今、「結婚」という風習、あるいは制度は、大きな転換期を迎えているといっていいだろう。現行の結婚制度は、明治に大きな枠組みが定まった。それまでの武家社会に特徴的だった「家」に重きを置く結婚の在り方を、一般市民にも広め、また定着させたのだ。

それからおよそ150年、この結婚制度はいまだに大きな変更もなく続いている。しかしここに来て、それは大きく変調を来しているといっていい。

理由はいくつかある。
まず一つ目は、これまで重きを置いていた「家」というものに、守るべき価値がなくなったということだ。それよりも、個人主義が進んだ結果、人間一人一人の幸せの方がだいじになってきた。

そのため、これまでの夫婦は夫や妻、あるいは父や母であることが優先されたが、今は一人の男、女、あるいはLGBTであることが優先されるようになった。

二つ目は、インターネットの出現によって、人間同士のつき合い方が変わった――得にその距離感が大