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小学生の女の子が父親に殺されてしまうという事件があった。あれは、今の世の中のある気分が原因になって起きたと思う。今日はそのことについて書いてみたい。
今、世の中の多くの人は、子供に対して複雑な眼差しを向けている。なぜかといえば、子供を巡る価値観がたゆたっているからだ。
一方には、子供に対して純粋な愛情を抱く――という気分がある。その気分は、子供世代が豊かになってほしいと心から願っている。
しかしもう一方には、子供世代よりも自分が豊かになりたい――という気分がある。その気分は、子供が犠牲になるとホッとしてしまう。
これは、人間の根源的なジレンマだ。大人は子供を産む。そして子供のために尽くす。しかし子供は、大人には尽くしてくれない。子供は、またその子供に尽くすだけだ。
つまり、人間の子供への愛情は一方通行である。それは、これまでどの世代も味わってきた感慨だ。時代によってはところどころ淀んで子供
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