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長年映画を研究し続けてきた中で、ぼくが現時点で分かっている「映画の勝ち方」の最良というのは、一言でいうと「カリスマを持つ」ということになる。
「監督にカリスマがどれだけあるか?」
それが、映画の勝敗を分けるのだ。
映画というのは、単に面白いだけではなく、フィルムを通して「そこですごいことが為されている」ということが伝わってくると、名作になる。逆にいうと、その制作プロジェクト自体がすごいことじゃないと、なかなか名作にはならない。
そういう映画の代表的なのが、黒澤明の『七人の侍』だろう。
『七人の侍』は、テレビが勃興して映画が斜陽化し始めた時代に、「テレビには到底できないだろう映画のすごさを見せつけてやろう」というコンセプトで東宝が作った映画だ。だから、最初から「すごい」ことが目指されていたわけでが、そこで監督の黒澤明は、スポンサーの東宝でさえそこまで考えていなかったほどの映画を作ってしまった
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