ただし、環境に影響されやすいのはなにも子供だけではない。大人もそうである。これは他ならぬぼく自身がサンプルで、引越をするたびに生活が変わり、生活が変わると人生も大きく変化した。
最大の引越(変化)は30代の後半で、東京の日野市から渋谷区に引越したことだ。これで人生が変わった。師匠である秋元康さんのもとを独立するきっかけにもなったし、「もしドラ」を書くきっかけにもなった。再婚のきっかけにもなった。それもこれも、全てはこの引越から始まったのだ。
なぜ「引越」が人生を変えるかといえば、それは人間が環境に影響されて変化するからだ。それまで日野に住んでいたぼくは、日野の部屋に影響されながら生きていた。しかし、渋谷に引越すと渋谷の部屋に影響されるようになったので、生活や生き方、あるいは性格までもが変化した。
端的にいうと、渋谷に引越してぼくは良い方向に変化した。それは渋谷の「部屋」が良かったからだ。良い部屋に影響されて、良く変化した。
この逆ももちろんあるだろう。ぼくは26歳の時に日野に移った。ここでも変化した。悪く変化したのだ。これでぼくの人生は大きな回り道を余儀なくされた。
人は、住む部屋次第で良くなったり悪くなったりする。だから、人生を良くしようと思って良い部屋に住むというのは、かなり現実的な「生活改善」の方法だ。あるいは、「人生改善」の方法ですらあるといえる。部屋というのはそれほど大きいのだ。人の一生にまで影響を与えるのである。
よく「自分を変えたい」という人がいる。そういう人はいろいろと努力している。本を読んだり、習い事をしたり、トレーニングをしたり、医者に行ってみたり。
しかし、それで必ずしも変化できるわけではない。なぜなら、そうしたことで外面は変化するかも知れないが、内面までは変化しないからだ。性格や生活まで変化しない。根底は一緒のままなので、元の木阿弥になる場合が多いのである。
それよりも、よっぽど簡単な変化の方法がある。それは環境を変えることだ。もっというと、環境の中でも最も影響の大きい「部屋」を変えることだ。
これで人生が変わる。内面から変わるのである。しかも自然と変わるので、ほとんど努力もいらない。簡単に、しかも劇的に変わることができるのだ。
自分の生活を良くしたい人、性格を良くしたい人、人生を良くしたい人は、部屋を良い部屋に変えるといい。それだけだ。それだけで、人は部屋から影響を受けるので、良い方向へと変化していく。
もちろん、良い部屋に住まなければいけないから、そこは注意が必要だろう。間違って悪い部屋に住んでしまうと、かえって悪くなってしまう。生活も性格も人生も、今よりも悪くなってしまう。これでは台なしだ。
だから、大切なのは「良い部屋とは何か?」というのを知るということである。その知識を蓄えたり、もっといえば自分で作れるようになったら最高だ。
肝心なのは、次の二つのことである。
一つ、良い部屋とは何かを知ること。
二つ、自分の部屋を良い部屋に作り替えること。
この二つで、生活が、性格が、人生が良くなるのである。ぼくの場合は、仕事が上手くいき、お金が入ってきて、生涯の伴侶と出会うこともできた。何もかも上手くいった。これも引越のおかげである。
では、その肝心なことの一つ、「良い部屋とは何か?」は、どうやって知ればいいのか?
それについては、今夜のニコ生でじっくりお話ししていく予定である。
岩崎夏海のハックルテレビ#46「裏ミリオンセラープロジェクトvol.2」
またそのアジェンダとして、以下に要点をまとめてみた。
コメント
コメントを書くサラリーマンをやめ、何の仕事のあても無いのに都心へ引越し、部屋の端っこにベッド、その反対にオフィススペースというちょっと変わった空間をつくってその時の勢いで独立しました。自分でも何故だか理由がわからないのですが不思議と時間と金回りが良くなりました。たまたまタイミング良く仕事の依頼が来始めたからかなぁとも思っているのですが、その時変えた生活スタイルがなんだか良い感じで軌道に乗っています。これまで通勤時間だった部分が知的投資や新しい事を見る余裕時間を生みだしていて楽しいです。
なんかこの記事分かります。
まんが道の藤子さんたちの最初の上京したときの親戚の家に間借りさせてもらっていた時のエピソードを思い出しました。
まんが道は読んでいらっしゃいますか?
>>1
そうなんですよね。
通勤時間て、通勤している間は「なんてことない」「有意義に使えている」と自分では思っているんですけど、なくしてみると「ムダだった」と気づけるんです。
>>2
「まんが道」大好きです。
あの二畳の部屋から抜け出そうというモチベーションが、二人のまんが道を決定づけたのかもしれませんね。