オンナのウラガワ ~名器大作戦~
第190回 ベトナム旅行チン道中のウラガワ(1)
◆もくじ◆
・ベトナム旅行チン道中のウラガワ(1)
・最近の志麻子さん
11/11(日)「オメ★コボシ43」開催
映画『銀魂2』のスピンオフドラマに出演 9/1から配信中
角川ホラー文庫より『現代百物語 終焉』発売
河崎実監督映画に出演予定
TV「有吉反省会」にヒョウ姿でひきつづき出演中
「岩井志麻子のおんな欲」連載中
カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中
・著者プロフィール
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岩井さんが、韓国人の夫・ジョンウォンより長く付き合っているベトナムの愛人V。
彼に会うことも目的の一つとして、ベトナムに旅立った岩井さん。
今回のベトナム旅は、千鳥先生(仮名)という、仲良しのゲイの男性と一緒に楽しむ旅行だ。
現地集合現地解散でホーチミンに向かった岩井さんのもとに届いたLINEとは……。
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2014年11月~16年12月のバックナンバーは、「月別アーカイブ」の欄からご覧ください。
2017年1月「自分を重ねてしまう若者たちのウラガワ」
2月「冬に聞いた奇妙な怪談のウラガワ」
3月「春のさなかに聞いた怖い話のウラガワ」
4月「木の芽時な人達のウラガワ」
5月「五月だけどさわやかになれない人たちのウラガワ」
6月「面識なしでも喜怒哀楽を喚起する人々のウラガワ」
7月「ほんのり怖い人達のウラガワ」
8月「真夏なのに秋の予感な有名人たちのウラガワ」
9月「私が見たテレビの中の人のウラガワ」
10月「大人だけど枯れるには早い人たちのウラガワ」
11月「年下韓国人夫とのアジア旅のウラガワ」
12月「捨ててもいいじゃないかのウラガワ」
2018年1月「命や生きることについて考えたウラガワ」
2月「人はなかなか変わらないのウラガワ」
3月「きれいに卒業できない女たちのウラガワ」
4月「新たな出会いの不気味なウラガワ」
5月「良い季節でも人は病むウラガワ」
6月「『有名な男の女』だった二人のウラガワ」
7月「怪談の季節! ゾッとする実話なウラガワ」
8月「嘘と本当のあわいの怖い話のウラガワ」
9月「大人になりきれない人達のウラガワ」
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2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ/ソウルの新愛人のウラガワ/風俗嬢の順位競争のウラガワ/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ/「大人の夏休みの日記」なウラガワ/その道のプロな男たちのウラガワ
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もうさんざん書いてきているけれど、私は十年前に結婚した韓国人の夫ジョンウォンよりも長く付き合っているベトナムの愛人Vがいる。
出会った当初から彼には妻子がいて、それを差し引いても彼と結婚したいと願ったことは一瞬たりとも無い。とことん配偶者ではなく愛人でいてほしい相手というのは、何か問題があるとかそこまで重要ではないんだと、Vに出会うまではなんとなく思っていたが。
違う。愛人として最高、愛人でいてこそ輝く存在というのもあるのだ。
いいとこ取りだのつまみ食いだの、その捉え方もむきになって否定はしない。そこにも真実はあるからだ。とはいえ贅沢品に頑丈さなど求めないし、非日常を楽しむ空間に生活臭は要らない。愛人に、安定だの保障だの期待しない。
考えてみれば九歳若いVも私をそう見ていて、それは光栄なことだ。私達は永遠の愛人として、永遠の夏休みを楽しむ。
夫のジョンウォンは、学生バイト程度の収入しかないし、きちんとした会社にも勤めておらず、十八歳も若い。おまけに浮気者で嘘つきだ。それでも彼は、やっぱり夫なのだ。最高の夫とはさすがにいえないが、私の夫に相応しい、とはいえる。
ともあれVとは毎日一緒にいたいとは願わなくても、ときおり無性に会いたくなる。夫と揉め事を起こしたとか、いろい細かい日々の不満がたまったとか、理由は様々だが。何事もなくても、十月の声を聞くと恋しさが募る。
真夏にベトナムに行っても、東京もこれくらい暑いんだよなぁ、となるが。寒くなる頃に行くと、私だけが特別に夏を手に入れた、そんな妙なお得感に浮かれてしまう。
だが今回のベトナム旅行記には、愛人を凌駕するほどの強烈な登場人物がいるのだった。
※
一年ぶりにホーチミンに行くことになったのは、夫がしばらく韓国に戻ることになったのもあるが、よく一緒に遊んでいる男友達から、
「あたし、まだベトナム行ったことないのぉ。行ってみたぁい。タイにはしょっちゅう行ってるんだけど~」
と誘われたからだ。彼はここだけの仮名で千鳥先生としておくが、ある分野では人気で有名な御方だ。