生きるというのは常に未知の世界に向かうことだ。暗闇の中を航海しているようなものだから難しい。想像もしなかったような問題が起きる。それに対処できずに呆然と立ちすくむ。

今のこの世の中は息苦しい。ぼくはきっと美しい自然とあまりに長い時間接してないから心を病んでいるのだろう。病んでいるとはいわないまでもかなり弱っているのは確かである。

心が弱くなるとたいしたことがない問題でもおおごとになる。弱気になって虚無的になる。死んでしまおうかという考え方がむくむくと頭をもたげる。死んでしまえば楽だというのはよく思う。

ぼくは29歳から34歳くらいまでの5年間、毎日死ぬことを考えていたから、死ぬことを考えるのは変な話だが慣れている。その間には実際に自殺未遂も2回した。いずれも死にきれなかったから今も生きているが、そのとき死んでいたらどうだろうとは考えたりする。

死ぬことを長く考えてきた経験からいうと、死ぬこ