今回で、この連載は最終回とする。

ここまで連載を続けてきて出た「アーティストとして生きる」ということについての結論は、「動画投稿サイトの『地方移住ショート動画』を作る」ということになる。なんとも低俗な考えに見えるが、それこそがアートらしい、ということもできる。

実際、「地方移住ショート動画」には、ここまで見てきた「アート」というものの本質が、高いレベルで内在している。その本質とは、以下の4つだ。

1:貧困なイメージ×豊かな欲望
2:困難さの顕在化
3:新しい生き方の提示
4:新しい表現方法の使用

順に見ていきたい。

まず、1の「貧困なイメージ×豊かな欲望」について。
地方移住ショート動画の投稿者は、多くの場合でカップルである。そこには、率直に言って「性」の匂いが充満している。実に貧困なイメージではあるが、豊かな欲望(性欲)に満ちあふれている。

つまり、地方に移住すれば「性への充実が図れる」