ハックルベリーに会いに行く
知らないと損をする世界の裏ルール:その18「親を殺さないと自分が殺される」(1,565字)
こういうと物騒に聞こえるかもしれないが、親は殺すために存在している。そのため、親を殺すと、よく生きられる。その逆に、親を殺せないと、よく生きられない。死んだ人生を送ることになる。
ところで、世の中には一定数の「死んだ人生」が必要である。これも、この世界の裏ルールだ。なぜ死んだ人生が必要かというと、生きた人生を送る人の養分となるからだ。
この世界では、ホームランを打つバッターを存在させるため、ホームランを打たれるピッチャーを必要とする。そういう、きわめて無慈悲なルールがある。
これと一緒で、人が生きた人生を送るためには、必ず死んだ人生を送る人を踏みつけにしなければならない。大谷翔平選手がホームランを打つためには、ホームランを打たれてクビになるピッチャーが必要だ。でないと、自分がクビになり、他人の養分になる。
そんなふうに、社会を持続的に運営していくためには、死んだ人生を送る人が必要だ。だから
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コメント
コメントを書く僕はハックのラストは最初いまひとつ腑に落ちなかったんだけど、読後しばらく経ってから、放蕩息子のパロディだと気がついた。子供が自発的に親から離れること、再会することが共通している。でも原典では「子供が生き返った」ように対して、ハックでは「親が死ぬ」。なかなかトンチが効いているな、と思いました。
>>1
ハックとジムが途中で出会う幽霊船で、自分だけ中に入ったジムが「ハックさんは見なくてええだ」と言ったのは、そこにハックの父の死体があったからだそうです。このジムだけではなく実はトムも、ハックの父が死んだのを知っていたのではないか。それがハック(と読者)にだけ隠されていて、本当はもう逃げなくてもいい(死んだ)父親から、それでも逃げて、それゆえ最後には心も解放される(逃げ切れる)というのが、この小説の本筋ではないかと。親が生物学的に死んでも、心が解放されない子供もまた多いですからね。