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第257回 どこか楽しめる怖い話のウラガワ(2)
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第257回 どこか楽しめる怖い話のウラガワ(2)

2020-08-31 23:15

    オンナのウラガワ ~名器大作戦~
    第257回 どこか楽しめる怖い話のウラガワ(2)

    ◆もくじ◆

    ・どこか楽しめる怖い話のウラガワ(2)

    ・最近の志麻子さん 
     【配信版】月刊オメ★コボシ ~『メグ・ライオン』スペシャル~ 9/9まで
     9/4『メグ・ライオン』舞台挨拶に登壇予定
     次回、9/21「【配信版】月刊オメ★コボシ」
     『業苦 忌まわ昔(弐)』角川ホラー文庫から発売中
     TV「有吉反省会」にヒョウ姿でひきつづき出演中

     「岩井志麻子のおんな欲」連載中
     カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
     MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中

    ・著者プロフィール

    ===

    怪談の季節である夏。子どもの頃から心を躍らせてきた岩井さんは、「私の季節だ」とわくわくする。
    この夏は感染症に怯える日々だが、少しでも本来の怖い話を怖がり、楽しみたいものだ。

    もはや不条理、シュール、意味が分からない、オチのない話もなかなかに怖い。
    確かに記憶にあるのに、あらためて調べてみると、まったく存在していないかのような人たちも居て……。


    バックナンバーはこちらから↓
    http://ch.nicovideo.jp/iwaishimako/blomaga

    2014年11月~18年12月のバックナンバーは、「月別アーカイブ」の欄からご覧ください。
    2019年1月「去年に縁があったあれこれのウラガワ
    2月「台湾で初めて会った人たちのウラガワ
    3月「胸に引っかかる人を思う春のウラガワ
    4月「こういう人いるよねという出会いのウラガワ
    5月「働くということについて考えたウラガワ
    6月「私なりのプロファイリングをしてみたウラガワ
    7月「芸事業界の人たちの願いごとのウラガワ
    8月「怖さひかえめな怖い話のウラガワ
    9月「まだ挽回できるかどうか気になるウラガワ
    10月「なぜか惹かれる未解決事件のウラガワ
    11月「今頃になってわかってきた出来事のウラガワ
    12月「とりあえず終えたかな、というウラガワ
    2020年1月「愛しい南国の怖い話のウラガワ
    2月「ひきつづき東南アジアの怖い話のウラガワ
    3月「どこか心残りの別れのウラガワ
    4月「未経験な世の中のあれこれのウラガワ
    5月「「あの人実は」「あの人やっぱり」のウラガワ
    6月「アマビエ的なものや人のウラガワ
    7月「怖い話をエンタメとして楽しみたいウラガワ


    ※2014年10月以前のバックナンバーをご購入希望の方は、本メルマガ下部記載の担当者までお知らせください。リストは下記です。

    2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
    2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ​/ソウルの新愛人のウラガワ​/風俗嬢の順位競争のウラガワ​/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ​/「大人の夏休みの日記」なウラガワ​/その道のプロな男たちのウラガワ​

    ===

     八月といえば、怪談。子どもの頃から、夏休みに放映される心霊番組やホラー映画、漫画の怪奇特集やデパートのお化け屋敷などに心躍らせたものだ。

     今もって夏になると、私の季節だとわくわくする。今年の夏はまた、格別だ。感染症にこんなに怯えたのは初めてで、買い占めやデマ、自粛警察と揶揄された言動など人の怖さは嫌というほど味わった。この夏は、本来の怖い話を怖がり、楽しみたいものだ。

                        ※

     あんなひどいことをすれば恨まれても仕方ないとか、みんなが止めたのに禁忌を破ってしまったからあんな目に遭ったとか、因果関係がはっきりしているもの、因果応報といってもいい決着がつく話、こういうのももちろん怖い話はいっぱいあるが。
     もはや不条理、シュール、意味がわからないもの、オチのない話もなかなかに怖い。

     私もいくつか、経験がある。角川ホラー文庫から出してもらった本にも書いているが、いきなり管轄外の遠い街の警官がやってきて、
    「あなたの盗まれた自転車を発見した」
     といわれた。私は上京して以来二十余年、自転車に乗ったことがない。持ってもいない。だから盗まれようがないのに、三度もその警官は訪ねてきた。
     そうしてふっと来なくなり、結局あれはなんだったのか、今もってわからない。何よりあの警官は、本物の警官だったのか。

     編集者を名乗る男性が記事にしたいと依頼してきて、近所の料理店で写真も撮られインタビューも受けたが、いっこうにその週刊誌に載らない。編集部に問い合わせたら、そんな依頼はしてないし、そんな編集者はいないといわれた。
     別に金をだまし取られた、怖い目に遭わされたということはないが、何の目的だったのか、正体は何者だったのか、いっさい不明だ。

     最近では、都内に住む医者の男友達と岡山に住む主婦の友達に、私が季節外れのサンタクロースの格好をしてテレビに出て、スウェーデンのクリスマスの話をしていた、というラインをほぼ同時にもらったのだが。
     そんな格好で、テレビに出た覚えはない。スウェーデンなんか行ったこともない。どんなに検索しても、そんな番組もそんな志麻子目撃情報も見当たらない。
     都内の医者と岡山の主婦の間には、面識もない。いったい二人は、揃って何を見たのだ。

     
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