この作品は、スタジオジブリのドキュメンタリーである。これまでの歴史を振り返りつつ、ここ1年くらいの様子をメインに、その内側に入り込んで記録している。
この映画を、ぼくは見ないわけにはいかなかった。なぜなら、ぼくが今最も興味のあることが「スタジオジブリはどのように運営されているか?」ということだからだ。
ぼくは、すぐれた作品の「制作現場」に興味がある。特に、集団で制作する現場に興味がある。ジブリは、今現在、世界で最もすぐれたコンテンツ制作集団の一つだろう。だから、その現場の様子をつまびらかにしたこの作品は、見ないわけにはいかなかったのだ。
また、興味の理由は他にもあって、ぼく自身が今年になって新しい会社を作った――これまでしてこなかった組織での制作に挑戦している――ことがある。特に、「台獣物語」というコンテンツを作るに当たって、アニメスタジオのような制作体制をとろうと
コメント
コメントを書く12/6(金)の22時からWOWOWで高畑さんのドキュメントが放送されますよ。
WOWOWだから、その後も何回か放送されると思います。
>>1
情報ありがとうございます!
ぜひ見てみようと思います。
「夢と狂気の王国」自分も見ました。
何故かわかりませんが、涙が出ました。
そういう場面構成でもないのに。
ただの日常の切り取りの映像で涙が出た。
安心に似たような感情であったように思えますが、良く分かりません。
こういう場所が未だあるんだという事なのでしょうか。
偉そうに聞こえたら不本意ですが、そういう感じだったように思えます。
いずれにしても、自分にとって良い作品でした。
>>3
ぼくもちょっと涙が出ました。庵野秀明さんが決まる場面とか。周りの人は笑っていましたが、あれは宮崎駿さんにとっては大変なできごとだったというのが分かって。あそこは笑うところではないんですよね。
>>4
宮崎駿さんは「堀越二郎は人から理解された人間ではない」と言っていましたが、それは自分自身の事で、その境遇に最も近いと思う人間が庵野秀明さんだったのかも知れないと思っているのですが、どうでしょうか。
もしかしたら、そういう意味では主役は周りから笑われる様な人でなければならなかったのかも知れません。
その時代が抱える問題に対して正直に向き合う事で表現が特異になり、大多数の人達は見ないように他所を向いて生きているのにも関わらず、その特異な表現者を嘲笑う。
そういうシュチュエーションが必要だったんじゃないでしょうか。
ご返信ありがとうございました。
>>5
そうですね。
映画館で笑っていた人は、まさに堀越二郎を――引いては宮崎駿監督や庵野秀明監督を笑っていた人たちなのだと思います。
そういう意味では皮肉な話です。「夢と狂気の王国」を見に来ていた人たちは、絶対に宮崎監督や庵野監督が好きなはずなのに、そういう彼らでさえ、宮崎監督や庵野監督のことは理解できないのですから。