ハックルベリーに会いに行く
石原莞爾と東條英機:その40(1,693字)
石原莞爾は満州事変を計画し、現場で指揮した。ただし、石原には権限がないので、あとは上の者が乗っかってくるかどうかが勝負だった。上の者とは天皇までをも含む。石原は、満州事変で日本そのものを動かそうとしたのだ。
しかしもちろん、石原が単独で計画したのではなく、そこには板垣征四郎のバックアップがあり、さらに永田鉄山のプロデュースがあった。この謀略の首謀者は、一夕会そのものだともいえる。一夕会が軍部を動かし、政府を動かし、日本を動かしたのだ。
張学良が指揮する軍隊の兵力は、総勢で約45万だった。これに対して石原が率いる関東軍は、約1万だった。実に45倍の差がある。
それでも石原は、電光石火の早業で張学良を混乱させた。そうしてずるずると反撃のいとまを与えないまま、順次満州各都市を占領下に置いていったのだ。
こうして満州の占領は既成事実化され、日本政府もそれを追認する形となった。全ては事後承諾だったが
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