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ライトノベルの書き方:その26「交渉の天才としての桃太郎(1,748字)」
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ライトノベルの書き方:その26「交渉の天才としての桃太郎(1,748字)」

2015-07-07 06:00
    旅に出た桃太郎は、その端緒で犬と出会う。
    面白いのが、この桃太郎と犬との関係である。この両者の関係もまた、主体性と他動性の絶妙なハイブリッドとなっているのだ。

    それを、童謡「桃太郎」の歌詞から見てみたい。


    桃太郎さん 桃太郎さん
    お腰につけた きびだんご
    一つわたしに 下さいな

    やりましょう やりましょう
    これから鬼の 征伐に
    ついて行くなら やりましょう


    これを見ると、最初に行動を起こしたのは「犬」であることが分かる。彼は食べ物に飢えていた。あるいはきびだんごが食べたかった。
    そうした欠落状態にある能力者が、何らかの行動を起こした。桃太郎は、その機先をとらえるのである。その行動に乗じて、こちらからのオファーを出すのだ。

    この間合いが、すぐれた武道家のように見事である。
    武道には「先の先」と「後の先」という考え方がある。
    「先の先」とは、相手の動作を始めようとする心を読み取り、その直前に行
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