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その日の放課後、ぼくはエミ子にこんな提案を持ちかけた。
「今度さ、文化祭があるだろ?」
「うん」
「それでさ、二人で催し物をやってみないか?」
「え? 何を?」
「うん。二人で、『劇』をやらないかと思ったんだ」
「ええっ!」
と、エミ子は驚いた顔でぼくを見た。まさか、ぼくの口から劇などという言葉が出てくるとは想像もしていなかったのだろう。
そこでぼくは、慌ててこうつけ足した。
「ああ。といっても、ぼくが劇に出るわけではない」
「え?」
「ぼくは作、演出に回るから、きみが一人舞台をしてみないか――という提案なんだ」
「ああ!」とエミ子は、ようやく得心がいったような顔をした。それから、一転興味深そうな顔になると、ぼくに顔を近づけてこう言った。
「なにそれ、面白い! 詳しく聞かせて」
「うん……実は、『手紙劇』というのを考えていたんだ」
「手紙劇?」
「そう。手紙劇というのは、読んで
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