ハックルベリーに会いに行く
ライトノベルの書き方:その26「交渉の天才としての桃太郎(1,748字)」
旅に出た桃太郎は、その端緒で犬と出会う。
面白いのが、この桃太郎と犬との関係である。この両者の関係もまた、主体性と他動性の絶妙なハイブリッドとなっているのだ。
それを、童謡「桃太郎」の歌詞から見てみたい。
桃太郎さん 桃太郎さん
お腰につけた きびだんご
一つわたしに 下さいな
やりましょう やりましょう
これから鬼の 征伐に
ついて行くなら やりましょう
これを見ると、最初に行動を起こしたのは「犬」であることが分かる。彼は食べ物に飢えていた。あるいはきびだんごが食べたかった。
そうした欠落状態にある能力者が、何らかの行動を起こした。桃太郎は、その機先をとらえるのである。その行動に乗じて、こちらからのオファーを出すのだ。
この間合いが、すぐれた武道家のように見事である。
武道には「先の先」と「後の先」という考え方がある。
「先の先」とは、相手の動作を始めようとする心を読み取り、その直前に行
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