これからおそらく20年をかけて、「幸せ」が再定義、いや再評価される時代が来る。なぜなら、今の時代は幸せがあまりにも阻害されているからだ。多くの人が、自由を尊重し過ぎている。その結果、自由の反対にある幸せを疎かにしているのだ。

幸せが疎かにされている社会だから、人々は競争主義社会を容認している。また、ロシアのウクライナ侵攻もどこか他人事だし、なんならコロナ禍さえ粛々と受け入れた。この「粛々と受け入れる」というのが、自由を尊重しすぎた時代の最も主要な流儀かもしれない。

今、人々は粛々と人間関係を解消していっている。こう書いているぼく自身が、なにしろ人間関係を希薄にさせている。一人の時間が圧倒的に増えた。

まだ小さい子供がいてさえこうなのだから、独身の人にとってはなおさらだろう。近年、日本の単身世帯数は過去最高を更新し続け、2022年は1785万だった。この先、人口が減るにもかかわらず、なお増え