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 それから三〇分くらい待っていると、やがて生徒会室のドアが開いた。そうして、先ほど教壇で話していた女の子――日田朋美が一人で入ってきた。
 朋美は、入ってくるなり戸口のところでぼくらのことをしばらくじっと見つめた。その視線の迫力に、ぼくらは気圧されるような格好となって思わず立ち上がった。
「お邪魔しています!」
 そうお辞儀をしたのはエミ子だった。それに続いてお辞儀をすると、ぼくは朋美にこう尋ねた。
「日田朋美さんですか?」
 すると朋美は、なおもぼくたちのことを見つめながら、やがてこっくりと頷いた。それで、エミ子は持ってきた手帳を差し出しながらこう言った。
「私たち、春香さんから頼まれて、これを持ってきたんです」
 それを聞くと、朋美は眉をひそめながらこう答えた。
「春香さんから? 春香さん、今日はどうしたんですか? 集会には来ていなかったみたいですが……」
「それが、急に来られな