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1929年に板垣征四郎は満州にある関東軍参謀に配属される。そうして、前から満州に赴任していた石原莞爾と再開する。
ここで、一つのエピソードが起こる。関東軍参謀の将校たちが、満州の北側を視察旅行していたときのことだ。旅先のホテルで、石原莞爾が将校たちを相手に「戦争史大観」という演目で講演をした。
当時、二葉会や木曜会、そして一夕会など勉強会からの流れで、将校が独自の研究を幹部相手に発表するというのが一種の通例となっていた。しかも石原は音に聞こえた理論派だったので、講演をする機会も多かった。だからこの日は、板垣を含む関東軍参謀の面々に、戦争についての話をしたのだ。
講演が終わると、聴講した将校たちはそのままホテルの部屋に戻って床に就いた。ところが、熱弁を振るった石原だけは、興奮からなかなか寝つけずにいた。そこで、気晴らしに散歩をしようと部屋を出て廊下を歩いていた。すると、その途中一つだけ、明か
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