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第337回 記憶の落ち葉のように殺人事件に思うウラガワ(1)
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第337回 記憶の落ち葉のように殺人事件に思うウラガワ(1)

2022-11-30 13:00

    オンナのウラガワ ~名器大作戦~

    ◆もくじ◆

    ・記憶の落ち葉のように殺人事件に思うウラガワ(1)

    ・最近の志麻子さん 
     『岡山女』新装版、単行本『煉獄蝶々』発売中
     『5分で読める! ぞぞぞっとする怖いはなし』に寄稿
     『週刊大衆』で「熟成肉女 召し上がれ」連載中
     「カクヨム」で田原総一朗・二次創作小説を発表
     『でえれえ、やっちもねえ』角川ホラー文庫より発売中

     カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
     MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中

    ・著者プロフィール

    ===

    自分とほぼ関係ないことだったとしても、物悲しい晩秋の落ち葉のように、記憶に残っている事件について。
    耳かき店の女性がストーカー化した男客に殺される事件が以前にあった。

    ※担当者の不調により更新が長く滞り大変申し訳ございませんでした。
    順次記事公開いたします。

    バックナンバーはこちらから↓
    http://ch.nicovideo.jp/iwaishimako/blomaga

    2014年11月~20年12月のバックナンバーは、「月別アーカイブ」の欄からご覧ください。
    2021年1月「ゆるく共存していくことを考えさせられるウラガワ
    2月「いつの間にか入り込む怖いもののウラガワ
    3月「もはや共存するしかないあれこれのウラガワ
    4月「変わらぬもの、変わりゆくもののウラガワ
    5月「子どもっぽい大人、大人になっても子どもな人のウラガワ
    6月「ドライになり切れないウェットな物事のウラガワ
    7月「ホラーの夏なので怖い怪談実話なウラガワ
    8月「夏といえばの怖い話・奇妙な話のウラガワ
    9月「歳を取れば大人になれるわけではないウラガワ
    10月「この歳になって初めて知ることもあるウラガワ
    11月「「どこで逸れたんだろう」と考えてしまうウラガワ
    12月「人生そのものがお楽しみ会のウラガワ
    2022年1月「まだ楽観視できない未来を思うウラガワ
    2月「記憶が混乱するアレコレのウラガワ
    3月「どうしても心残りなウラガワ
    4月「心残りな事件の男たちのウラガワ
    5月「好きと心地よいは違う、温度差を感じるウラガワ
    6月「ドライなのかウェットなのかわからないウラガワ
    7月「「もう」と「まだ」の間のあれこれのウラガワ
    8月「志麻子周辺のホラー特集なウラガワ
    9月「身近な少し怖い話をまだまだなウラガワ
    10月「二年半ぶりのシンガポール滞在記のウラガワ

    ※2014年10月以前のバックナンバーをご購入希望の方は、本メルマガ下部記載の担当者までお知らせください。リストは下記です。

    2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
    2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ​/ソウルの新愛人のウラガワ​/風俗嬢の順位競争のウラガワ​/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ​/「大人の夏休みの日記」なウラガワ​/その道のプロな男たちのウラガワ​

    ===
     
     毎年、せわしない十二月よりも十一月の方が、「あれはやり残したままになるのかな」「来年になっても解決しないのかな」といった気になることが、落ち葉のように私の中に降り積もる。

     それは自分のことに限らず、自分とほぼ関係ないことだったりもする。今月はそういった、どこか物悲しい晩秋の、記憶の落ち葉みたいなものを書いてみたい。

                        ※

     可愛い女の子が膝枕して耳かきしてくれる、という店の人気嬢が、ストーカー化した男客に殺される事件があった。もう、十年以上も前だ。

     彼女宅に押しかけた男は彼女の祖母まで手にかけ、無期懲役で今も服役中だ。女性は仕事に徹していただけ、男が勝手な暴走をした、これに異論はないが。

     風俗店ではないとしても、密室で男と二人きりになる。嬢も客も脱がないし、性的と見なされる接触こそないが、女性が膝枕して客の顔に触れる。接客の形態としては、カウンター越しや隣に座るだけのバーやキャバクラとは、明らかに違う。

     疑似恋愛の空間を作り出す、あくまでも男に妄想の中で性的な夢を見させるのも業務のうちで、その意味で彼女はとても優秀な仕事人だったのだ。公表された彼女の写真を見ればアイドル並みの可愛さだが、容姿だけで売れっ子にはなれない。

     この事件は妙に引っかかり、関連本なども買っている。決してこの男に同情などできないが、ある箇所が物悲しく私の胸を衝く。

     彼女に夢中になり始めの頃、まだストーカー扱いこそされてなかったが、ちょっと面倒な指名客、になりかかっていた頃。彼女に対し、こんな質問をしたらしい。

     
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