日本の教育は昔は良かった。機能していた。だからみんな学校が大好きだった。学校に感謝こそすれ、その価値を疑う人はいなかった。

しかしその巨大な成功のおかげで、いまだにやめられないという弊害が生まれた。もうすっかり古くなったのに、止められない。それは、成功が巨大すぎたからだ。それゆえ、その失敗もまた大きくなった。傷口が際限なく膨らみ続けている。

では、日本の教育とは何か?

一言で説明するのは難しいが、まず江戸時代に「寺子屋」が根づいた。地域によって格差はあるが、特に都市部の子弟は寺子屋に通い、いわゆる「読み・書き・そろばん」を習った。そうして「子供が学習する」という風土が根づいた。

これは、江戸時代は基本的に戦争がなかったため、各藩の発展はほとんど知的労働に依拠していたからだ。藩の興廃は民の頭脳にかかっていた。

そのため、英才を育てようという機運がこの頃からあった。もちろん、戦争が禁止されてい