ハックルベリーに会いに行く
1994:その11(1,790字)
1994年の男女関係、男女交際はどうだったのか?
男女の恋愛が大きく変化し始めたのは1980年代に入ってからで、柳沢きみおの『翔んだカップル』に、その傾向が象徴的に見られる。若者が恋愛に悩み、新たな形を模索し始めたのだ。
それまでの恋愛は、面白いことに型が決まっていた。だから、新たな形を模索するということがなかった。決められた形の中で、どう上手くこなすかという勝負だった。
『愛と誠』というマンガがあるが、これがまさに人々の間に共有されている理想とされた型をとことん追求するという話だった。
ただし、この頃からすでに型の崩壊の予兆はあった。それが崩壊しかかり、風前の灯火だからこそ、惜しみ、残そうとする気持ちが、人々の間にあった。
だから、それを愚直に追求する『愛と誠』がヒットしたのだ。この作品は、1973年から1976年まで連載されている。まさに「70年代」を代表する作品だ。それに対して『翔ん
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