オンナのウラガワ ~名器大作戦~
◆もくじ◆
・ドライなのかウェットなのかわからないウラガワ(2)
・最近の志麻子さん
『岡山女』新装版、単行本『煉獄蝶々』発売中
『5分で読める! ぞぞぞっとする怖いはなし』に寄稿
『週刊大衆』で「熟成肉女 召し上がれ」連載中
「カクヨム」で田原総一朗・二次創作小説を発表
『でえれえ、やっちもねえ』角川ホラー文庫より発売中
カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中
・著者プロフィール
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ドライさとウェットさ、どちらが怖いか。
ドライさと答えてしまうのは、自分がドライだからかウェットだからなのか、うーん、わからない。
コロナでまだまだ規制が厳しい海外旅行。
夫が韓国に、長年の愛人がベトナムにいる悩ましさ。
どちらも居ないシンガポールに行きたくなるのは……。
※担当者の不調により更新が長く滞り大変申し訳ございませんでした。
順次記事公開いたします。
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2014年11月~20年12月のバックナンバーは、「月別アーカイブ」の欄からご覧ください。
2021年1月「ゆるく共存していくことを考えさせられるウラガワ」
2月「いつの間にか入り込む怖いもののウラガワ」
3月「もはや共存するしかないあれこれのウラガワ」
4月「変わらぬもの、変わりゆくもののウラガワ」
5月「子どもっぽい大人、大人になっても子どもな人のウラガワ」
6月「ドライになり切れないウェットな物事のウラガワ」
7月「ホラーの夏なので怖い怪談実話なウラガワ」
8月「夏といえばの怖い話・奇妙な話のウラガワ」
9月「歳を取れば大人になれるわけではないウラガワ」
10月「この歳になって初めて知ることもあるウラガワ」
11月「「どこで逸れたんだろう」と考えてしまうウラガワ」
12月「人生そのものがお楽しみ会のウラガワ」
2022年1月「まだ楽観視できない未来を思うウラガワ」
2月「記憶が混乱するアレコレのウラガワ」
3月「どうしても心残りなウラガワ」
4月「心残りな事件の男たちのウラガワ」
5月「好きと心地よいは違う、温度差を感じるウラガワ」
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2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ/ソウルの新愛人のウラガワ/風俗嬢の順位競争のウラガワ/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ/「大人の夏休みの日記」なウラガワ/その道のプロな男たちのウラガワ
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どちらに、より恐怖を感じるか。そんな二択の中に、「あるはずのものが、ない」「ないはずのものが、ある」というのがある。
たとえば、「突然に夫がいなくなったけど、周りの人は『あんた独身で、夫なんかいない』という」のと。「見知らぬ男が家にいて驚いているのに、夫も家族もみんな、『何十年も連れ添った夫を忘れるなんて』という」のと、どちらが怖いか。
私はなんとなく、前者の方が怖い。たとえ変なものにしても、ある、増えた、というのより、大事なものが無くなった、失った、という方が怖い。
ではドライさとウェットさ、どちらが怖いかと問われれば。ドライさと答えてしまうのは、自分がドライな人だからか、ウェットな人だからか。うーん、わからない。
ということを、いろいろと考えているウェットな六月の、ドライな日々。
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新型肺炎は今もって終息してないが、もはやみんな慣れてきたといういい方はよくないにしても、いわゆるwithコロナ、もう共存するしかない段階に入っている。
ほとんど以前の生活を取り戻したが、今もって規制が厳しいのは海外旅行だ。
ワクチン接種済みで陰性証明があれば入国後の隔離なし、という国が増えてはきたものの、帰国時は今もって出国前72時間以内に取得した陰性証明が必要。
つまり外国に行く前に検査、帰国前に検査、これがけっこうな金も手間もかかって二の足を踏む、となってしまう。私の場合、夫が韓国に、長年の愛人がベトナムにいる。
日本と韓国の関係は、いつまでも特別なものがある。私か夫のどちらか、あるいはどちらも感染したら、日本から持ち込んだだの韓国で感染させられただの、要らん揉め事も起きる。考えてみれば日韓関係は、ドライになり切れないところが拗らせ続けるのね。
さすがに、夫を差し置いて愛人を優先するのも、気が引ける。ベトナム渡航の注意事項に、濃厚接触を避ける、というのもあるし。
愛人に会いに行って濃厚接触を避けるなんて、レストランに行って何も食べないのに等しい。と、あれこれ言い訳を並べてみたが。実をいうと、直接会えなくてもテレビ電話やラインで満足しちゃってて、これで当分いいやとなっているのだ。
そこには、私の慣れと飽きがある。夫にも愛人にも、安定や安心、情が移ったというのは、確かにあるが。ときめき、情熱、性欲、といったものは失せてはいないものの、かなり下火に、とろ火になっているのは否めない。
便数が減っているので飛行機代も高騰、二度のPCR検査だけで五つ星の高級ホテル一~二泊分になってしまう。どちらの男にも、かっかと最高潮で燃え盛っているときは、そんなのものともせず、すっ飛んでいっただろうが。
今は、支出と天秤にかければ、ちょっと金が惜しいというか、もうちょっと待てば安く行けるし、と計算してしまう。私もドライになった、というべきか。
友達がいるタイと台湾も、もっと規制が緩くなれば行こうと待っている。それで不思議なのは、シンガポールだけ彼氏も友達も知り合いも皆無なのね。シンガポールだけは、誰かに会う目的なしに、行きたいから行くだけ。
お土産を買わなければ。約束して会わなきゃ。あそこに行かなければ。というのが一切無いので、まるまる自分のためだけに気ままに楽しめるのがいいのだ。だから、シンガポールには彼氏も友達も積極的には作らずにいる。
もしそのような存在ができれば、それはそれで新たな楽しみを見つけられるかもしれないが、とことんお気楽な地ではなくなってしまう不安みたいなものがある。これは、シンガポールに対してドライでいたいということか。
シンガポールもまた、私に対してドライ。だから、いい。
そんな私が今、シンガポールにいる、ある人に会うことだけを目的、目標にし、