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今となっては恥ずかしい話だが、ぼくは大人になるまで社会のことをほとんど知らなかった。だから当然自分が所属する階級のことも知らなかった。それで大人になってからだいぶ苦労して独学した。子供の頃に大人が教えてくれていたら良かったのにと、だいぶ恨めしく思った。
特にひどいのは、親に嘘を教えられたことだ。ぼくは「この家は中流家庭だ」と教えられた。ありふれた普通の家だと教えられた。
ところが、そんなことは全然なかった。経済でいうと上位10%には入るし、文化資本でいえば上位も上位で、0.0001%つまり100万世帯に一つくらいの超上流家庭だった。
それが分かっていたら、もっとそれを活かした生き方ができたが、しかし親はなぜか自分たちのことを「普通の家」だと頭から信じ込んでいて(彼らも誰かに騙されていたのかもしれない)、むしろ自分たちを上流家庭だと考える人間のことを唾棄していた。実際には上流家庭にもかかわら
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