年マガジン』誌の看板
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